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【ファジサポ日誌】135.今シーズンのJ2順位予想を振り返る(さらっと)

応援しています岡山はプレーオフも控えていますし、北九州は大一番を迎えようとしています。今年は「さらっと」答え合わせをしてみたいと思います。

まず、開幕前の順位予想記事がこちらです。

予想記事のメイン材料になるのが、補強状況になるのですが、今シーズンに関しては補強に力を入れたチーム、人件費を割いたチームが比較的上位を占めました。順当な結果であったと思います。

同時に今シーズン、近年と比較しましても非常にハイレベルなJ1昇格争いが繰り広げられました(繰り広げられています)。
これは再来年のシーズン移行を前にして、配分金の傾斜配分が進んでいく等、カテゴリー間での格差拡大が予想される中、J1昇格(復帰)のチャンスを最近1~2年と睨み、意欲的な強化を図ったクラブが、筆者が応援している岡山も含めて複数存在していたことによるものといえます。

では、早速予想順位と実際の順位を振り返ってみましょう。
(※引用部分は予想記事の寸評です。)

予想順位1位
→結果 5位 ファジアーノ岡山

大方の予想はプレーオフ圏内、またはそこに近いところかと思いますが、筆者は優勝と予想しました。その根拠は前章で述べました観点から、有力と目される数チームの中で最も「新味」が出る。つまり相手が対策しにくい面が多く出てくるのではないかと考えたためです。

木山監督がつくるチームというのはサッカーをよく知っている人ほど、その評価が定着していて、チーム像が固まっていると思うのですが、サポーターとしての贔屓目はあるにせよ昨シーズンから観察していて、良い意味でちょっと違うところが出てきたなとみています。そのひとつが「保持」に関する考え方であったりするのですが、この部分はインテンシティ+αといえそうというのが筆者の見立てです。

更に選手の特長、質とシステムが合っていると思います。このシステムがWBの裏を狙われたりと諸刃の剣にもなりそうですが、TMの動画をみる限りは守備面での約束事もしっかり整備されているようにみえました。

対策されにくかったかどうかという点については、相手コートでのサッカーと最後をやらさない強固な守備の双方を追究したことから、その矛盾を突かれた試合が複数あり、結果的には対策されやすいチームであったかなと思います。

優勝を狙った上で誤算であったのが2~3月度リーグMVP、FW(9)グレイソンの故障離脱、登録抹消。そしてファンタジスタMF(8)ガブリエル・シャビエルの退団、更には4~5月にはトレーニング中に故障者も続出、一時は紅白戦も行えない状況になっていました。

しかし、この時期を自分たちなりのサッカーをすることでドローで凌ぎ、フロントもMF(39)早川隼平やFW(22)一美和成ら抜けた選手の穴を的確に補強、シーズン終盤には厳しいフィジカルトレーニングの効果が見え始め、相手を見ながら自分たちが求める相手コートでのサッカーも出来るようになってきた点は、木山監督のマネジメントも含めて評価されるべきと考えます。5位という結果については、よく頑張ったといえるのではないでしょうか。

予想順位2位
→結果 1位 清水エスパルス

戦力面のみで考えるなら、今シーズンも清水が昇格最右翼であるとは思います。一方でチアゴ・サンタナが昨シーズン思ったより得点が伸びない、決定率が上がらない面はあったもののフィニッシュで終えていた点というのは大きかったと思っていて、彼の移籍はやはりそれなりに穴になるとみています。

後釜にドウグラスタンキを獲得しましたが、母国では好調も日本時代の実績がイマイチで読めない面もあります。

あとは秋葉監督の続投がどう出るかというところでしょう。

「戦う個」を強調するスタイルが昨シーズンの清水を救ったともいえますし、乾貴士をはじめ個性派揃いの選手層で戦うにはこれで良いのかもしれませんが、熊本や秋田のように攻守にしっかりした組織を構成するチームに足をすくわれる弱点も昨シーズンは抱えていました。

それでも、十分自動昇格圏内に到達する星勘定は可能です。

取りこぼしはそれなりにあり、8敗は昨シーズンと同様なのですが、試合数が減る中で6勝も上積めた点が決め手となりました。CF(23)北川航也の機能、そして今シーズンは最終ラインがより強固になっていました。
岡山に関しては対戦した2戦とも、抵抗はしたものの完敗であったことを踏まえれば、全体的にレベルが違っていたと思います。

予想順位3位
→結果 7位 ジェフ千葉

優勝に推す声も多い千葉。昨シーズンの試合内容、今シーズンの陣容をみれば当然そうなるのですが、1年を通してあの強度が高いサッカーを相手の対策も進む中で発揮できるかがポイントであると思います。

今年はひょっとしたら自陣で持たされる場面も増えるかもしれません。そこで「保持」をどのような形で考えるか、田口泰士のポジショニングとセットで注目しています。

戦力面ではCBの層は少々不安に感じます。新井一耀を放出した影響は出るかもしれません。

予想記事の内容に近い状況になっていたかとは思います。
インテンシティの高いサッカーを継続する難しさが出ていました。
CBを中心に負傷者が出続けていたシーズンであったと思いますが、最も痛かったのはLSB(67)日高大の戦線離脱であったのかもしれません。
それでも昨シーズン同様に平均勝点1.6台をマーク、ハイレベルな昇格争いの主役であったといえます。

予想順位4位
→結果 4位 モンテディオ山形

毎年、同じこと書いていますが、2022シーズンが3勝3敗4分、2023シーズンが2勝8敗であった最初の10試合、つまり春先をどのように乗り越えるかが鍵となります。

主力であったチアゴ・アウベス、デラトーレを放出しSHに本職かつ得点能力が高い選手を数多く獲得したことからも、狙いは相手サイドの背後のスペースにあり、逆サイドのSHがボックス内に侵入する動きが目に浮かびます。

昨シーズンのプレーオフ清水戦のような戦い方がベースになるのではないでしょうか。一方で中盤の守備の強度がライバルクラブと比べると若干落ちる面があります。その分、自陣内に侵入される回数や時間が長くなる傾向もデータは示しています。この点からも自陣から繋げるCBは絶対に必要で安部崇士の獲得は、個人昇格した野田裕喜の穴埋め以上に理に適っているといえます。

今シーズンはこれまで以上に出だしで躓いた訳ですが、これまでとは少々背景が異なり、戦術的な問題が大きかったのではないかとみています。
サイドアタックを両サイドから均質にやりたい理想を捨てながら修正、そこにMF(88)土居聖真やCF(90)ディサロ燦シルヴァーノ等の力がマッチした現状とみます。
開幕当初と比べると相手の嫌なことをしてくる場面も増えてきたように見えます。

予想順位5位
→結果 3位 V・ファーレン長崎

今年もカリーレ前監督のままであったなら、評価を上げなかったチームです。陣容のみをみれば自動昇格圏内を狙えても不思議ではないのですが、ファンマ・デルガドのような圧倒的得点王を輩出しながら、昨シーズンはデータをみても各チームスタッツが軒並み低調でした。

これは各局面でおそらく個の能力任せになっている点が影響していると考えます。

下平監督への交代により攻守にこれまで以上の組織化が図られると予想されますので、陣容をほぼ維持したことを踏まえれば、昨シーズン以上の成績は期待できます。

J2では数少ない4-1-2-3が想定されていますが、アンカーに配置される見込みの山田陸はJ2全体でも今シーズン注目のプレーヤーです。

陣容をみれば本来はこれぐらいの力は出せるチームです。
アンカーは(17)秋野央が務めましたが、カリーレ前監督続投の段階では戦力外となっていました。下平監督に代わって再契約し、チームの核として機能した。これが大きかったと思います。
そして長崎スタジアムシティの開業、間違いなくチームの力になっていますね。

予想順位6位
→結果 2位 横浜FC

ここは、やはり福森晃斗の加入が大きいですね。これだけで10点ぐらいは約束されたようなものといっても過言ではないでしょう。

J2の勝ち方をよく知る四方田監督の続投は手強く感じる反面、4バックが通用せず1年でJ2に帰ってきてしまった経緯を考えると、選手にとっても戦術的にも「新味」がどれぐらい出るのかが鍵と考えます。

福森に関しては予想どおりの活躍でした。
強力な外国人選手たちの活躍も予想どおりでしたが、それだけではなく既存の日本人選手たちの成長がプラスαの力をもたらしていたように見えました。その理由には、才能ある若手選手が続々と加入してくる競争環境も影響しているのかもしれません。四方田監督のみならず、中村俊輔コーチの存在感も大きかったように思います。

予想順位7位
結果→14位 ヴァンフォーレ甲府

アダイウトン、ファビアン・ゴンザレスの加入を考えれば、もう少し上の評価でも良いような気もするのですが、やはり保持しないゲームプランのみで今のJ2で一年通して上位を窺えるのかは微妙と考えています。

更には蓮川壮大の移籍はかなり痛かったのではないかとみています。

ここからは7位、8位という予想順位をつけましたが、3~6位予想と合わせてプレーオフ圏内争いという位置づけです。

まず、J2からACLに挑戦していたという点でリスペクトしていたのですが、蓮川が抜けたCBがシーズン通して穴になっていたという印象は強く残りました。あと、故障者が続出していた点は痛かったと思います。
千葉同様にインテンシティに勝るサッカーの難しさが見えたシーズンであったのかもしれません。

予想順位8位
結果→ 6位 ベガルタ仙台

昨シーズンも16位まで低迷する実力ではないと思います。

伊藤彰監督の下では4バックと3バックを併用していましたが、何のために可変するのかという目的と手段の部分があまり見えないという印象は、岡山と対戦したアウェイ戦からも感じました。

森山監督に代わり、戦う部分で良いムードを取り戻していると聞きますし、鎌田大夢が残ったのは大きいですね。中山仁斗が戻ってきそうなFWは少々手薄な印象ですが、本来の実力を発揮すれば当然プレーオフ圏内に入ってきても不思議ではないと思います。

予想記事どおり、結構上位にくるのではないかとみていましたが、そのとおりでした。戦い方が整理されているので、各選手が迷いなくプレー出来ているのが強みであると思います。粘り強さも感じました。

予想記事9位
→結果13位 藤枝MYFC

大穴ですね。

一昨シーズンの熊本のように、チーム人件費がリーグ下位であっても確固たるスタイルを持っているチームが上位の一角を崩すことがあります。

今年に関していえば、いわきFCも気になったのですが、中島大嘉の存在が決め手となり藤枝を推すことにしました。

昨シーズンは夏のマーケットで数多くの主力を抜かれてしまった点も響いたのですが、その点も含めて一年を通して調子の波を失くすことが出来れば、プレーオフ進出も十分あり得ると思います。

守備の弱点は更なる攻撃強化で補い得る。

弱点を補い、強化し続ける岡山とは対照的なチームづくりともいえます。

これもサッカー、いやこれがサッカーの本筋なのかな?

大穴の1チームとして、人件費はともかく「確固たるスタイル」を持つチームを一つ挙げようと藤枝を候補に挙げました。
案外、得点力不足の時期が長く続いたこともありましたが、決定機自体は毎試合つくれており、CF(9)矢村健の爆発がもう少し早ければと感じさせるシーズンでした。それでも16得点ですから十分ブレイクはしているのですが。ただ、以前の藤枝と比べると尖り具合は少々落ち着いた印象も残りました。この辺りは評価が難しいところです。

「確固たるスタイル」を持つチームということで言えば、終盤までプレーオフ争いに残った9位いわきの強化方針、MF(7)西川潤のようにフィジカルに課題を持つテクニシャンが成長環境として新たに加入し、逆にチームにアクセントをつけていく姿は面白かったですし、前半~中盤戦の主役、山口も「自分たちの色」を出すチームへと進化を遂げており来シーズン移行も注目です。

更には熊本や秋田といったチームの更なる飛躍も気になるところです。
来シーズンは再び熊本がリーグを掻きまわしそうな予感がしています。

以上、短かったですが今年の予想結果を振り返ってみました。

お読みいただき、ありがとうございました!

※敬称略

【自己紹介】雉球応援人(きじたまおうえんびと)
地元のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。
2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。

レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。
鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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