介護をしている全ての人へ#33 ~ 知っているようで何も知らない親のこと

 インフルエンザで両親が同時にダウン。老々介護の過酷さの一端を知った気がした。この先いつまでやさしい息子の顔をしていられるか不安になっていた。
 

2019年2月2日(土) 母の日記

 熱は平熱に戻った。夫もタミフルが効いて症状が落ち着いた様子。
 今日は長男が、いるのでいろいろ任せてゆっくりできた。
 夫の汚れ物も健気にか片付けてくれた。私や次男は普段やっていることだが、やり付けない長男は大変だった様子。流石に食欲は失せたらしくお昼はプリンと菓子パンだった。申し訳ない気持ちでいっぱい。
 夜、次男が帰ってくる予定だったが、一家そろってインフルエンザ罹患者ということで、中止。
 長男のスマホのテレビ電話で話す。Rさん(次男のお嫁さん)がピアノを披露してくれた。家族がみんなその場にいるような、というわけにはいかないが、遠くにいるのに顔を見ながら話せるのが素晴らしい。長男のアイデアで、両家で同じピザを注文して、同じものを食べた。楽しかった。
 夫は寝室で眠っていた。気をつかってスマホを寝室に持っていって次男家族と話すように促したが、何かが気に入らなかったらしく、「うるさい!」の一言で終了。長男は怒りのまなざし、次男は悲しそう。
 兄弟で力を合わせていろいろ楽しませてくれる。ありがとう。
2階の和室で長男がなにやら書き物をしている。小さいころ、チラシの裏やお絵描き帳をホッチキスでとめて本を作っていた長男をを思い出した。保育園の頃夢中になっていたことをいま仕事にしている長男は幸せ者。

2019年2月2日(土) 私の日記

 何時かはやる時が来るだろうなと思っていた親の下の世話を、昨日から始めた。想像していたよりずっと過酷だった。早く結婚した従弟の娘のおむつを替えてあげたことはあったが、大人のモノは質量ともに桁違いの破壊力だった。ティッシュで即席の鼻栓をつくってマスクをしてもなお脳が直接揺さぶられるような臭気とビジュアルに圧倒されてしまった。
 これを仕事としてやっている母や弟はすごいと思う。早く慣れないと。
 改めて、今後のことで不安になる。父はいつまで生きるのか?母はいつまで生きてくれるのか?
 カルディーで買ってきたシードルをリンゴジュースで割ってわびしいピザの夕食に添えた。それだけで何となく優雅な気持ちになった。これくらいの極薄アルコールなら、母も気持ちよく晩酌ができることがわかってよかった。何十年も親をやってもらっているのに知らないことがまだまだある。
 母が寝室に行くときは、鼻歌交じりでご機嫌だった。よかった。

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