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夏休みの絵日記part3          「波の盆」とテーマ音楽                        

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 台風の余波のお陰で、酷暑続きの西日本にもほんのひとときのお湿りがもたらされた。
 我が家の庭のカイヅカイブキもほっとひと息ついている。
 庭に出て、久しぶりに簡単なスケッチでも。

絵を描く手帳の見開き2ページを使って


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 8月になると俄かにかしまししくなる「平和、平和」のセレモニー的でセンチメンタルな大合唱を聞くのは苦手である。
 
 その意味では1983年に日本テレビ系列で放映されたドラマ『波の盆』の、人としての底深い悲しみには胸をえぐられる。
脚本・倉本聰、監督・実相寺昭雄。

主演は在りし日の笠智衆加藤治子
助演は若き日の中井貴一、石田えり

  太平洋戦争によって引き裂かれ運命を狂わされたハワイ日系移民の家族の苦悩が描かれる。
 我々は「平和のハト」のような顔をしてヒロシマ・ナガサキばかりを語りたがるが、戦時下において「棄民」とされた沖縄や日系移民をはじめ、そこには国家に翻弄された悲惨が無数にあるのだ。

 視聴しようと思えばYouTubeにもアップされている。 
 https://youtu.be/E9JMFElhL1w
 (撮影はマウイ島を舞台としてオール・ロケが敢行された)


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 しかし、この類の長時間ドラマに向き合うのが苦手な方もおられよう。
 それならば、この作品のテーマ音楽だけでも耳を傾けてみられることをお勧めしたい。

 サウンド・トラック版。
 短い前奏を置いて、端正で美しい旋律の中から胸を衝かれる哀切な望郷の想いが溢れ出す。

 指揮 岩城宏之 
 演奏 東京コンサーツ 

 あの難解な現代音楽を書く作曲家・武満徹の「もう一つの顔」とも言える珠玉の作品。

 けっして主張し過ぎず、この映像詩の世界を通奏低音のごとく深い部分で支えている。

 こちらは
オーケストラのための『波の盆』

 指揮 尾高忠明
 演奏 NHK交響楽団

 この音楽を聴くだけでもドラマが訴えようとするエッセンスが十分に伝わってくる。

『夕立や 肩を寄せ合う カイヅカイブキ』
ダーマトグラフ、透明水彩
(絵を描く手帳、見開き2ページ)