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美味いものが食べたい

今日はトンカツを揚げた、というか焼いた。

元々、連れ合いは揚げ物をしない人で、我が家では、トンカツとかコロッケとかはもっぱら私が作って食卓にのせるものだった。
正直、私だって揚げ物は面倒でやりたくないし、油の後始末も嫌なのだが、それではいつまでたっても献立に揚げ物が出てこない。

そう、多少手間がかかろうが私は揚げ物が大好きなのである。

しかしある時から、あらかじめフライパンで炒ったパン粉で衣をつけて、あとはオーブンで焼くという方法を取るようになった。
これは体に吸収される油を少しでも減らすためで、もちろん健康に配慮した結果だ。

実は我が家は糖尿家系で、暴飲暴食などしなくても、父親も兄弟もみんな糖尿病になった。
父親など今の私の年齢の時にはインシュリンを打っていたから筋金入りだ。かく言う私も40代の頃、健康診断で血糖値が高いと言われて以来、今日まで血液検査の数値はずっとよくない。

が、それでも決定的に悪化していないのはそれなりに節制しているからに他ならない。
晩年の親父の体調を身近で見ていた自分からすると、あんなふうにボロボロになるのだけは、ごめん被りたい。

そこで焼きトンカツというわけである。
まぁまぁそれらしいものが仕上がるし、後始末も楽なので、すっかりこのやり方で定着してしまった。

ただ、実をいうと、どうしてもきちんと油で揚げたものより食感が落ちるのは否めない。
やはり揚げ物はあのカラッとした口触りが肝であろう。
オーブンの性能とか、いろいろ改善の余地はあるのだろうが、やはり代替品は代替品なのだ。

揚げ物に限らず、生活習慣病対策の低カロリー食品や低糖質食品というものは、概ね美味しくない。

低糖質ご飯、低糖質パスタ、低糖質パンケーキ粉、どれもそこそこ食べられるのだが、やはり本物には敵わない。
豆乳のマヨネーズ、ブロッコリーライス、豆腐ハンバーグ、みんな偽物である。
ゼロカロリービール、ノンアルコールビール、ワイン風飲料・・・・。

「美味しいものはみな糖と油でできている」みたいな、健康食品のCMのフレーズがあったけれど、あれは真実だよなとつくづく思っている。


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