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「脱水患者を受け持ちました。生食を、量はどれだけいったらいいですか?」「とりあえずおしっこ出るまで入れといたら?」
脱水患者の、血管内volumeが適切になったかどうかをどうやって判断したら良いのでしょうか?
種々雑多なことがいろんな本や先輩から聞かされると思いますが、極論を言います。
「濃くない「おしっこ」が、最低限の量だけ出るようになればOK」
です。結局、人体というブラックボックス(医学的に解明はされつつあるが、難解だったり予測が外れたりする)についてあれこれ悩むよりも、おしっこが出ればOK、というスタンスがとても大事です。循環がうまくいっていない患者からきちんと尿が出ることは通常あり得ないからです(「利尿薬を使った」「尿が出てしまう特別な病気」でない限り)。
じゃあ、どれくらいの尿が出たらOKですか?と良く聞かれますが、これは一般的に、「1時間あたり、体重の半分くらいの尿」が出ていればOKと教えていますし、一般的に医療者の間での共通認識ではないでしょうか。
1時間おきに尿量を確認しにいくことはそれほどないと思います(そうしなければいけないほどシビアな患者さんはICUで診るべきでしょう)。一般的に病棟では8時間おき(3勤務帯それぞれ)に尿量を記録することが多いと思います。ということは、1勤務帯ごとに、「体重×4」mLの尿量が確保できていればOKということです。そうなれば、いったん生食の出番はおしまいです。
脱水になった原因が改善しており、ご飯が食べられている人であれば点滴は終了できる可能性が高いです。ご飯が食べられない人であれば、一日必要量を3号液で補いましょう。
脱水になった原因が改善していない患者では、原因の究明と改善に尽くしましょう。また、今後進行していくと予想される体液欠乏を「ざっくり」予想し、生食で補っておく(この場合も、尿量を意識しましょう)ことが大切です。
※ 人というブラックボックスに対し、食事と飲水行動(水分摂取)を行い、糞便と不感蒸泄という形で通常の水分排泄が行われた場合、残りは尿として排泄される。
※ この「尿量」が保たれていれば、インアウトのバランスは(普通は)ちょうど良いと考える。細かいことは気にせず、まずはこの原則をしっかり押さえる!
※ 脱水になった原因を考えるときもこの図で理解すると良い。