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へそまがり(菊池亜希子)

さっそくパスタソースで表紙をよごしてしまい申し訳ありません…(いきなりの謝罪)というわけでわたしの昔から尊敬してやまない方の1人、菊池亜希子さんの雑誌リンネルでの連載がまとまった、すてきなエッセイ本。
おうち時間のあらゆるシーンに連れてまわって読みふけっていたためこんなにも汚れてしまいました。。とほほ。

あっこちゃん(と勝手ながら呼ばせてもらってる)のことは今はなき小学館の雑誌「PS」で連載してた頃からのファンで、これまで出した書籍やムックはたぶん全部持ってます…あっこちゃんのことはとても一言では表せず、女優でありモデルでありながら自分で文章も、こまやかでかわいらしいイラストも描けてしまい、ムック本の編集長までやってしまう、まさに憧れの人…!ファッションセンスも抜群で、ゆるさとボーイッシュさとレトロ感のある誰にも媚びないところがもうほんとに大好き。

そんなあっこちゃんが意外にも文章だけで連載したのはこの「へそまがり」が初めてだったらしいです。
そこに綴られるのはあっこちゃんが30代で迎えたすべてのドラマで、結婚・妊娠・出産・子育て。
まさに自分がこれから歩むべき「少し先の未来」のことをあっこちゃんが素朴に、かざらずリアルに、やさしくじんわり書いてくれていて…この先悩んだときには繰り返しこの本を頼りにしたいなあと思いました。

わたしから見たらキラキラした憧れの人であるあっこちゃんも、当然のことながらいろいろな苦労をしていて…相手のことは好きだけど、相手といるときの自分は背伸びして無理してて、そんな自分のことは好きになれなかった…相手が振ってくれてよかった。なんて過去の恋愛の話とか、旦那さんとのケンカの話とか、
髪を切りすぎて落ち込んでしまった話とか。
過去を振り返らず未来だけを見なさい、という言葉も大事だと思いながらも過去を大切にして都度愛おしく振り返っちゃう…って話とか。
どれも日常に寄り添った話で飾ってないからすっと心に届く。ついつい頷きながら共感してしまう。

なかでもいろんな事情があって、検査を経て、普通妊娠するために必要な「そういうこと」をせずにあっこちゃんが妊娠したという話は心に残った。
さらっと文章にしてるけど、きっと我々の想像を絶するいろいろな苦労があっただろうし、文章にするのも勇気が必要だっただろうなって。。。でもそれ以上にありがとうの気持ちがふつふつとわいてきました。
これから遠くない未来で妊活、妊娠、出産…なんて道を歩んでいくだろう(歩んでいきたい)自分に、人それぞれいろんな事情があるから自分らしくやっていけばいいんだよ。とやさしく背中を押してくれるような…そんなあたたかい1冊でした。

#本 #読書 #菊池亜希子 #エッセイ #読書感想文

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