祖父の思い出
空気階段の「定時制高校」のネタを見て、1年ほど前に亡くなった祖父との思い出が蘇ってきた。
祖父は無口だけれどもいつもニコニコしていて不思議な安心感を持った人だった。
僕自身もそんなによく喋る方ではないので、会話自体はそんなにしなかったけれど、ずっと親近感を感じていた。そしてあまり喋らなくてもみんなに愛される祖父を目標のようにも思っていた。
そんな無口な祖父が、一度だけ僕に長文で喋りかけてくれたことがあった。
僕は大学進学のタイミングで実家を離れて一人暮らしすることになり、実家を出る前に祖父母に挨拶に行った。
初めての一人暮らしに不安でいっぱいだった僕に祖父は優しく声をかけてくれた。
内容は声がしゃがれていてほとんど聞き取れなかった。
けど、聞き返すのも野暮だなと思い聞き返さなかった。
1年前の祖父の葬式で、その時のことを思い出していた。
あの時はあんなにたくさんの言葉をかけてくれただけで嬉しかったし、聞き返さなくてもと思ったけど、やっぱりちゃんと内容聞いておけばよかったなあ。
聞く機会は山ほどあったのに。
空気階段、この話コントにしてくれないかなあ。
もぐらさんならしゃがれて聞き取れない感じを完璧にやってくれそうだし、かたまりさんならすごく面白いコントにしてくれそうな気がする。
もしそんなコントが見れたら、笑いながら号泣するだろうな。