見出し画像

サラリーマンを辞めた理由

私がサラリーマンを辞めて社会保険労務士事務所を立ち上げたのは10年近く前のことです。複数の会社を経て、私が最後に転職したのは東証プライム上場のIT企業でした。そこで私は人事部のHRオペレーションチームと採用チームの2つのチームをマネジメントしていました。午前9時から午後5時まではHRオペレーションの業務を行い、午後6時以降に採用チームの責任者として毎日2名から3人の候補者との面接や雇用契約書を渡すオファー面談を行なっていたので、退社するのは概ね午後9時以降という生活をしていました。毎日業務に追われるものの、飲みにも行けるし、土日は比較的自由なのでそこそこ満足していました。そんなある日、面接が終わって帰宅準備をしながら殆ど人が残っていないオフィスを見た時に、ふと「俺、10年後に何をしているのだろう?」と考えました。そのまま数年勤めていていれば、昇格して人事部長になるんだと漠然とした確信がありました。そう思った瞬間、想像出来る自分の人生に白けてしまったのです。人事部長の給与も業務も分かりきっているし、その大変さも知っている。そこまでのしインフラビジネスをしている会社なので株価も市場占有率も安定していて、そんな現状に満足しているオーナー企業では本質的なチャレンジも求められない。安定した企業で安定した収入が確保出来るのは魅力的だけど「おまえ、本当にそれで良いのか。そこに生きる意味はあるのか?」と内なる自分に問われた気がしました。その後、私は自分の後任者を採用して退職し、社会保険労務士事務所を開業しました。コネが全くない状態で開業したので半年以上は仕事が全く無くて泣きそうでした。しかし「会社を辞めなければ良かった。後悔は微塵もありませんでした。」と言えれば良いのですが、そんなこともなく不安と後悔の混じった半年を迎えた12月のある日、1件の仕事を紹介して貰いました。そこから私の社労士事務所の業務が始まりました。開業してからもう直ぐ10年。この10年間で感じたこと、社労士事務所の開業や業務、人事、キャリアについて書いてみようと思います。実は以前、Noteで同じことを実名で書いたのですが辞めました。実名で書くと縛りが多く、思ったことが書けない。なので、匿名で再スタートです。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集