終活しない方が長生きするんじゃないのか!?
もうすぐ87歳の義母。
3年前に義父が亡くなってから家の新築、スマホ、墓を息子(夫)にせがんだ。
義母は義父の生前の願いだったからとしつこく同居をせがんだ。私の夫は以前の実家に愛着もあるし、お金や手続きが面倒だと断っていたがあまりに義母がしつこいためノイローゼ気味に。仕方なく嫁の私が建て直しを決心し、近くの団地から夫の実家のある土地へ引っ越した。後から義父が、というより義母が自分の面倒をみてもらいたいからだと義母自身の発言や周りの証言で確信した。あちゃー。
家のローンを支払うのはもちろん夫だ。
スマホはインターネットに全く興味がないにも関わらずラインが出来ないとある会から仲間外れになるという理由で「絶対買う!自分で払う!」と主張し購入。
結局ラインは苦手だからと今は電話のみ使用している。電話しか使えないのだ。
墓は生前義父が建てたい、と言っていたからという建前だが、、。墓の購入は高額であり後を継ぐ人もいないと夫に説得してもらった。すると墓は建てず家から徒歩でも行ける、先祖代々とは違う宗派の寺に埋葬したいと決めたらしい。
万が一墓を建てても面倒臭がりの夫は手入れもしなければ墓参りにも行かないだろう。宗派問いません、というお寺さんの方が後々安心な気がするのだが、、。
義母の部屋には約二千冊以上の書物がびっしり四方壁一面の本棚に収まっている。ベランダの窓はかろうじてほんの少しだけ開けられる余裕あり。地震が起きたらかなり危険である。どの本も色褪せ、ページがすり減っていてとてもじゃないが人様にお譲りできない。古書といわれれば聞こえはいいがほとんどの書物は一般の本屋ですぐに購入できる。市場価値がないので古本屋やメルカリにも出せない。
お宝どころか処分するのに何百万もするはずだ。
そんな義母は図書館など足繁く通い1日約一万歩程歩く。足が痛いからと病院に行くと「歩き過ぎ!」と医者に言われたそうだ。
週二回は家に友人を呼ぶ。午前10時から夕方まで自分より一回り若い友人2、3人としゃべったり自炊で食事を振舞ったり。
義母の特徴として
①人を振り回す。
挨拶から会話を始め、「今度◯◯してちょうだい」とお願いをする。言われた相手は約束を果たそうとする優しい方々が多いのがまた拍車をかける。会うたびに別のお願いをする。そして相手はそうそう断れなくなる。
②自分の欲しいものは何が何でも手に入れる。手に入るとすぐに興味が薄れ、今度は◯◯が欲しいと次から次へと物欲が溢れ出す。
部屋には不要品があっても愛着があるから、となかなか捨てない。
③とにかく大声でよくしゃべる。
今でも人脈を広げようとする。知らない人にどんどん話しかける。オーバーアクション。自己アピールが激しい。
近隣に「うるさい」と苦情を云われても「婆さんなんだから仕方ない、あきらめてよ」と返したそうだ。
そんな義母なのでまだまだ長生きしそうだ。こんな人にはなりたくない、とは思うが人の目を気にしたり、言いたいことが半分も言えなかったり、人の気持ちを最優先して考え過ぎてしまう私はほんの少し、ほんの少しだけ羨ましいというか、なんというか。
終活どころか年を重ねれば重ねる程人脈もモノも書物もどんどん増やそうとする。耳が遠いので声もどんどん大きくなる。周りの人は義母からどんどんエネルギーをもらう、というより吸いとられている気がする。
まさにエネルギーヴァンパイア。
こういった人の方が長生きしたりするのだ。