ジョー山中 - 人間の証明のテーマ / 人間の証明 - 1977
8/15までは戦争と平和を考えるという事で、戦争と平和、反戦歌やプロテストソング、その方面の映画に関する曲をピックアップしていきます。
ジョー山中さんというとやはりこの曲ですねー
哀愁のある、乾いた歌声がとても印象的でした。
何処か寂しげで、繊細で…
それでいて少し尖ったナイフなところがある。
お父さんがブラック(アフリカンアメリカン)なハーフですけど、黒人独特のソウルフルな濃ゆい声というのでもなく…
大和魂が宿った、少し醤油味で、
シャープなブルース声って感じ?(イミフ)
フラワー・トラベリン・バンドでの活動については、
ほとんどリアルでは知らなくて…
その昔にキッスのコピーバンドでドラムを担当していた、
私より少し上のお兄さんと音楽についてのあれやこれやで、
この映画と歌の話が出たときに、
教えてもらって知りましたかねー
そうそう、フラワー・トラベリン・バンドというと…
「シェキナッ ベイベェッ!! 」「ロックンロール」
が合言葉の、内田裕也さんも在籍していました。
亡くなられてから、もう10年近くなるんですね、早いなあ。
「人間の証明」1977
この歌はジョー山中さん以外には考えられないです。
歌いこなすことができる人は、他に勿論いるでしょうけど、彼でなければこの映画や、この小説(物語)の背景にあるテーマを、歌とともに伝えることが出来る人はいないと思われるからです。
それは歌唱力とかそんなんではなくて…
この映画に出てくるジョニーという、
架空の人物にまさにぴったりの人材だったから。
ジョニーの立場で、
母への思慕と、顔を忘れてしまった父…その父と過ごした幼き日の、ほんのわずかな幸せな家族の一日を…思い出を歌いあげるこの歌を、ギリギリに感情を抑えながら、切なく悲しげに歌い上げることが出来るのは、ジョー山中さん以外にはいなかったでしょう。
映画「人間の証明」予告編
ハナ肇さん、本当に良い役者さんでした。
松田優作さんもいい味出してたし、三船敏郎さんもまだ御存命で…岡田茉莉子さんがとても綺麗で、岩城洸一さんも出てたなあ…なんか角川映画にはお馴染みの脇役の人にしても、皆さん今はもう鬼籍な人が多いなあ。
映画はもちろんリアルに映画館で観ました。
当時は角川映画全盛期で、批判も多くされていましたが、とても考えさせられる重いテーマと問いかけを伴った、良い映画だったと思います。
ただ、そうですね。
時代は進化するというか変化していくから戦後75年となってしまった今では、この映画が投げかけているテーマ自体が、平成以降の、平和に慣れっこになっている人々には解りにくいことかと思います。
ドラマ「私は貝になりたい」1958
私の子供の頃、この映画が作られた当時には、まだ少し肌で感じられることでしたが…
(中国残留孤児の親探しが新聞の一面に見開きで掲載されてたし、沖縄も日本に返還された直後だったし、日本人は悪いことをしたみたいな刷り込みとか、戦争はいけません的プロパガンダが、ドラマとかにも反映されてた時代だし)
さて…ジョーさん自身のお父さんも、ジョーさんが演じた、映画の冒頭にくる「ス、ストウハ…(実際はストローハット)」と呟いて息絶えてしまうジョニー青年と同じように、父親がGHQ(進駐軍)の兵士でした。
マッカーサー来日 1945年
日本が米国に占領下にあった頃、日本において、彼らGHQの兵士と日本女性との間には、実にたくさんのハーフの子供が生まれました。
恋愛そして結婚において生まれた子もいたのは事実ですが、そのような子供は残念ながら少数派で。
(そして恋愛や結婚の行方や結末は平坦ではなく…ベトナム戦争の時や「蝶々夫人」なんかでもそうでしたが、あくまで現地妻って扱いの人が多かったもよう)
だいたいは、パンパンと呼ばれる赤線地帯で働く女性たちが産み、最悪なのは一般女性がレイプされての避けがたい妊娠と出産でした。
記録映像 「赤線」① 吉原・前篇 (昭和33年)
現代ではハーフの子が差別されるような偏見は、ほぼなくなったというか減りましたが…当時は奇異の目で見られるし、育てることは困難でなので、だいたい子殺しの憂き目に合うか、捨て子で孤児となるかというのが現実な時代。
その問題に対して立ち上がって、救済の手を差し伸べてくれたのがエリザベス・サンダース・ホームを立ち上げた、
澤田美喜さんでした。ドラマにもなっていたと思いますが。
ゴスペルアワー(人生の証し)2018/2/7
澤田美喜(戦争混血児に罪はない)
ここに鐘は鳴る -1958年(昭和33年)3月23日-
澤田美喜記念館
戦国自衛隊「ララバイ・オブ・ユー」1979
そして、角川映画では、これの挿入歌もジョーさんが歌われてます。この映画も面白かったです。リメイクされましたけど、やっぱこっちの方が好きかなあ…先に見てるから。
映画「あしたのジョー2/明日への叫び」1981
「あしたのジョー」大好きな作品です。
ジョー山中さんもジョーですがw 映画ではカーロスの声を演じてらっしゃいましたね。
そしてジョーさん自身、ボクサーでもいらっしゃった。喧嘩はめちゃくちゃ強かったとのこと。ライブに乱入したチンピラを叩きのめしたそうですが、今だったらヤバイですw
「青春の終章 joe...forever」1981
ロック・ミュージカル'80「ハムレット」1980
ロック・ミュージカル。当時とても話題になりました。
残念ながら見れませんでしたけど。
Flower Travellin' Band 「Satori Part I」1971
Flower Travellin' Band 「Satori Part II」1971
そして、伝説のバンド。ちゃんとじっくり聞いたことないのですけどねっっ YouTubeのお陰で、こうして映像も見れてありがたいことです。
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「My Favorites〜音楽のある風景」
2020/10/16 掲載記事より転載
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