朧月夜さんのこと
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無精者なのでnoteを開く回数も時間も少なく、よほど「これは」と感じるものがあり、それなりの交流が持てそうなnoterさん以外はフォローバックを遠慮させてもらっている。
それとともに敢えて特定のnoterさんを取り上げてシェアしたりプッシュしたりすることも控えるようにしている。
それにもかかわらず、今回はどうしても取り上げたいエッセイnoterさんがいる。
朧月夜さんという方だ。
勝手にBGM :^)
バッハ『ゴルトベルク変奏曲 アリア』
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朧月夜さん。
現在、古希を2つほど過ぎたお齢の女性のようだ。
四半世紀前から「鹿児島の離島」に移住して独り暮らしをされている。
そして2022年の2月からnoteを始められ、今に至るまで「島日記」という標題の投稿を毎日続けておられる。
(とはいっても僕がフォローバックしたのはつい最近のことなので、それほど詳しく存じ上げている訳ではない)
島の名前を特に明記されてはおられないので余計な詮索は慎むが、記事を拝読する限りは、かの縄文杉で有名な「ひと月に35日は雨が降る」といわれる南の島だと推測する。
登山に目覚めた40代の頃、この島の山に登り、島の魅力に取り憑かれて移住を決意されたそうだ。
それから四半世紀、島内の農家の農作業や民宿のお手伝いなどをしながら「借家」での独り暮らしを続けておられる。
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「最初は一人ではなかった」と書いておられるが、それでも40歳を過ぎての離島への移住から今日に至るまでの道のりの険しさは僕などの想像の及ぶものではない。
失礼ながら、今の暮らしぶりもけっして潤沢な生活資金で悠々自適…というご様子ではない。
基本的に炎天下で毎日農作業のお手伝いなどをすることで日々の生活の糧を得ておられる。
しかし、この方のエッセイには一片の悲壮感もなければ、これ見よがしの苦労話も見当たらない。
ただひたすら、南の島での暮らしの身辺の話題を淡々と、しかもユーモアを交えた軽妙な筆致で綴っておられる。
何よりも日々の暮らしを、苦労も含めて全身で愉しんでおられる様子が伝わってくる。
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話題は多岐にわたる。
南の島特有の自然、気候、食べ物、料理から文学の話題まで。
源氏物語などの古典から近現代の日本の文芸までお詳しいので、おそらく大学では国文学を専攻されたのだろうか。
筆名の「朧月夜」も源氏物語の登場人物から拝借されたようだ。
しかし、どこにも自分の知識をひけらかすようなペダンティズムの欠片もケレン味もない。
さらに身辺雑記にありがちな「私は」「私は」という「自分語り」特有のアクの強さや「リア充」的自己陶酔感を微塵も感じさせない。
しかも2年近くも毎日投稿を続けながら、ご自分のフォロバ数を僅かに「27」に留めておられるのは、必要以上に自分を売り込もうとする野心とは無縁の場所におられるからだろう。
「自分の些細な個人日記に過ぎないような身辺雑記を一人でも二人でも読んで下さる方がいるだけで嬉しい」と仰る。
それでいて、何篇続けて読んでも読み手をまったく飽きさせない。
僕などは一日に30篇を一気に読んでしまったほどだ。
エッセイの原点がここにある。
この文章の味わいを醸し出すのは、言うまでもなくご本人の生き方と人柄そのものであるに違いない。
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この人の綴るエッセイが、このままnoteという大都会の片隅に埋もれたままでいるのはあまりにもったいない。
文章においても、生き方においても学ぶものがあまりにも多く、しかも深い。
そんな思いに駆られて、柄にもなく頼まれもしないのに勝手に紹介させてもらった。
「まったく、余計なことを…」というご本人の迷惑顔が目に浮かぶようだが…
m(_ _;)m