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モンハンが発達凸凹の息子の情緒を育ててくれている件

モンスターハンターシリーズと言えば、ゲーム好きで知らない人はいないだろう。
2004年の初代からこれまで累計1億本も売り上げており、まさしくゲーム界のモンスターだ。

全く知らない人向けに一言で言うと、「めっちゃ迫力のあるモンスターを、倒したり捕まえたりして、入手したモンスターの素材を使って武器や防具を強くする」ゲームだ(伝わるかな)。

出てくるモンスターの動きがリアルなこと、1人じゃなくて、4人まで一緒にモンスターを狩ることができて楽しい、などハマる要素は沢山ある。

私も学生時代にモンスターハンターポータブル(MHP)にハマり、そこから結婚するまでの期間で数千時間を狩りに費やしたと思う。

ゲームそのものも楽しかったが、大塚角満かどまんというライターさんの文章が好きすぎて、今の私もその影響は少なからず受けていると思う。


結婚するまで、と書いたのはうちの妻にはモンハン(以下はこの略称で書く)が刺さらなかったからだ。

もともとアクションゲームが得意ではない妻は、モンハンよりはそのサブキャラであるアイルーの可愛さに心奪われたようだ。

家族の理解を得られずに、1人で狩りに行くのは難しい。結局私も愛用してきた『大剣』を倉庫にしまい込み、仕事や育児と戦う毎日だ。


それがここに来て、長男がモンハンにハマり始めたのだ。

うちの長男くん(小4)は半年以上学校に行っていない。家にいる間の大半はYouTubeかゲームの世界にいる。そんな彼がある日、『モンハンライズ』という任天堂Switchのゲーム(体験版)をやってみたらしい。

私が仕事から帰宅すると嬉しそうに、「モンハンってパパが好きなゲームだよね?ぼくできたよ」と話しかけてきた。

モンハンシリーズは決して生ぬるいゲームではない。発達の凸凹がある長男は、失敗したり上手くいかないことがあると癇癪を起こすことが多い。

きっと、採取クエスト(モンスターを狩るのではなく、キノコや木の実を集めるとクリア)でもやったんだろう、と思って画面を見ると、立派にモンスターと戦っている。

聞くと体験版にはチュートリアルがないので、操作方法も分からなかったけど、試行錯誤で楽しんでいる、とのこと。

自分なりに武器も色々試して片手剣を装備している。

「勝てなくても嫌じゃないの?」と聞くと、「楽しいよ」とのこと。

そこから数日して、『モンハンライズ』が今セール中で、千円台で買える、という情報を教えてくれた。


昨年末のクリスマスに彼は、

「サンタさんに15日までに手紙を出せなかったからプレゼント無しだけどまあいいや」
(サンタさんには12月15日までに手紙を出さないと欲しいプレゼントは届かないシステムらしい)

と寂しそうにしていたので、パパからのクリスマスプレゼントってことで買ってみた。


そこからドップリとモンハンの世界にハマった長男。見ていて良かった点を3点挙げたい。


① できなくても、簡単にあきらめなくなった

今まではクリアの仕方が分からなかったり、自力で出来ないとすぐに泣いて助けを求めてきていたが、モンハンでいくら強大な敵に打ち負かされようが、自力で立ち向かっている。

防具が弱すぎたから素材集めに行こう、とかブツブツ言いながら投げ出さずにやっているのは、このゲームの難易度やバランスが素晴らしいからだろうか。

小4だからできるようになった、のかもしれないが、スプラトゥーンでSwitchをぶん投げる様を最近まで見ていたので、やはりモンハンがすごいのかもしれない。


② 他人とのコミュニケーションを上手くとれるようになった

モンハンの醍醐味にオンラインで他人と一緒に狩りに行く、というものがある。全員で合計3回やられるとゲームオーバーなので、1人弱いプレイヤーがいてやられまくると、他の人に迷惑となる。

なので、自分が弱いうちは、まずは不用意にやられないよう慎重に立ち回ることが求められるし、強いひとは戦いながらも、味方を回復してあげたり、周りに気を遣いながら、上手くモンスターを狩ることになる。

これは攻略サイトに書いてあることではなく、自分が他人と一緒に狩りをすることで自然と身につく立ち回りだ。

発達に凸凹がある息子は、人の気持ちを想像することが特に苦手だ。自分勝手にやってるのでは?と心配していたが、どうも違うらしい。

自分より弱い人はサポートもするし、上手くできない人に対しても癇癪を起こすこともない。

自分がベテランのハンターからしてもらった嬉しいことを、自分もやってあげる、という好循環が彼の中で芽生えたのはとても嬉しいことだ。


③ 他人の気持ちを想像できるようになった

これは②とも重なるかもしれないが、もう1つ嬉しいエピソードがあったので書いておきたい。

近所に同じ学校で、やはり学校に行っていない友達がいる。
たまにその子の家や公園で遊んでいるのだが、モンハンを勧めてみたらしい。

そして、もしもその友達がモンハンを始めたら、という仮定で話していたのだが、

「〇〇くんがモンハン始めても僕は手伝わないよ」

と言うのだ。どうして?と聞くと、

「最初は自力で戦って上手くならないと意味が無いんだよ。自力で上手くなって、モンハン楽しいってわかるまでは僕は手伝わない」

確かに、人から助けて貰ってゲームが進んだとしても、実力がついていなければその先楽しめないだろう。そこまで考えられるようになっているんだ、とちょっと泣きそうになった。




学校も行かずにゲームばかり。
それは確かに良くないのかもしれない。
実際、親からすると勉強の時間をもっと作って欲しいし、外で遊んで体力つけてほしいし、と多くの期待と願望をぶつけがちだ。

でも、こうやってゲームからも子供は色々と学んでいる。

だから、親は待つしかないのかもしれない。

子供が自分の思いで動き、心を動かされ、自分ごととしてその身に吸収していくのを。



でもね、小4のキミが全財産つぎ込んで、PS5と、新作の『モンハンワイルズ』と、モニター(合計10万円)を買おうとしているのはちょーっと違うと父は思うよ?


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