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アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けてきたよ op.10

こんにちは、あるいはこんばんは。
絶賛修士論文の文献集めなど諸々の作業に追われている今日この頃。
ついに満を持してアレクサンダー・テクニークのレッスンを受けてきた。

アレクサンダー・テクニークとは

アレクサンダー・テクニークとはなんぞや、という人が大半だろうと思うので、説明しよう!

アレクサンダー・テクニークは、体の使い方を改善するための教育的な方法で、特に姿勢や動作、呼吸に焦点を当てていて、1890年代にイギリスで俳優のフレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander)によって開発された心身技法である。

このメソードが確立された背景には、アレクサンダー自身の経験が基づいている。アレクサンダーは、演技中に声が出なくなるという問題を抱えていたが、そこで自分自身の体の使い方に問題があることに気づいた。彼は、無意識のうちに行っていた悪い習慣(姿勢や動き)が、声に悪影響を与えていると考え、それを改善するための方法を探求したのが始まりである。

方法としては、身体の「使い方(use)」を見直すことが重要視される。日常の動作(立つ、座る、歩くなど)を意識的に行い、無駄な力を使わず、自然で効率的な動きができるようにすることを目指す。特に首と頭のバランス(頭部が脊椎の上に自由に乗るようにすること)を整えることが、全身の動きに大きな影響を与えるとされている。

このメソードは、姿勢改善、痛みの緩和(特に腰痛や首の痛み)、ストレス軽減、呼吸の改善など、さまざまな健康効果が期待されていて、アスリートやミュージシャン、俳優など、身体の動きが重要な職業の人々にも役立つとされている。

今回セッションを受けた理由

以前からこのメソードのことはもちろん知っていて(音楽界隈でも有名なので)、例のヴィオラ弾きのマブダチからも別のピアニストの友人からもアレクサンダー・テクニークのセッションを受けることを勧められていたのだが、なかなか都合つかず。で、今回休暇中に時間ができたので受けてみようと思った次第である。
もう一つの理由は、修士論文のテーマに関連しているから。
私は「健康的に長く楽器を演奏するための身体の使い方」というのを修士論文の大きなテーマとしている。そこから身体の使い方のメソードを色々漁るうちに、やっぱりアレクサンダー・ テクニークは抑えとかないかんよな、と思い、どうせ文献だけじゃ限界値が見えてるので、より書きやすくなるように体験しちゃおう!という考えに至ったわけである。

結論、あと10年早く受けとけばよかった。笑


実際に受けてみて

アレクサンダー・テクニークのレッスンは、通常は個別指導で行われ、教師が手を使って生徒の体の動きをガイドし、悪い習慣を修正する。私が今回お世話になった先生のところも、自宅兼セッションスタジオ、みたいな感じで個人レッスンを受けた。レッスンでは、受講者自身が自分の体の使い方を再認識し、改善するための方法を学ぶ。

具体的には、椅子を使ってひたすら立ったり座ったり。
たったそれだけの単純な動作なんだけれど、先生のガイドにしたがってやると、いかに自分が普段何も考えずに無意識な行動をしているかがよくわかった。

またセミ・スパインと言って、仰向けに寝て、膝を立て、足を床に置きます。頭の下にサポート(通常は薄い本など)を置いて、首や背骨の自然なカーブを保つようにする、アレクサンダー・テクニークで推奨される特定の姿勢を行った。これは体の緊張を解放し、姿勢の改善や再調整を促すためのリラクゼーションと再教育の手段だそう。レッスン後、私は家に帰ってからもたびたび自分でやっている。

この記事を書くまでに2回のレッスンを受けたが、特に思ったのは、

  • 思っている以上に無意識の身体の反応があることがとてもよくわかった。

  • 自分が今まで正しい姿勢だと思っていた姿勢が実は歪んでいて、矯正された時の違和感がすごかった。

特に自分はもともと猫背気質で、それを治すために意識して胸を張るようにしていることが度々あったのだが、実はそれも間違っていて、結果的に頭と首、背中のバランスが正しい位置に収まっていないことがわかった。正しい位置に矯正されたときは「え?全然猫背じゃね?」と思ったりなどした。

たった2回しかまだ受けてないけど、かなりの発見があった。

まとめ

今回レッスンを受けてみてよかったと思う。なんならもっと早く行ってたら全然違ったかもしれない。アレクサンダー・テクニークは、身体の使い方を意識的に改善することで無駄な緊張を取り除き、より効率的で快適な動きを可能にするための方法であり、スポーツや楽器をしていなくても身体的なストレスを減らし、より自然で健康的な姿勢と動きを習慣づけるために効果的だと思った。特に現代人はスマホやPCの長時間使用でストレートネックになったり、それ以外でも身体に痛みが生じやすいような生活をしているから、その改善にも役立つと思う。

これシリーズ化しようかな。論文の進捗状況も兼ねて。笑


参考文献:
Kleinman, J., & Buckoke, P. (2019). 音楽家のためのアレクサンダー・テクニーク: 心と身体の使い方.


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