職人さんへのおやつ
小さいころ、家で離れを建てた。
その時毎日職人さんたちが仕事をしてくれて、私は学校から帰ったころがちょうど3時だったので母や祖母が職人さんにお茶やお菓子をだしている。
うちは農家だったから時にはスイカだったり、いただいたブドウだったりとわいわいしているのがなんだかワクワクした、時には職人さんとおしゃべりしたり、途中の離れの中を見せてもらったりもした。
そして5年前、我が家を建てる時に何となく担当者さんに聞いてみたのだ。
「おやつとかどうすればよいですか?」
私は職人さんにおやつは出すものという認識でいたのですが、これから建てる家と当時住んでいた家は離れているし、妊娠中だったのでなかなか行けないのもあって心配になり聞いたのだ。
「あー、今はそういうのあまりないですよ。絶対でもないですし、出さなくても何も変わりません」だったような返事を覚えている。
どうやら今は基本的には出さない。というのがスタンスでそれが特に職人さんも気にされていないようだ。
逆に10時3時にとおちゃやお菓子を出されると手をとめなきゃという気持ちがあるみたい。
そんなこんなでうちはどうしようかなと思っている間にコロナ渦に入ってしまい、外出なども出来なくなってしまった。
しかし、そんな中でも仕事をしてくださっている職人さんにお礼の気持ちを表したく、一か月に一度日持ちするお菓子と、飲み物を差し入れる事で落ち着いた。
本当のところ職人さんがどう思っているかわからないけどね。
というのを思い出したのは今度家の中の仕切りを作ってもらうため、数日職人さんがきてくれるのだ。
今度は離れているわけではないので何か用意したいという気持ちがあった。
それに以前、「お母さんの扉」伊藤理佐さんのコミックエッセイで庭師さんへのおやつを買うのが楽しみという話を読んで、娘たちもおやつを用意したいという気持ちがわいているのである。
ということでおかしのもりやに行き、職人さんへのおやつ選びを子ども達と楽しくしたのだが、子ども達は余ったら食べれるよね♪というよこしまな理由でお菓子を選んでいたのを私は気づいていたよ。
ちなみに父は剪定を職業にしているのでよくおやつや飲み物をいただいている。父に聞いてみると「別にあってもなくても気にはしないが気持ちだからな」と言っていた。