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すれ違い

仕事に使うものをネットで買った時は、仕事場に直接配達してもらうようにしている。

仕事場は共同アトリエで、10数名が使っているので、だいたいいつも人がいる。
なので時間指定などしなくても、荷物が届けば誰かが受け取ってくれるし、置き配でそこらに放置してあれば、見つけた誰かが入れておいてくれる。
たいへんにありがたい相互扶助である。

とはいえ、置き配指定も時間指定もできない業者(なぜだかいまだに結構ある)が朝の8時半とかにやってくると、さすがに誰もいなくて、荷物を持ち帰られることがある。

アーティストの朝は遅いのだ。

さて、今日のこと。

どうしてもすぐに使いたい荷物が届くはずだったので、少し気合を入れて9時にはアトリエに着いた。
なのに一瞬遅く、すでに不在票がポストに入っているではないか。

すぐに電話をかけると、今日中にまた配達しに来てくれるという。

今日中っていつだよと思ったが、昨今の配送業者さんの労働環境などを鑑みるに、あまり強く何時ごろですか?などと質問もできない気がして、そこは黙っていた。

現場の人にしわ寄せが行くのは本意ではない。
というか業者に罪はないので、なるだけ負担はかけたくない。
日本はちょっと顧客の立場が強すぎるのではないかと、かねがね思っていたりする。

結局、お昼ちょっと前には再配達に来てくれたようだ。
ようだ、というのは、まさにその10分間だけ、近くのコンビニに昼食を買いに出ていたからだ。
なんと間の悪いことかと思ったが、さすがにこの時間には他にも人がいて、荷物も無事手元に届いた。

わたしは業者さんには会えなかったのは、そういう運命なのだとしかいいようがない。
宅配の彼が面倒くさそうにやってきたのか、機嫌よく仕事をしていたのか、知るすべはなかった。

「宅配業者は留守に来る」こういうのをなんといったか?
マーフィーの法則か。

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