追憶のラフマニノフ &シンデレラ・エクスプレス
今年、生誕150年を迎えたセルゲイ・ラフマニノフ。
彼の音楽が現代人の心を捉えて放さない最大の要素は、何といってもその絵画性とドラマ性、そして感傷と紙一重のところに踏み止まっている甘美で哀愁に満ちた華麗な旋律だろう。
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その代表的なものが「交響曲第2番 ホ短調(作品27)」。
この全4楽章の中で最もよく知られて人気の高いのが第3楽章。
冒頭、ヴィオラによる流れるような三連符と、遠い日の追想を思わせるスラブ風の哀愁に満ちた旋律で幕を開ける。
すでにこの段階で十分に絵画的(映像的)であり、心が鷲づかみにされる。
夢や憧れ、別れや喪失の間を大きく揺れ動きながら、やがて華麗さと感傷の頂点に導かれていく。
素人の僕でさえ絵に起こしたくなるくらいだから、映画人ならテーマ音楽に使いたくなるのは当然だろう。
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例えば、このようなイメージ。
この素描の段階で止めておくのが「粋」だと思うのだが、どうしても色を置きたがるのが素人というものだ 🖌️🎨
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やはりずいぶん暗い色彩になったが、僕にはこれがラフマニノフの音楽の基本色調であるように感じられる。
しかし、もちろんこれだけでは終わらない。
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聴きこんでいくうちに、再びめぐり逢うこともないであろう遠い日の追憶に誘われ、胸が締めつけられるのだ・・・
若者たちの切ない出会いと別れが繰り返された、あの時代の新幹線のプラットフォーム。
あなたにも覚えがあるかも知れない。
それにつられて過去のイメージ・イラストまで誘い出される。
年甲斐もなく、少し感傷に傾き過ぎた…:^)
僕の手前勝手なラフマニノフの味わい方である。
ま、『おとなの絵本』ということで、お許しを・・・
イメージを損なわれた方には申し訳ない…
【付録】
ピアノ独奏バージョンもある。
今をときめく角野隼斗による編曲と演奏で。