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幾つかの故郷


故郷って一つじゃなくていい。
たとえそれが、一度しか訪れたことのない場所であったとしても。


昨年の夏、人生初の和歌山旅行に出かけた。

海がとても綺麗で。
誰に聞かずとも伝わってくるきっと昔から変わらない景色が優しくて。
(でもその海までの道のりはなかなかハードなもので体力的には辛かったですが…それも醍醐味ですよね。)


私の故郷はといえば山に囲まれていて、幼少期は登山や川遊びをして育った。
あまり海が馴染みのないはずの私だったが、ゆったりと流れる時間、波の大きな声、どれも心地の良いものでまた一つ新しいものを知って大人になった自分を感じた。


『ずっと、どこかに逃げたかった自分がいた。』


都会に出て暮らしている自分を自分でない誰かと比べて誇らしくも感じていたが、
そんなことでしか優越感を得られず、結果孤独をより痛感し涙する日々が流れた。


友人は多くいた。
少ないと言うことは相手に失礼だと感じていたし、
自分が思っている以上にきっと私のことを認識してくれている人はいるはず、そうも信じたかった。


いつからか、自信がなくなって一人故郷の愛媛に逃げてしまいたくなった。
ただ、親の反対を押し切って出てきた以上何も成果をあげず帰郷する自分にも直面したくなかった。


そんなときに、和歌山が浮かんだ。
どこか故郷に似ていて、人が優しくて自然が豊かで、独自のカルチャーが街をつなげている感覚もドームみたいで棘がなく柔らかかった。
(私には特にコーヒーカルチャーが精通しているように感じたなあ。あ、あとみかんも美味しいもんね。)

夕日ににげられちゃった白浜


大好きな場所はどこに創ったっていいよ。
相談はわかる人にしかしちゃダメなんてことないんだよ。


地元の友達のみんな、大阪で知り合ったみんな、
今こうしてまだお会いしたことがないけれど、
きっといつか人生のどこかで交わり合うであろうみんな。


ストレス社会で必死に生き抜いて
日々のコマを一歩一歩進めているだろうけど、
進めることだけに必死になって、すり減っていく足元や心に気付けない人にならないでね。もっと私自身本当の意味で”自己分析”が得意になれますように。


今日もみんなお疲れ様!
どこかの知らない誰かがいつも味方であることを覚えていて欲しいです。


2023/11/29 Wio Yamasaki





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