王子の勝利、忠実な家来の誕生



我が家の日常は、まるで中世の宮廷劇のようだった。

中心に君臨するのは、我が家の「王子」
・・・そう、兄だ。

今日も彼は好きなゲームに全身全霊をかけ、堂々と王座への道を進む。 王子の道には「負け」という概念はなく常に「勝利」が待っている、 はずだった。

ある日、僕はその「王子」とゲームをすることになった。
兄はまるで選ばれた勇者のように自信満々でスタートボタンを押した。「今日は絶対に勝つ」という無邪気な確信が顔に浮かんでいる。

「兄さん、案外僕が勝っちゃうかもよ?」 そう、当時の僕にはちょっとした反骨心があったのだ。

ゲームが始まってしばらくして、思いがけないことが起きた。

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