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NHKドラマ「VRおじさんの初恋」が教えてくれたこと

 最終回を観てから、絶賛ロス中。

 HDDに第6週~第8週(最終週)までを録画してるのだが、涙が出そうで見る気になれない。
 だから記憶を頼りに、このドラマを見て考えたことを書いてみる。

 主人公の直樹、本当はそんなにダメな奴でもないと思う。
 ただ、自分から他人との間に壁を作りたがってただけで。
 もともと一人でいることが好きとか、中学時代にいじめられた過去とか、あとドラマ内で詳しく語られなかったが、母親とも確執があったと思われる。
 そのような経緯から、卑屈な考え方をするようになったのかと。

 ドラマの前半、直樹は会社員でありながら遅刻常習犯でミスも多い、ハッキリ言ってダメダメな奴だった。
 でもVRの中に入れば、現実と全く違う姿の、女子高生のナオキ。
 ナオキも一人でいることを好み、喧騒を避けて人気のないところを選んで過ごしていた。

 だけどナオキはVRの中でホナミに出逢い、恋をした。
 それは、現実の直樹にも影響し、どんどん考え方や行動が変わっていった。
 そして、VRからハッキングを使って、現実でもホナミに会おうとする。
 その結果、ホナミの正体が穂波という年配の男性と知り、いったんはショックを受けたものの。
 やがてホナミ=穂波という事実を受け容れ、交流を深めていく。

 その後の直樹の、ドラマの台詞を借りると「初恋の衝動」は、確かにすさまじいものだった。
 それは、穂波との悲しい別れを迎えた後も。
 会社でのリストラを免れた直樹は、自ら志願して会社の花形部署である「バイクタイヤ課」に異動を申し出、受理される。
 憧れの部署への配置転換。

 夢が叶うって、素敵なことだけど、そのぶんプレッシャーもあるだろう。
 そのリスクも引き受ける覚悟で、直樹は異動を希望したんだと思う。

 ホナミとの恋、穂波やその孫である葵との交流、穂波と長年確執があった娘(葵から見て母親)である飛鳥との和解を計画、実行したこと……すべてが直樹の自信になったんだと思う。
 そして直樹の変化に、会社の同じ課の人たちも影響を受けていったんじゃないかと(同僚の佐々木さんだけは何も変わってない気がするけど、あの人はあのままがいいと思われ)。

 VR内のナオキとホナミはお互いにウエディングドレスで愛を誓ったのだけど。
 現実の直樹と穂波も、お互いを尊敬しあって、最後まで友情?というのかな、とにかく固い絆で結ばれていたんだと思う。
 直樹が穂波と出会えてよかった。
 穂波も直樹と出会えてよかった。
 そしてそのような、ちょっと不思議な、でもまごうことなき純愛の物語を見させてもらえたことに、ただただ感謝するばかり。

 ロスはまだまだ続くかもしれない。
 初回から観返したいから、再放送してほしいなぁ。
(NHKオンデマンドで課金すれば観られるらしいけど)

 

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