少しずつ 少しずつ
動機
noteについて、私はこのサービスの存在だけは、ずっと前から知っていた。
ただ、なんとなく
・何かスキルがある人がそれを広めるために使うもの
・そうでなくとも、何か志がある人たちの集まり
・自分みたいなテキトー人間には縁のない領域だろう
などという、自分にはInstagramの輝きが眩しすぎるからTwitterにしとこうみたいな安直な発想で、ずっと登録することをためらっていたわけだけれど、いざこうやって自分で記事を書くようになってみると、自分で勝手にハードルを上げまくっていただけで、もっと気軽に使える楽しいサービスじゃないか……と思いながら、一日に何回もエディタを開いたり閉じたりしている。
まあ、そうそうネタが続くものでもないし、最初に全力投球し過ぎると、後でガス欠することは火を見るより明らかなわけだから、のんびりとやっていきたい。
「創作」と違う文章を書く場所
自己紹介代わりの記事でも書いた通り、私は小説投稿サイトの「エブリスタ」や「monogatary.com」で、むせ返るどころか血を吐きそうなほどに憤懣に満ち溢れた日常(というか仕事)のガス抜きとして、主に短編小説を書く趣味を持っている。誰かに、趣味は何、と問われたら(こいつには知られたくないな)と思う人間以外には「創作活動」と答えている。
もちろんそれらは楽しくてやっているし、西野夏葉という人格としてTwitterアカウントも持っていて、新作をアップしたらこれ見よがしに宣伝してみたり、あまり読まれないなーと思ったら(気づいてよ)という気持ちを匂わせるメンヘラ彼女みたいに面倒臭いツイートをポイポイ投げているのだけど、前々からなんとなく、私は考えていた。
(もっと落ち着いて、創作とは違う文章を書く場所があればなあ)
創作とは違う、という箇所がとても自分にとっては大事だと思っている。
言うなれば、文章でする創作活動って、自分が見たことでも聞いたことでもないことを書くことだと思う。
……あ、ちょっと待って。続きを話す前に、とりあえずその片手に持った鉄パイプを置いてくださいませんか? ……いや、そりゃ世の中にはありますよ、実際の出来事とか体験に基づいた作品も。でも、それ以外のほとんどって、そうじゃないでしょ。
「朝起きたら異世界にいて最強の勇者になってる」とかは置いておいても「その辺を歩いてたらほっとかれるわけがない美人と胸やけがするくらい甘ったるい恋愛をする」とか、あるいは「自分の旦那を殺しちゃった不倫相手と愛の逃避行をする」とか。そういうことを実際に体験したうえで書いてる人ってほとんどいないし、ほぼ全ては著者が頭の中で考えて(この話、まとまった物語にしたらおもしろいな)と思って作品にするわけだから。
もちろん、私だっていつも頭の中で(こんな人が、こういう人と出会ったらどんな恋愛するのかな)とか考えつつ(なんで自分が高校生だった時に、こういう恋愛できなかったんだろ)(いや違うよ、それは私じゃなくてこの世の中が悪いよ)とかいろいろ余計なことを考えながら、なんとかかんとかして、何もない場所から文章をひねり出している。
まあ、ぶっちゃけた話、一部には実際に自分が経験したことを大げさに書いたり、ありもしないことを付け加えまくって書いた作品もある。これが広告だったらJAROに訴えられても文句は言えないわけだが、そこはあくまで創作の世界だ。本当のことが混ざっていたって、自分が白状しない限り、乱暴な言い方をすれば「へ? 全部作り話ですよ?」ということにできるのだ。たとえ実体験を種にしたとしても、その時に実際はなかった要素を色々くっつけていったら、最終的に出来上がるのは「作り話」だと思うし。
そんな感じで、読んでくださった方々はもちろん、何よりその作品を書いた自分自身が後で読んでも楽しめる作り話を考えている中で、ふと思ったこと。
それがさっきの(もっと落ち着いて~……)だったのだ。
たぶん(創作するぞ)という気持ちで書いた作品が並ぶ本棚とは別に、ありのままの自分の考えをまとめた文章を置いておくために、それらとははっきりと分けた本棚を作りたかったのだろう。
私にとっては、その「本棚」はブログでもTwitterでもなく、noteだった。
それ以上でもそれ以下でもないなあ、と思う。
今後のnoteのつかいかた
まあ、楽な気持ちで書いていけたらいいのかなあ、と。もともと創作でも
(ああ新しいお題出た。書かなきゃ。誰かに書かれる前に)
(やばい。なんも浮かばない。中2の数学の授業の時と同じ感覚だ)
(ああこの人もう既にすごいたくさん拍手やコメント来てる……それなのにおまえなにしてんだよ地球さんごめんなさい)
とか、カツアゲされたわけでもないのに勝手にパンを買ってくるような思考に陥ってしまいがちなので、こっちではもう少しラフにやっていこうと思う。まあ時折、お題企画etcに乗っかるかたちでショートストーリーくらいは書くかもしれないが、それをメインにはしないつもりだ。
もともと私は事実だろうと作り話だろうと文章を書くこと自体が好きだし、日記なんかはもちろん、大学のレポート課題とかも(まあ確かにだるかったはだるかったのだけど)それほど苦痛に感じたことはなかった。せっかくこの歳までそういう育ち方をしてきたのに、それすらも続けられなくなるような状態にわざわざ自分から持っていくことはない。
そのためにはある程度、自分の考えていることを落ち着いてまとめておく必要があるのだと思っている。
せっかく手に入れたものを、手放してしまわないように。
私はこれから少しずつ、まだ空きの目立つこの本棚を埋めてゆくつもりだ。