ろくべえ

専門書の編集者でしたが、仕事に見切りを付けました。 今は、猫の「ぼんど」と山登りを人生の楽しみに生きています。

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専門書の編集者でしたが、仕事に見切りを付けました。 今は、猫の「ぼんど」と山登りを人生の楽しみに生きています。

  • 黒猫ボンドの優雅な生活

    愛猫ボンドの日常を、ボンドのフォトエッセイ風にお届けします。

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介護をしている全ての人へ

はじめまして　 　サラリーマンとして働きながら、両親の介護を経験しました。　 　親不孝ばかりしてきましたが、身近な人々に支えられながら病気と闘い続けた母と私の経験を綴っていきたいと思います。 　母にがんが見つかったとき、病はかなり進行していました。ステージⅣの宣告を受けた時に胸に去来した感情は、悲しい、寂しいではなく、なぜ気づけなかったのかという後悔でした。 　帰省した時や、電話で話をした時、出来の悪い息子を案じる言葉以外に聞く話といえば、「股関節が痛む」「最近疲れやすくな

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    • 介護をしている全ての人へ#107 ～ トラブルメーカー

      2019年4月17日（水）　母の日記 　今日も夫をデイサービスに送り出す。 　息子は、会社に電話をしたり、パソコンに向かってなにかを打ち込んでいる。忙しそう。 　長男が昼休みの時間をつかって、さまざま買い物をしてくれた。 　首筋が痙攣して痛い。息子は人相が変わるくらい忙しそうに仕事をして私たちの面倒をみてくれているのに、私はベッドで寝ていた。 　3時近く近く夫がデイサービスから帰宅。ドライバーさんになぜ早退したのか尋ねると、他の利用者との喧嘩があったらしい。原因はプロ野球。

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      • 介護をしている全ての人へ#106 ～ メジャーリーグ

        父が大谷翔平見たさに詐病で帰宅したころ、息子は、母の体調不良を理由に在宅勤務と家族のケアを放棄。血は水より濃い。自分が嫌い。 2019年4月16日（火）母の日記 体調はあまりよくない。 　長男、今日は出社日らしく早朝から忙しそうに出かける。 チーズトーストに暖かい牛乳、ウインナーをおいしそうに食べてデイサービスのお迎えを待つ。体調は芳しくないが、夫をデイサービスに送り出す。 　今日は、息子も夫もいないから、ゆっくりできると思ったが、夫が9時過ぎに体調不良を訴えて帰宅。 　

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        • 介護をしている全ての人へ#105 ～ 終の棲家

          2019年4月15日（月）　母の日記 　体調やや改善　春風が気持ちいい 　長男、午前中は忙しそうに在宅勤務と夫の下の世話。申し訳ないので、代ろうとすると、怒り出す。殺気立っている様子。マンションの件がプレッシャーなのか。 　昼ごろ、銀行に行ってマンションの手付金を支払ってきたという。明細を見たら120万円。申し訳ない。 　すき焼きの残りにうどんを入れて遅いお昼ご飯。 夫とマンションの話をすると安心したように寝てしまった。 　夕方、こっそりマンションを見に行った。8階の角部屋、

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        • 黒猫ボンドの優雅な生活
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          介護をしている全ての人へ#104 ～ 新居…契約

          2019年4月14日（日）　母の日記 　長男にとっては苦労の始まりの日。セキスイ不動産に二人で行く。 体調は良くないが、私たちの終の棲家を買おうとしている息子を独りで行かせるわけにはいかないと思った。 　いろいろお金がかかって散髪代も節約している様子。申し訳ない。 　もう少し小奇麗にしていれば、いい女性も見つかるかもしれないのに。２つの住宅ローンを抱えた息子のところに来てくれる女性なぞいるわけがない……私たち夫婦の罪の重さを再確認。今晩は長男の好物すき焼きにした。 　日当たり

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          介護をしている全ての人へ#104 ～ 新居…契約

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          介護をしている全ての人へ#103 ～

          2019年4月13日（土）　母の日記 発熱、38.4℃ 　昨日、夜風にあたりすぎたか… 　長男、夕方夜桜を見に連れ出したことを後悔している様子。 　体力が落ちているのがわかる、せっかく楽しいひと時をプレゼントしてくれたのに、好意を台無しにしてしまった。 　足がふらつくし、頭痛もひどいけど、ベランダに出て富士山を眺めたら少しだけ気分がよくなった。 　今度移るマンションは８階、南に駿河湾、北に富士山が見えるという。 　明日は、不動産屋さんにいって引っ越し先のマンションの手付を払

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          介護をしている全ての人へ#102 ～ 夜桜

          この日の日記には病気と父の債務を背負って弱気になっている母の内心が綴られていた。 2019年４月12日（金）　母の日記 　昨日は全く眠れなかった。目を閉じるとそのまま死んでしまうような気持になる。顔を洗って鏡をみると、幽霊のような顔をした自分が映っていた。 　悲しくなってポロポロ涙がこぼれて、声を殺すのに苦労する。 長男は、忙しそうに電話をしたり、パソコンで何かをしている。時々深いため息をついている、疲れているのがよくわかる。 　夕方、岩本山公園に夜桜を見に連れて行ってくれ

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          介護をしている全ての人へ#102 ～ 夜桜

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          介護をしている全ての人へ#101 ～

          ”やる気スイッチ”がOFFになったまま。看護にも仕事にも身が入らない様子。春の病。 2019年４月11日（木）　母の日記 　夫がデイサービスに出かけるのを渋っている。施設で何かあった様子。 私の誕生日や結婚記念日は全く覚えていないのに、デイサービスでの出来事は執念深く覚えている様子。本当に腹が立つ。 　花粉症がひどい、鼻水と涙で脱水症状になってしまいそう。 　長男が見かねて、病院に連れて行ってくれた。 　長男、髪が伸びてぼさぼさ、床屋に行くよう促してみたが、誰に会うわけでも

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          介護をしている全ての人へ#100 ～穏やかな一日

          2019年4月10日（水） 母の日記 　今日は体が楽、抗がん剤とジーラスタの副作用はほぼ抜けた。 　久しぶりに夫の食事の支度をする。ここのところ、ずっと長男に任せっきりだった、反省。 　食後、夫の薬を用意しておいたが、薬を飲まずに、水だけ飲んで薬を忘れていた。だいぶ頭のねじが緩んでいる。コントのようなやり取り。 　夫を送り出すと家の中は静か、長男が文字を打ち込む音だけが聞こえてくる。静かな一日だった。 2019年4月10日（水）私の日記 　今日は寒い一日だった。 　朝は父が

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          介護をしている全ての人へ#99 ～ 日常の好事

          　母の体調が少し戻っただけで、気分が明るくなった自分のことが書かれていた。幸せって探すものではなく、そこにあるものなんだなと、今さらながら思う。 2019年4月9日（火）　母の日記 　体調はやや改善、体温は平熱に戻る（35.5℃）。 　夫は、デイサービスへ、長男が囲碁の本を持たせた。 　長男は、午前中忙しそうに、会社に電話したり、会社からの電話を受けたり、パソコン仕事をしていた。 　長男の仕事が一段落した時間を狙って、耳鼻科と整形外科に連れて行ってもらう。アレルギー鼻炎の薬

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          介護をしている全ての人へ#98 ～ 日常

          　父はゆっくり、確実に認知症が悪化している様子。周囲との調和を取ること難しくなりつつあった。母の副作用は終わりが見えてきていた。 2019年4月8日　母の日記 記述なし 2019年4月8日　私の日記 　母、副作用強くうなされている。うめき声で心が壊れそう。 　全身の骨がきしむように痛いと訴え。痛み止めを飲んでもらうが効果は薄い様子。発熱38.5℃。 　午前中はルーティーンの仕事、会社から数回電話あり。 　昼前に父のデイサービスの担当さんがきて、施設での父の様子を話してくれ

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          介護をしている全ての人へ#97 ～ 神頼み

          　春真っ盛りの日曜日、世間は明るい春の日差しに浮かれているように見えた。母が直面している危機に正面から立ち向かえずに逃げ回っている自分の姿が思い出された。 2019年4月7日　母の日記 　発熱38.2℃　全身倦怠感と骨の痛み　アレルギー++ 　足が重い、寝返りもできない。抗がん剤が体中にちらばったがんをやっつけてくれていると思わないと耐えられない。昼過ぎに夫がメロンパンとリンゴジュースを差し入れてくれた。 　長男は朝からオートバイで蒲郡の無量寺まで行ってがん封じのお守りを受

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          介護をしている全ての人へ#96 ～ コンソメスープ

          　抗がん剤の影響が家の中の雰囲気を暗くじめじめさせていた。 　母の笑い声のない家は、陰鬱な病人の館。味の分らないスープを飲んでおいしいと言ってくれた母の優しさが綴られていた。 2019年4月6日（土）　母の日記 　発熱（37.6℃）、全身の倦怠感、全身の骨がハンマーで叩かれているような痛み、吐き気、アレルギー症状（++） 　今朝は、全身の痛みで目が覚める。夫の心療内科の予約が入っていたが、予定をキャンセルしてゆっくり過ごす。 　夫は、だんまりを決め込んで終日テレビのまえ

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          介護をしている全ての人へ#95 ～ ウヰスキー

          　母の副作用が強く出始めていた。父の扱い方も少し上手になっていた。 2019年4月5日（金）　母の日記 　抗がん剤の副作用が出始めている。全身に力が入らない。長男は仕事に合間にいろいろ動き回ってくれている。 　夫、長男が家にいないタイミングで、昼ごはんだのお茶を淹れろだの私の体調など知ったことではない。 　ベッドで横になって知らぬ顔。 　夕方近く、長男マンションの契約手続きのため出かけて行った。 　苦労を掛けて申し訳ない。せめて一緒に行きたかったが、体が動かず、情けない。

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          介護をしている全ての人へ#94 ～ 副作用

          　６回目のがん剤治療２日目、体に現れる副作用の前に、心に現れる副作用が母と自分に出ていた。 2019年4月4日（木）　母の日記 　午前10時にがんセンター婦人科外来へ 　今日は長男と、夫が同行。昨日は、こうちゃんがいたから会話も弾んだけど今日はお通夜のよう。夫は家を出る前から、「病院に同行してやる」「待っている間は退屈だけど、義務だから」と色々恩着せがましい。 　誰も付いてきてほしいなんて言っていないし、ついて来たら足手まとい。それでも長男はだまって我慢してくれている。

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          介護をしている全ての人へ#94 ～ 副作用

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          介護をしている全ての人へ#93 ～ 6回目

          　「がんセンター」にはがんを患った人とその家族がたくさんいる。もちろん病を癒して家族の元に帰っていく人はいる。でも、母はその可能性が低いことを知っている。 　母がこの日記を書いたとき、周りの家族は何をしてあげるのが正解だったのか…いまだにわからない。 2019年4月3日　母の日記 　今日は、抗がん剤6回目 　二人の息子とこうちゃん（父の弟）と4人でがんセンターに向かう。 　今日は、血液検査、胸部レントゲンをしてからの抗がん剤。 　待つ時間が長かった。婦人科の待合スペースで

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