【1分で読了!即興小説】私の血痕
【お題】
私の血痕
【本文】
嫌な音がした。
何かを踏んだ。
たぶん、きっと、あれだろうと思って、
嫌だなぁと思いつつ、別に見なくても良いけど、やっぱり気になって靴の裏を見た。
はい。やっぱり、虫でした。
しかも、コガネムシだっていうのもしっかり当てた。
可哀想なことをしたけど、
中途半端ではなく、しっかりざっくりと一撃で、
恐らく、痛みも感じる間もなく逝ってしまわれたのは、私にとってはせめてもの慰み。
帰り道、スーパーに寄って、つまみとビール、軽く夕飯のおかずを買って帰った。
アパートに着き、早速一杯やって、
風呂に入って早々に布団に入って寝た。
夜中、痛みで目が覚めた。
足の裏が痛い。
見てみると二センチほどの、
まあるい腫れ物が出来ていた。
まさかね。
とは、思いつつ、
少し気味の悪いことを連想した。
明日の朝になって様子を見て、
腫れが酷いようならまた考えようと、また布団に入った。
翌朝、足の裏を見た。
腫れは酷くなり、膿んでいた。
痛んでどうにもならないので、
会社には遅刻の連絡を入れ、皮膚科に行った。
皮膚科に到着する頃には、腫れ物はとうとう破裂し、出血していた。
靴下には大量の血痕が着いていた。
名前が呼ばれ、診察室に入って、症状を説明し、
医者に足を見せた。
すると、次の瞬間、
「くせぇ!」
「くせぇ!」
「ヴォエ」
医者は悶絶。
私は深く傷ついた。