マガジン

  • 兄と僕

    実話をもとに描いたショートストーリーです。クスって笑えてもらえたら嬉しいです☺️

  • 推しのドラマ 徒然なるままに

    好きなドラマや映画の感想を想いのままに書いています。 ほとんど推しが出ているドラマや映画になります! (BLやブロマンス系のものもありますので、苦手の方はお控えくださいませ。)

  • キラキラ

最近の記事

救世主は小さなビデオテープ

あれは小学生の頃だっただろうか。兄が初めてパソコンを手に入れた日、家族の中で決定的に「勝者」が決まったような気がした。いや今までも兄が王子なのだから勝者だったんだけど、何かもう抗うことも無駄じゃないかという気にさえなったのだ。 パソコンなんて、当時の僕にとっては未知の惑星のように遠くて手が届かない存在だ。(PC-8801/mkIIの頃の話)そのパソコンは当時おそらく最新式で、スペックなんて当時の僕は何一つ理解できないけれど、兄は我が物顔でそれを扱い、ゲームの世界へと華麗に旅

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    • 小さな家来の反乱

      「その写真を見るたびに自分の存在がわからなくなる」 我が家では、兄はまさに「王子」の待遇を受けていた。 何をしても褒められ、どんなわがままを言ってもは母優しく微笑んで 首を縦に振る。兄の言葉はまるで家族にとっては神託?絶対の掟のようだった。あるいは絶対的な父親とか。 6歳の王子である彼は、絶対的な権力を握っていた。 まあ、僕が兄と決別するまでずっとだけど・・・ それはまた別の話になるので、今は当時の話をしよう。 僕はというと、当然ながら逆らわないーーーーいや逆らえない。

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      • 鎮魂 1話の間

        教授が所長と2度目に大学内であった時のその後と 教授が咄嗟に影に襲われたふりをして屋上から落ちた後の話 教授は、電話で話しているユンランの後ろ姿をじっと見ていた。 それは、先ほどの張り付いた笑顔ではなく、深く重たい目で、懐かしさを覚えながらもそれを必死に抑えているがどうにもできないユンランへの感情が溢れ出しそうで、今にも泣き出しそうな顔だった。 教授はしばらくの間、去っていったユンランの方向を見つめていた。 その瞳には先ほどのような激しい感情は写っておらず空虚な色をしてい

        • 鎮魂 〜

          鎮魂 第1集 のあらすじ & 創作話 SNSのフォローさんからのおすすめで見始めた鎮魂。 物語の背景がSFかつファンタジーっぽいのに興味が湧いてみ始めたのですが、これがまた面白かった‼︎原作は、有名な「Plist」さんの作品。山河令が大好きだったからさらに期待が膨らみ、見始めたらどハマりしました。 時代は、現代だけどいろんな種族と共存しながら生活していて、主に龍城という街を中心に話が進んでいきます。まさに、大好きなファンタジー要素が⭐️ 1話目は、龍城大学で主人公の1

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        • 兄と僕
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        記事

          大好きになったTWM❤️タイBLドラマ

          最近、遅ればせながらタイドラマにハマりまして、、、。日本のBLドラマとまた全然違って、クスッと笑えたりするところがタイドラマにハマった理由です。(おっさんずラブが近いかも。) 観たい作品が増えていくたびに時間が足りなくてジリジリしているという毎日を過ごしています。(笑) 今日は、私の中で一番大好きなカップルになった、MaxTulが主演の「Together with me」について書いてみたいと思います。 なぜ一番好きかというと、TWMの主演している MaxTulの2人がプ

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          工場のアルバイト日記

          こんにちは😃 先日から工場でのアルバイトを開始してまして、 そこで体験したことを吐き散らかしていこうかと思います 笑笑 一日目。 オリエンテーションを終えて、いざ工場の作業着を着て工場内へ‼️ まずは、作業着の上かローラーをかけてごみをとり、うがい手洗いして、さらにボックスの中に入って風のなかを三回転したら、フロア内へ入れます。 しかし、説明がアバウトすぎる。。。 アルバイトとはいえ、これで作業に加われるのか不安しかない・・・ 基本、こちらから聞かないと何も教えてもらえ

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          僕の味方は、どこにいる?

          「僕は養子ではないかと思った1回目の出来事」 その日、兄にイジメられた僕は、泣きながら父の部屋に駆け込んだ。5歳の僕にとって、父は「最後の砦」ならぬ「最初で最後の砦」だ。 頼れるのは父しかいない! 父は僕の泣き顔を見るなり、少しだけ溜息をつきながらも、「何があった?」と聞いてくれた。そこで僕は意を決して、兄に虐められたと訴えた。父の表情が少し険しくなり、兄を呼び出して叱り始めたのだ。 父の低い声に、兄も無言で耐えながら、時折「はい、はい」と神妙な顔で頷いているようだっ

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          自室という名の避難所

          学校から帰ると、まるで敵の城から逃げ帰る騎士のように、全速力で自室に突入する。 ここは僕にとっての安全地帯、つまり「自室」という名の防衛拠点だ。 なにしろ家には母という「女帝」と、兄という「王子」がいる。 その母の怒りや兄王子の不機嫌さから逃れるための、言わば最後の砦。 そしてそれ以外は戦場のようなものである。 部屋のドアを閉めると、外の世界の騒音がかすかにフェードアウトし、静寂がやってくる。 この瞬間、まるで肩の荷が降りた気分になる。もしも、メダルのようなものがもらえ

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          時々晴れ、のち雷雨 我が家の兄王子

          「兄の機嫌は毎日が嵐の前の静けさから始って 最後は必ず大荒れなので、全てを薙ぎ倒していく。」 兄が帰宅するなり、なんと今日は僕に声をかけてくれた。 「えっ、本当に?」と思わず小さくガッツポーズ。 こんな珍しいことがあるなんて、これはいい日になりそうだと感じた。 兄の表情も上機嫌だったし、僕が余計なことを言わない限り、きっとこの平和は保たれるだろう ――僕はそんな期待を胸に、リビングでゲームを始めた。 イヤホンをして、没頭モードへ突入。 今日ばかりは自分だけの小さな

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          王子の勝利、忠実な家来の誕生

          我が家の日常は、まるで中世の宮廷劇のようだった。 中心に君臨するのは、我が家の「王子」 ・・・そう、兄だ。 今日も彼は好きなゲームに全身全霊をかけ、堂々と王座への道を進む。 王子の道には「負け」という概念はなく常に「勝利」が待っている、 はずだった。 ある日、僕はその「王子」とゲームをすることになった。 兄はまるで選ばれた勇者のように自信満々でスタートボタンを押した。「今日は絶対に勝つ」という無邪気な確信が顔に浮かんでいる。 「兄さん、案外僕が勝っちゃうかもよ?」

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          王子の勝利、忠実な家来の誕生

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          永遠の「王子」としての兄と僕

          「我が家の物語は、ひとえに“兄の機嫌”によって動いていた。」 今振り返れば、それがどれほど異様だったかが分かる。今の僕の視点から見る兄と母の関係は、まさに『家族劇場』と呼ぶにふさわしい。母は我が家の主演を兄に譲り渡し、脇役たる自分と私が支える… ただし、兄のその“王子気分”が不動なのは、母の徹底したサポートによるものだ。そして僕は、小さい頃からずっとそのおこぼれ役として機能していた。今なら笑い飛ばせるが、その頃の僕にとっては不条理の一言に満ちていた。 ある日の朝、リビング

          永遠の「王子」としての兄と僕

          王子の勝利と忠実なる家来

          「我が家の日常は、まるで中世の宮廷劇場の舞台」 中心には、我が家の王子様、兄が君臨している。今日も彼は、好きなゲームに全身全霊を注ぎ込み、勝利という名の王座に向かって突き進んでいる・・・・・・と、本人は思っている。 ある日、兄とゲームをしていたのだが、彼はまるで選ばれた勇者のように自信満々でスタートボタンを押した。その顔には「今日は絶対に勝つ」といった無邪気な確信が表れていた。 だが、この時の運命は意地悪だった。 なんと、僕がそのゲームを圧勝してしまったのだ!

          王子の勝利と忠実なる家来

          兄と母と僕、そしてちょっとした希望

          小さい頃の僕にとって家族は、どこにでもある“家族”のはずだった。もちろんそれは、兄が絶対的に君臨する家だと気づくまでの話だ。 僕?僕はその端役を担うただの従者に過ぎなかったんだ。 家族で出かける度、僕の「控えめな意見」が無視されるのは、兄が生まれながらの「王子様」であるからに他ならない。いや、僕の意見がそもそも尊重される見込みなど、最初から存在しなかったのだろう。 というのも、我が家には不文律があり、「王子」である兄が「帰りたい」と一度でも言おうものならその場の全員が帰宅の

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