『海猿』【2002年ドラマ/映画/漫画】
BGMを聴きながらお楽しみ下さい
【感想】
2024年9月19日投稿【感想だけでもご一読下さいます様お願い致します】
名作です。視聴者としてはとても残念な作品です。原作者の了解なくテレビ、映画版が次々と制作されたトラブルであり、もう記憶媒体でしか見ることが出来ないと理解します。
視聴者としては、原作者とフジテレビ、小学館で早期和解をして欲しいです。この作品で、日ごろ知ることが無い海上保安官の物語は大変貴重だと思います。
最近は、色々な職業のドラマが増えていて多くの学びがあり、学生さんには働いてみたいと思うこともあると思います。
つい最近も「セクシー田中さん」の件があり残念です。原作者はゼロから作品を生み出しており、原作者優先で実写化を考えて欲しいです。
アニメ「推しの子」の中でこの問題を取り上げてたり、映画、ドラマ化も予定されてるようです。では、また。
【作品情報】
『海猿』、作者佐藤秀峰氏、原案・取材小森陽一の漫画。この原作は1999年より連載され2001年に完結。
翌2002年にテレビドラマ化、さらに2004年に映画化され、さらに続編も幾つか制作された。
概要
海上保安官の仙崎大輔が主人公の海難救助を中心とした海上保安官の活躍を描く。1999年から2001年にかけて小学館『週刊ヤングサンデー』に連載。2014年12月時点で販売累計部数は500万部を突破。
作中の事件事故の一部は現実に発生したものをモチーフにしており、連載終盤での工作船(不審船)事件などタイムリーな話題も取り入れられた。
小森陽一が読み切り用の原作として書いた「七管の海」が原案となっている。その時点での主人公の名前は仙崎勇(ゆう)。
実写化
2002年と2003年にNHKで単発テレビドラマ化。2004年6月にフジテレビ制作で実写映画化。更に2005年から2012年にかけて映画(パート1)の続編として物語が連続したテレビドラマ1作品と映画3作品が制作され、8年に亘るシリーズ作品となった。なお、実写版はオリジナルストーリー。
海猿の由来
潜水士を指して「海猿」を使用するのは本作品における創作であり、海中で猿のように敏捷に活躍するイメージに由来した造語とされる。歯を食いしばることの多い業務であり猿の歯ぐきを連想させることから猿を隠語として扱ったという説もある。
一連の映画やドラマのヒット以降、マスコミや一般人が海上保安官の潜水士を指して「海猿」を用いる例も散見されるようになっている。海上保安庁自身も広報などでこの用語を用いる事がある。
連載終了の経緯
佐藤秀峰氏は「海上保安官の仕事は、海上の治安の維持という海の平和を保つ仕事。溺れてる人がいたら助けるけど、悪いヤツがいたら時には銃を撃たないといけない。同じ人間が、ある時は命を救い、ある時は人を殺すという矛盾や葛藤を描きたかったが、それは編集部が描かせてくれない。『だったらやる意味ない』と思って、結局止めた」「単純に人助けをして『かっこいい』『感動した』という話を延々描いてくれと言われると無理。それは僕の表現したいことじゃない。描けと強制されると無理」と述べている。
実写版
フジテレビ制作により伊藤英明主演で映像化された。2004年に『海猿 ウミザル』として映画化、2005年7月には映画と同じ主要キャストによる連続テレビドラマ『海猿 UMIZARU EVOLUTION』を放送した。2006年5月6日に映画第2作『LIMIT OF LOVE 海猿』が公開。2010年9月18日にフジテレビ版の完結編となる映画第3作『THE LAST MESSAGE-海猿』が公開された。
2008年の『土曜プレミアム』枠での映画『海猿』シリーズ2作品の放映後に続編決定がアナウンスされ『THE LAST MESSAGE-海猿』が完結編として位置づけられていたが、2012年7月に続編『BRAVE HEARTS 海猿』が公開された。
この映画版とフジテレビ版の一連の作品は、主人公のイメージや恋人の設定から、ストーリーに至るまで、原作とは大きく異なる。
【主要人物】
仙崎 大輔 演- 伊藤英明
元々は健康食品会社の部内トップ成績の優秀な営業マンだったが、友人にまでセールスを掛けるようになった生活に嫌気が差し、海が好きという理由で海上保安庁に転職した。お調子者な部分もあるが、硬派で実直な性格。ダイブマスターの資格を取得している。最前線で活躍したいと願い、潜水士を目指して呉での訓練に身を投じ、その過程で最初のバディの工藤の死などの経験を通じて人命救助への重要さを知り、人命救助への思いを強めるようになる。潜水士となって福岡海上保安部に1年間勤務し、第三管区横浜海上保安部の巡視船「ながれ」へ異動、そこで初の人命救助を経験。外国からやってきた不審船との攻防、人命救助、様々な人たちとの交流を通じ潜水士として成長していく。だがバディとなった池澤の死の際には人命救助の意義を失い自信を失ったが環菜を通じて池澤の真意を知ったことで立ち直っていった。「ながれ」廃船後は吉岡と共に鹿児島へ異動し、機動救難隊に所属。飛行機墜落事故が発生した際、嵐の中、海に取り残された親子を救出しようとするが、父親の救出に失敗してしまう。そのことが心の傷となり、婚約した環菜ともうまくいかなくなってしまう。しかし、くろーばー号沈没事故の中で環菜の大切さを再び思い知り、事故の最中にもかかわらず、再度プロポーズする。
伊沢➡仙崎 環菜 演- 加藤あい
広島県呉市出身。明るく屈託のない性格だが恋愛には奥手な一面もある。後述の経緯で呉帰郷時には雑誌のページを任されていたが、自身の担当ページが別の記事へ差し替えとなり、契約を打ち切られた。そこで夢を諦めようとしたが、仙崎の影響で自分で服を作りたいと決心、専門学校を経て縫製スタジオ「リアンリアン」へデザイナーとして入社する。母・歌子が足を骨折して入院したため自分の仕事半ばで呉に帰郷し、そこで訓練中の仙崎と出会う。初対面時は酒の勢いに任せて仙崎を誘ってしまったのを仙崎が誘ったと思い込んでいたため(その後一線を越える前に寝てしまった)、仙崎に反目していたが、仙崎のことを知るうちに彼に惹かれ付き合うことに。だが連続ドラマ版では仙崎の福岡への異動に伴い遠距離恋愛となり、メールでのやり取りしかなかったこともあり、仙崎への気持ちが冷めていたため、自分の思いとは裏腹に彼氏気分でいる仙崎の態度に困っていた。その後仙崎との話し合いで友達からやり直し再び恋人関係を築いていくが、命の最前線に身を投じ反対に大事な人の傍にいられない潜水士の仕事を理解できず、仙崎との恋愛に自信を失うが、仙崎の重荷を知り彼を支えようという思いに至るようになる。『LIMIT OF LOVE 海猿』で仙崎と婚約するが、仙崎の心の傷がもとでギクシャクしてしまう。しかし、仙崎同様、くろーばー号沈没事故の中で彼の大切さを再び思い知る。『THE LASTMESSAGE 海猿』では結婚し、仙崎の妻になっている。
【あらすじ】
密航船救出編
栗ノ上岩礁付近で、鳳来号が舵を故障し漂流。巡視船ながれに出動要請が下る。現場に到着すると鳳来号は炎上していた。ながれの海上保安官により、乗員名簿記載の全員を救出した。しかし、仙崎は、蓋が溶接されたコンテナの中の密航者を発見。沈没までの残された時間は最大でも15分。溶接されたコンテナを開けて密航者を助けるための時間は足りない。
陸上捜査編
密航船の一件で、勝手な行動をとった仙崎には、謹慎処分が下った。しかし、謹慎処分が途中で解除になり、保安部へ招集される。保安部には、ながれの姿はなく、陸上捜査担当の警備専門官がいた。仙崎の任務は、拳銃の密輸が疑われる現場で釣り人の姿で張り込みを行うこと。しかし、その現場に数時間放っておかれ怒りが露な美晴がいた(1巻後半)。
たけちゃん一家救出編
仙崎の近所に住むたけちゃんの一家は波の高い日だが、クルーザーを出航させた。たけちゃんの母親の再婚が決まり、これが最後の親子4人が揃える機会だったからだ。防波堤をでたところで、クルーザーが転覆。たけちゃんは、クルーザー内でかくれんぼをしており、そのままクルーザーごと漂流していた。2つの岩にかろうじてひっかかり沈没は免れているが、少しでも船体を動かせば沈没しかねない(2巻〜3巻前段、テレビドラマ部に該当あり、ただし遭難者は下川の娘)
仙崎と美晴の葛藤
たけちゃんの母の死亡をきっかけに仙崎と美晴は悩みを続ける。仙崎は、もう2度と人の死を見たくないと無理な勤務を行い怪我をする。また、美晴は事実だけはかけるが、自分の記事を書けなくなったことで、新聞社退職を決意する。この葛藤を乗り越えるため、仙崎は美晴を救い、美晴は仙崎を救っていく(3巻中盤)
潜水士訓練編
潜水士になるために、呉の海上保安大学校、潜水技術課程研修に参加した仙崎たち。耳抜きができないため水深40mまで潜れない三島。弱点を乗り越えるためレジャーダイビングと称して潜水の自主訓練を行っていた同期たち。しかし、突然の潮流の変化により、三島と工藤が遭難。三島の負傷・ボンベの故障で、浮上できない三島と工藤。工藤は三島にボンベを渡し、減圧時間を無視した緊急浮上を行う。工藤の誘導により、三島を救出した仙崎たち。しかし、工藤は緊急浮上により減圧症による肺出血を起こして死んでしまう(3巻後段〜5巻前段、映画第1作目に該当するが工藤殉職の経緯は原作とは異なる)
博多祇園山笠編
不審船追跡編
フジテレビ版ドラマに該当があるが、威嚇発砲後の展開が大きく異なる。
能登半島沖不審船事件がモデル。(原作とドラマの間に発生した九州南西海域工作船事件がモデル)
エイジアントリップ号編
くろーばー号編
1999年12月22日13時58分、関門海峡。大型フェリー「くろーばー号」が小型汽船を追い越そうと航路を変更したが、その航路上には沈没船エイジアントリップ号があった。くろーばー号はエイジアントリップ号と汽船の間を航行しようとするが、失敗してエイジアントリップ号上部に接触。船底には亀裂が入り、浸水していた。事故対策本部は大規模海難と認定し、仙崎達、潜水士も乗客の避難誘導を行う。そんな中、ボートに乗り移るため、並んでいた乗客がパニックを起こしかけ、1人の乗客が妊婦にぶつかり、妊婦は顔に怪我をする。妊婦はくろーばー号売店販売員の本間恵だった。仙崎は処置を終えた本間を脱出口まで送る際、行方不明のくろーばー号航海長を発見。現場には撤収命令が下り、仙崎は2人と共に沈んで行くくろーばー号に取り残されてしまう。(6巻中盤〜7巻前段、NHK版ドラマの2本目、及び映画第2作目に該当)
ながれ号下船編
仙崎と池澤に巡視船かいこうへの転任が言い渡される。かいこうは救難強化型巡視船で、仙崎達はその潜水チームに加えられることになった。ながれとの別れを寂しがる仙崎を、池澤と勝田は「転任なんて大したことじゃない」と励ます(7巻中盤)
海賊船追跡編、鐘前漁船遭難編、美晴編、入谷の苦悩編、J-WING機遭難編
20世紀最後の日の2000年12月31日。羽田発福岡行J-WING206便は通常通り羽田空港を離陸したが、垂直尾翼の損傷により操縦困難な状況に陥る。206便は福岡空港着陸を要請するが、福岡空港は市街地に近いことがあり、難色が示される。そこで仙崎の提言により、福岡沖に着陸誘導灯を設置して海上への不時着水を行うことになる。そして迎えた不時着水の時、206便は着水したものの、機体は2つに分断された。直ちに救出活動が開始されるが、生存者も多数いる反面、犠牲者も相当数に及んだ。機首部の捜索の途中で、入谷が機体に挟まれてしまう。この地点の水深は約50m。通常の装備で無事に潜水できる限界を超えている。仙崎は、入谷に自分のボンベも渡し、一旦脱出。深深度潜水に臨むことにする(10巻中段〜12巻、映画第4作目に該当)