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オタクとしてみんなに回覧したい本『「好き」を言語化する技術』

数日後から出産に向けた入院を控えていて、ソワソワが止まらない今日この頃。そろそろ持っていく荷物の最終確認をしなきゃなーと思う中で、どの本を持っていこうか選定中なのですが。(ゆったり本を読んでる余裕なんてなかったりして)

第一候補にしていたのが、こちら。

文芸評論家・三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術 -推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない-』

途中まで読んで、続きを楽しみに来週乗り切ろうと思ってましたが……おもしろすぎてあっという間に読み切ってしまいました。笑

いやあ……最近モヤモヤしてたことに対する答えがぎゅぎゅっと詰まっていて、出会うべくして出会った1冊!というかんじで。ページをめくる手が止まりませんでした。


昨今「推し」という形で好きなものを持っている人が増えていて、それはアイドルだったり漫画や映画、食べものだったり……ジャンルは様々だけれど。それらが好きな気持ちを、「ちゃんと自分の言葉にできていますか?」と問いかけているのがこの1冊。

やばい!最高!しか出てこないし、それでも十分かもしれない。でも、せっかく出会えた推しなのだから、好きな気持ちを言語化しないともったいない。自分の思いを確かめられるし、人に伝えてその魅力をいろんな人と共有することもできるし……

そんな、「好きを言語化すること」の魅力とその方法を三宅さんが教えてくれています。


私は普段からnoteやはてなブログ、Xでアイドルへの想いを言葉にしていますが……最近悩みがあって。

以前こちらの記事に書いたのですが


若干SNS疲れしてしまって、自分自身の思いをうまく言葉にできない日々が続いてるなーと。

何か一つのコンテンツが供給されるたびにそれに対する賛否両論の声が上がり、ファンの間でもそうでない人の間でも対立が生まれて。

コンテンツ本編を楽しむ前にそんな声たちが先に目に入ってしまうものだから、自分の感想も変な先入観に染まってるような気がしてきて。あれ、私の純粋な気持ちってどこだっけ?と。

そう、自分の言葉が誰かの言葉にどんどん上書きされていることに恐怖を感じ始めていたんです。

この恐怖についてまさにドンピシャ!で指摘されているのが三宅さんでした。


本書の中で三宅さんが一貫して書かれているのは「他人の言葉と自分の言葉を切り分ける」ことの大切さについて。

推しについて書きたくなったら、他人の感想を見る前にまず自分一人で孤独に書くこと。それでしか自分の言葉を作り出すことはできない!と三宅さんはおっしゃっています。

そもそも、推しと自分の間に他人を介在させる必要なんてないよね?とも。

揺るぎない自分の気持ちを言葉にできていれば、推しにどんなことがあって、誰からどんなことを言われていても、自分の想いを失わずに済む。

言葉にするのはときに労力が必要だし、それを人に伝わるように書くには工夫も必要だけれど(このあたりの詳細はぜひ本の方で)自分の想いをもっと大切にしよう!とあらためて思いました。


SNSには強い言葉で感想を書く人もいれば、自分が圧倒されるような素晴らしい表現力でレポートを書く人もいる。そんな人たちの投稿をただ眺めてみたり、リポストしてみたり、いいねしてみたり。そんなことをしてるうちに、自分の感想をなかったことにしてしまう日もあって。

たまに書く自分の感想なんて、なんの意味があるんだろう?果たして誰かに届いているんだろうか?そんなネガティブモードになるときも多いけれど。

まずはとにかく孤独に書き残す!そこから人に伝わるような工夫と修正を、少しずつでもしていく。

これを繰り返していけば文章として残せるだけじゃなくて、日々の友人や家族との会話で自分の「好き」をもっともっと楽しく語れるのだろうなーと。

なので一人のオタクとして、オタク仲間はもちろん、何か好きなものを持つ人みんなに回覧したい!貸し出したい!という気持ちでいっぱいです。持ち歩いて細々と、布教しようかな……



私がこれまで自分なりに語ってきた「好き」は、こちらのマガジンから。

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