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文学フリマ東京39出店記 ~全部売れちゃえばいいのに。って零した午後零時~ 三度目の正直

はじめに告知

 今回の「文学フリマ東京39」にて販売した新刊
 「ヤンデレアンソロ ルージュ」および「姉アンソロジー 姉は憂いの玉箒」の2冊を
 現在 真夜書房公式BOOTHにて通販実施中です

 安心の匿名配送なので、西野に個人情報がバレる心配なし!
 氏名住所はおろかIDとかも何も出ないので、直接本人から「買ったよ」と言われないと西野には誰が買ったか一切わからない仕様です

 表立って西野の作品を読んでるって言いたくない隠れキリシタン達も泣いて成仏できます オヌヌメです 南無阿弥陀仏 悔い改めよ 天の国は近づいた レイラサイダサブアッタッシャル……

※デフォルトではネコポス発送となりますが、送れるサイズに制限がありますので「2冊の新刊どちらも買う」および「どちらかの新刊を2冊以上買う」場合は、以下の画像中におけるマルで囲った出品を同時購入してください。
 これにより発送方法が「宅急便コンパクト」に変わるようになります。
 出品者側で発送方法を変えられないというなんとも不便な仕様ですので、何卒何卒 ご理解とご協力をお願いします。

「発送方法変更用」


本編

 この記事は、過去「文学フリマ東京37(2023/11)」、そして「文学フリマ東京38(2024/5)」に出店し、そろそろ調子にライドしはじめた西野夏葉の、やきやきヤンキーな出店記である。

 なお、過去2回(ともに東京)の出店記は以下を参照。

東京37 準備編本番編 (ともにWeb Novel Laboでの記事)
東京38 終わったあとの振り返り

前日譚

 本番は日曜日のくせに、調子に乗って前々日にあたる金曜日から帝都へ侵攻したハリネズミ西野の、The・美学な過ごし方を紹介。

  • 金曜日は自分の年収じゃ鼻からスイカを突っ込むのと同レベルで手に入れることが叶わないクルマを試乗。やっちゃえ西野。日産本社ギャラリーでは、しつこくセールスを受けたりすることなく気軽に試乗ができちゃうのでおすすめ。
    そのまま羽田空港から木箱に隠れてレバノンとかに国外逃亡することなく、夜は大学時代の友人たちとしこたま酒を飲み、最後に〆として行ったラーメン屋が美味しかった。

  • 土曜日はなんの予定もなく、都心をミミズのように好き勝手這いずり回っていたら終わった。
    カップルと家族連れとインバウンド観光客でむせっけえるような銀座三越に行き、アートアクアリウムで金魚を眺めた。きれいだった。MVとか撮りたい。誰のだよ。お前がいずれ撮るのはMVじゃなくてCTとかだよ西野。写真の中でラーメン屋の寸胴にぶちこまれた豚骨みてえに輪切りにされてろ。

    • あとフリーきっぷを買ったので、せっかくだからと遠くまで足をのばして地下鉄博物館とか行ってみた。家族連ればかりで所謂鉄道ガチ勢が少なめな場所だったよ。まあ拙者は一人で行きましたがwwwwwwフォカヌポウwwwwww

      • 泣いてませんよ

    • ホテルに戻ったあとは、直接手で持っていく設営物品とかをそろえて、サクッと就寝。


当日朝~入場

 今回の会場である東京ビッグサイトと、私が今回宿泊したホテルは目と鼻の先にあったので、ギリギリまでだらだら過ごした。それでも私はできるだけ早く入場して設営をしたいなあと思って、10時半受付開始にもかかわらず9時半過ぎくらいから待機列に並んだので結局意味がないことに気づいた。なんなら有明から都心に出るまでに金がかかりすぎてこれなんかちょっと違うね…って感じ。
「帰りに電車乗らないでホテル帰れるんだしいいじゃん」という意見もあるかとは思うのだけど、私は最近17時の終了よりも早めに店仕舞いしてしまうからどっちにしろ意味がなかったし、なんなら今回は終わったあと台場までご飯食べに行くのにゆりかもめ乗ったから、むしろ出費が嵩んでいた。ガハハ
 楽しけりゃいいんです

 入場後は粛々と設営。今回お隣ブースのはのさんに圧倒的大謝罪(詳細は省くが、私は隣接出店の申請にあたって、はのさんにどえらい迷惑をかけてしまった)。

 今回、私は2ブースを取得しており、ひとつの机をまるまる占有した。だからブース設営にはある程度ゆとりがあるなあと思っていたのだけれど、現実はそう甘くない。むしろ広くなった分、よく考えて配置をしなければ机上がスカスカで物足りなく感じてしまう。

 だからいろいろと物を置きまくったら、どうやって生計を維持しているのか分からない民芸品店みたいなごちゃごちゃした設営になってしまった。せめて段ボール棚は白いのを買うべきだったな。
 まあ2ブース取ったの今回が初めてだったし、次回以降に活かせればいいかなー、なんて。


えるしっているか 付箋は簡単に剥がれる(2回くらい隣のブースの人に拾ってもらった)
机上の本や決済端末、しゃもじ以外のほとんどが100均グッズである。
チラ見えしてる緑色の部分がはのさんのブース


開場後しばらく

 12時に一般開場。しばらくお客さんの姿がまばらで先行きが不安だったが、どうやらこの時は一般入場の列が昼間の首都高湾岸線くらい渋滞していたらしい。30分経ってようやく建物の中に入れたとか。そんな中、ブースに座って客待ちしている西野はコンビニの蒸しパンをヒグマみたいな形相で貪っていたなんて、とてもじゃないけど言えない。

 最初のお客様はフォロワーさんではなく、はじめましての方だった。

「どうして西川さんを応援してるんですか?」
🦔 個人的に、以前から崇拝しておりまして
「私、滋賀県が大好きで! つい足を止めちゃいました」
🦔 HAHAHA 滋賀ふるさと観光大使がきっかけでこうやって出会ったのですから、どうぞ見本誌を見てやってくださいませ

※誇張

 今回の「真夜書房」、布陣は「アンソロ新刊2冊」「アンソロ既刊少し」「西野の短編集2ndごくわずか」、そして西野が会場へ送る荷物を梱包している時に偶然見つけた「西野の短編集1st限定1冊」であった。

西川貴教への熱い風評被害


「この2冊(※短編集)はどっちがおすすめですか?」
🦔 こっち(2nd:嫉妬の波形)は一貫してひとつのテーマで短編を収録してます。対してこっち(1st:可惜夜)は「こいつを箸どころか棒にもかけねえなんて、逃した魚は大きいぞてやんでいべらぼうめ」という著者本人の趣味満載でセレクトした短編が入ってます
「じゃあ、こっち(可惜夜)で!」
🦔 ワァッ……アァ………………

※超誇張

 ぶっちゃけ私のブースなんて田舎の常連しかいない居酒屋と大差ないので、西野夏葉という妖怪を初めて知ったかたが最初のお客様になってくださるとは思っていなかった。
 この時点で内心(今回は、イイぞ……!!!!)という大爆死フラグを建築し始めていたが、そんなアパッチ砦をダイナマイト爆破してブルドーザーで片してくださったのが、新刊「ヤンデレアンソロ ルージュ」および「姉アンソロジー 姉は憂いの玉箒」に寄稿してくださった皆様、そしてそれらの本を求めて来店してくださったすべての方々であった。

 もう三度目の出店。既にとても仲良しだと私が一方的に思っている人はもちろん覚えているけれど、何度も来てくださっているフォロワーさんの顔をようやく覚え始めた私。インテルのプロセッサで動いていても性能はCeleronなので動作はもっさりしているが、相手の顔を見てから数秒後には雑居ビルの端っこで小さな店を構えているバーのマスター程度にはフレンドリーに接することができていた。はずだ。多分。
 新刊を2冊とも買ってくださった方や、まとめ買いしてくださった方もいらっしゃって幸甚。シンデレラエクスプレスが来た気持ちでした。ビーアンビシャス。

 これまでと違い、今回多かったのは「試し読みコーナー(※見本誌が置いてある)で本を読んだので」「たまたま通りかかって気になったので」「ヤンデレアンソロノワール(※共催アンソロ本)を買いに行ってここのブースを知った」など、まったく西野夏葉のことを知らない「初めまして」のお客様。どうせ知り合いしか来ないだろうと対人コミュニケーションスイッチをオフにしてレッドブルとか啜ってた私は内心驚きっぱなしで過ごしていたわけで。会場は最初寒かったのに時間を追うごとにどんどん暑くなっていったわけで。というかビッグサイトになって広くなったはずなのにそれでもあんなに人がたくさんいたのすごいな。それなのに私のブースに気づいてくださった方々には感謝カンゲキ雨嵐。百年先まで愛を誓いたいですね。読者(キミ)がいれば賞がなくてもずっと輝いているから。

 やがて北の国から'24「完売」。(「ヤンデレアンソロルージュ」以外。それでも残り3冊まで減った)
 なんか「姉アンソロ」の在庫数を数え間違ってたらしくて予定より1冊足りなくて焦った。こんなに持って帰っていただけるとは思ってなかったのもあるけど。
 家に着払いで送り返す段ボール箱が格段に軽くなってて嬉しかったです。


実際にはこの机を挟んだ向こう側に(売れ残ったらどうやって捌けばいいんだ)という
家賃を払うのに残しておくべき金をパチスロ台に突っ込む多重債務者みたいな気持ちで
ヒヤヒヤしていた西野夏葉がいたわけです。
「ヤンデレアンソロ ルージュ」との共同開催である
ヤンデレアンソロ ノワール」。
あなたはどっちが好み?
は? どっちも好き? きみはあたしをもっと深く識る必要があるようだね。


 そして、売り子を頼まない一人店主のため、いつもはトイレ以外でブースを空けない私だが、今回は販売機会ロスを百も承知で店番をほっぽり出し、どさくさに紛れて斜線堂有紀先生のサインをいただいてきた。

 ちなみに斜線堂先生をパクったインスパイアした1日1ページ小説はTwitterにて現在も継続中。あんまこういうこと自分で言うのカッコ悪い気もするんですけど、世の中宣伝も大事らしくて。

 最終的に同じく早仕舞いしたはのさんとお台場でタコ焼き食いまくったり、ユニコーンガンダムとか観て帰ってきた。なんだかんだ満喫してるじゃんかよ西野。いいご身分だな。


感想

  • 売れ行きは過去最高をマーク。もっとも私はサハリン北海道から出店に行ったので、たとえどれだけ売ったところで黒字にはならないのだけど、私は単に楽しいからやってるだけであって、儲けるために本を作ってるわけではないから、まあいいでしょう。

  • むしろこんな得体の知れないQ熱リケッチアが作ってる本に自分の大切な作品を預けてくださった寄稿者の方々だったり、日本という泥棒国家に税金や社会保険料を摘まれている中、貴重な可処分所得を私の本に割いてくださったすべての方々に感謝申し上げたい。

  • webに上げている作品への感想を直接メールでくださった方々がお見えになった時は本当に(すみませんコイツが西野なんです……ごめんなさい……)という気持ちだった。もっとシュッとしてからお会いしたかった。「こんなコーヒー色の饅頭が出店だと? 出荷の間違いじゃねえのか」と思ってたらごめんなさい本当に。でも直接「ありがとうございます」と伝えられてよかった。あなたにとっては何気なく寄せた感想だったかもしれませんが、私にとっては絶望の闇を切り裂く救いだったのです。

  • 「嫉妬の波形」なんて名前の本を拵える程度には私も嫉妬深いから、仲良しさんが他の人の作品を褒めてたら(こんにゃろー)と思ってしまう時もあるのだけど、自分の本を購入してくださった時には(フゥン↑↑)となってしまうわけで。文フリが創作のモチベーションに大きく繋がっていると言わざるを得ないし、なんなら東京37の時に「出よう」と決心した自分を褒めたい。確かに失ったものもあったかもしれないけど、得たものの方が大きかったんじゃないかな……と今は思う。


戦利品。
「こんなに買うつもりなかったのに」という人の気持ちが今回分かった気がした
ありがたいことに、数々の差し入れをいただきました。主に西野の肉になります。
なんならアルフォートとドーナツは「はのさんと一緒にどうぞ」と大袋でいただいたので、
半分はのさんに分けて、もう半分は職場で鬼の形相で食ってます。
おかげで冬を越えられそうです。ありがとうございます。


次回予告

「文学フリマ東京39」が盛況に終わり、調子に乗る西野夏葉。
しかし、都会の夜風に吹かれながらほろ酔いで歩く西野の後ろから、音もなく忍び寄る影があった。
月夜ばかりではないぞ」と呟く影は、鋭く光る剣を振りかざす。
真夜中の申し子・西野の運命は。

次回、真夜書房「文学フリマ京都9出店」。
「ちはやぶる」のは売れ行きか、売れ残った在庫かーーー。

ナレーション:三石琴乃


 ということで、ご来店お待ちしております(血文字で)。


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西野 夏葉
お読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、創作活動やnoteでの活動のために使わせていただきます。ちょっと残ったらコンビニでうまい棒とかココアシガレットとか買っちゃうかもしれないですけど……へへ………

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