夏、本の森にて
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この酷暑の中では何かを創作してnoteに投稿しようなどという意欲は爪の先ほども湧いてこない💦
時折ちらりとnoteを眺めたりもするが、「みんな、相変わらず頑張っててエライもんだなぁ…」と感心するだけで、30秒も経たないうちに閉じてしまう(+_+)
もう当分はこの世界に戻って来れそうにはない・・・
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noteを読む元気はないが、冷房の効いた広いブックセンターの本の森の中なら何時間でも快適に過ごせるのが不思議だ。
そして気に入った本を何冊か抱えて近くのブックカフェに入り、本と珈琲の香りに包まれながら時を過ごす。
至福のひと時である。
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緑陰の下で楽しめそうな新刊本を3冊ご紹介したい。
何れも気軽に読めて、しかも現代的課題にも深く迫る作品である。
(でも、ハラハラドキドキの刺激的なストーリーが好みの人には向かないかな?)
まず、この2冊。
神田神保町の古本屋『鷹島古書店』を営む女店主珊瑚さんとお手伝いの大学院生美希喜ちゃんの周りを取り巻く人々の人情物語。
神保町は「町中に古書があふれていて、おいしいものがあふれて」いる街だ。
実在する名物食堂の垂涎メニューもたっぷり登場するので、本好き、美味いもの好きには堪えられない作品だ。
それとともに、本離れが進む現代にあっても書店を存続させる意味とは何かを考えさせられる。
実際に神保町で過ごしたことのある人なら、一つ一つの路地裏や喫茶店のざわめきまで蘇り、懐かしさで胸がキュンとなるかも知れない…(◠‿・)
次の一冊は今回の芥川賞受賞作だが、文学作品だからといって身構える必要はない。
会社の付き合いを極力避けてきた波多は、同僚に誘われるまま会社の六甲山登山会に参加するようになり、ようやく親睦を図る気楽な活動をするようになっていた。
やがて、職場で変人扱いされている職人気質の妻鹿が敢えて登山ルートから外れる危険度の高いバリエーションルート山行をしていることを知り、波多は同行を願い出るが…
企業の歯車として働くことの空しさに戸惑いながら、ヒリヒリするような生の実感を求めて山に踏み入る人間の心情をリアルな筆致で描き出す。
山に登らぬ人も、家に居ながらにして低山でありながら死と隣り合わせのハードな六甲バリ山行に同行する気分を味わうのも一興である。