【ファジサポ日誌】95.相乗効果への期待~YBCルヴァンカップ1回戦 テケバジャーロ宮崎vsファジアーノ岡山 (ミニ)マッチレビュー
遅ればせながら視終わりましたルヴァンカップ1回戦。
今回は筆者の時間の都合により簡単な感想に止めますが、これで先の戦いに進めますので、次に繋がる何かが書ければいいなと思っています。
筆者としては、ご贔屓の岡山、北九州共に初戦突破という最高の結果になりました。J2勢結構苦戦していましたね。
ミッドウィーク開催ということで、大幅にターンオーバーを行ったチームが多く、自軍のコンビネーションで苦労したり、まだ春先という事で情報が不十分なのか、相手の出方を見誤ったチームも多かったかもしれません。
その中で岡山は、比較的「盤石」に勝利できた点がまず大きかったですし、何と言ってもリーグ戦と同じコンセプトで戦えた点が非常に大きな収穫といえます。相手の強度、スピードの違いはあったにせよ、これならこの試合のメンバーが今後リーグ戦に絡んでくる可能性も膨らみ、それがそのままチームの戦力の厚みに繋がっていきそうです。
一言で述べますなら、昨シーズンのレギュラーをイメージさせる布陣です。
宮崎はリーグ戦同様4-4-2、2トップが縦関係になる時間もありましたが、基本的なやり方はリーグ戦と一緒でした。
筆者はこの試合に先立ち、宮崎のリーグ戦をチェックしましたが、正直なところ岡山とは寄せの厳しさ、トランジションの部分で現状では差があると感じていました。裏も取れると思いました。
それが早速出ましたのが4分の(99)ルカオの先制点でした。
CFに当ててシャドーとの関係性でゴールに迫る形が出ていました。
特にポジティブに感じたのが(99)ルカオのシュート精度です。
昨シーズンは1ゴール、アウェイ東京V戦でのゴールも一度GKに当てたこぼれ球を押し込む形でした。このゴールは、相手CBを背後に感じながら、GKの飛び出しも完璧に交わすコントロールショットでしたので、確実にシュート精度は上がっていると感じました。
リーグ戦でも複数ゴールを獲れるのではないかとの期待が膨らみました。
ただその後については、宮崎の守備ブロックの頑張りもありましたが、リーグ戦から続く決定機逸はやはり課題と感じました。(10)田中雄大と(44)仙波大志のシャドーも悪くはなかったのですが、(19)岩渕弘人らと比べると追い越す動き、事前の準備という点で若干物足りなさも残ったのでした。
もちろん、(99)ルカオと(9)グレイソンでは収める、落とす部分で差はあるので、その点も影響していたと思います。
一方で終始落ち着いたプレーを見せていたのが、ルーキーLCB(55)藤井葉大にCH(25)吉尾虹樹でした。そして岡山移籍後2試合目の出場&初スタメンとなった(20)井川空も(25)吉尾との距離感をきっちり意識しており、ピンチを未然に防ぐ役割を十分担えていたと思います。
この3人はリーグ戦でも観てみたいと思いました。
後半、勝負を決めようと岡山は開始当初から攻勢を仕掛けます。
RCB(15)本山遥も前線、中へと進出、攻撃に関与しますが、この(15)本山の中へのパスをカットされたところを起点にカウンターを宮崎に決められてしまいました。
この場面は宮崎の右サイドの上がりに対して(55)藤井が行くのかどうか中途半端な対応になってしまいましたが、飛び出した後の後方のカバー(ボランチ)が間に合っていないことに気づき躊躇してしまったのかもしれません。リーグ戦2試合を観た限り、こういう場面では両サイドCBが飛び出した後のスペースを(24)藤田息吹がほぼパーフェクトに埋めていたと思いますので、やはり彼の力は偉大であると改めて感じたのでした。
その後、56分にも宮崎の右サイドから侵入され、クロス、シュートを許しますが、これは(5)柳育崇が体を投げ出してブロック。
おそらく、(5)柳は山口戦と連戦になると思いますが、彼もまたチームのコンセプトをしっかり体現してくれました。
この後半序盤に宮崎の時間帯が続きましたが、(44)仙波と(25)吉尾のポジションを交換してからは岡山の攻撃はテンポアップ、再び岡山が主導権を握ります。(44)仙波の適性ポジションについては様々な意見があると思いますが、筆者は以前からから前目よりはCHがベストと考えていました。
何と言っても彼の高いパス能力とキープ能力、そして広い視野がフルに活かせるポジションです。ただし、このポジションの場合、弱点は守備の強度となるのでしょう。そういう意味では(20)井川とのダブルボランチは組み合わせとしては最適であったと思います。
そして(25)吉尾が前にポジションを移してからより輝いていましたね。
TMも含めて、彼の高い得点能力はこの春の新発見であったのではないでしょうか?
ここはゴール動画を貼って代えさせていただきます(時間の関係です、すみません)。
そしてもう一点、U-18組の初出場です。
プレミアWEST初昇格にも大きく貢献した2人、MF(66)南稜大、MF(65)三木ヴィトルがついにトップチームのピッチに立ちました。
クラブの歴史を変えた一戦になりましたね。
いわき戦で手痛いドローに持ち込まれた直後でしたので、このルヴァン組がこの宮崎戦で魅せてくれたパフォーマンスは、改めて今シーズンの岡山が取り組むサッカーを強く意識づけ出来たと思います。そういう意味ではリーグ戦組にも非常に刺激になったのではないでしょうか?
決勝ゴールを決めた(44)仙波のコメントからは悲壮感も漂っていましたが、長いリーグ戦、まだまだ彼らにも出場のチャンスはあるといえるでしょう。この良い競争関係を維持してほしいと思います。
また、(66)南、(65)三木のトップ出場経験が今後プレミアリーグに還元されることも期待したいですし、この試合に止まらず今後のトップ出場(他のU-18選手も含めて)にも期待したいです。
様々な相乗効果という意味でも非常に意義があったルヴァン初戦であったといえます。
良い空気を維持して次の山口戦に臨みたいですね。
おっと、そろそろ朝の準備をしなくては!
お読みいただきありがとうございました。
※敬称略
【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
地元のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。
JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。
2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。
鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。
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