おうちビストロ 2025年1月 ~スイスとモンテネグロと北陸~
2025年最初の月末になりますね。
1月のおうちビストロ、何とか間に合いました。
普段、コンビニや小売店で販売されているワインは、国産よりも海外産の方が多いです。
あなたは、これまで何カ国のワインを試したことがありますか?
また、どの国のワインが好きですか?
先日、経験済みのワインの産地が31カ国→33カ国に増えました。
今月のおうちビストロは、そのことからご紹介します。
スイスのワインと料理
海外ワインは特にイタリアが好きだが、様々な国のワインを経験してみたいと思っている。
昨年末時点で、アプリに記録してある経験済みワインは延べ2,000種類弱、そのうち海外の産地は31ヵ国。
具体的には以下の国々。
■100種類以上(3桁)経験した国(記録の多い順)
イタリア、フランス、スペイン
■10種類以上(2桁)経験した国(記録の多い順)
アメリカ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、ポルトガル、オーストリア、アルゼンチン、ドイツ
■10種類未満(1桁)経験した国(五十音順)
イギリス、イスラエル、インド、ウルグアイ、カナダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、ジョージア、スロバキア、スロベニア、タイ、トルコ、ハンガリー、ブルガリア、メキシコ、モルドバ、モロッコ、ルーマニア
そんななか、昨年末、久しぶりに新宿の三越伊勢丹へ行った。
ワイン売り場で、これまで試したことのない産地を探し、「スイス」と「モンテネグロ」のワインを購入した。
まずは、スイスからいただいてみることに。
スイスは、Yukitaka Sawamatsuさんがかつてチューリッヒを旅行された時のことを連載記事にされていて、気になっていた。
合わせる料理は、ginngamomさんが年始にアップされていたスイス料理「アルプラーマカロニ」。
ginngamomさんのレシピをみると、バター、生クリーム、グリュイエールチーズ、エメンタールチーズをたっぷり入れた、酪農国らしい濃厚なマカロニグラタンである。
グリュイエールチーズ、エメンタールチーズは、スイス原産でチーズフォンデュに使われるハードチーズ。
ただ、今回のスイスワインはライトボディとの情報から、アルプラーマカロニの生クリームやチーズなどを少し軽めにアレンジさせていただくことにする。
主な材料は以下のとおり。
皮をむいてカットしたジャガイモと、ショートパスタをそれぞれ固めに茹でておく。
玉ねぎとニンニクを切ってフライパンに入れ、無塩バターで炒め、塩、コショウ、ナツメグで味をつけてから、クリーム用のバター、小麦粉も入れて豆乳でのばす。
火をとめて、茹でたジャガイモとパスタを加えてまぜる。
耐熱皿に移して、チーズをのせる。
火力が弱いオーブンレンジではなく、ガスコンロの魚焼きグリルでチーズに焼き目をつけて完成。
(料理の写真は撮り忘れ…。)
フィジリやジャガイモにチーズが絡んで美味しい。
輪切り方向に切った玉ねぎがシャキシャキ感があっていいアクセントになっている。
いざ、スイスワインに合わせてみる。
品種はスイスで生産量の多いシャスラ。
色調はゴールドがかったイエロー、柑橘類やアプリコットの香り、ややオークのような樽香、酸味と果実味のバランスもよく、エレガントな印象だが、想像していたよりボディがある。
いいワインだ。
チーズの効いたマカロニグラタンにも合ったし、副菜のエビとスティックセニョールとゆで卵のサラダとの相性も悪くない。
甲殻類や卵はワインと合わない場合もあるが、これは大丈夫。
スイスは、ワインエキスパート受験時に学んだ「日本ソムリエ協会教本 2019年」に掲載されている。
ワインを生産しているのは100カ国ほどあると聞いたが、そのなかでスイスはソムリエ試験で出題されるくらい重要な生産地。
スイスの面積は九州に近く、レマン湖のほとり「ラ・ヴォー地区の葡萄畑」は世界遺産に登録されており、11世紀からワインが作られてきたそうだ。
たしか、ラ・ヴォーの葡萄畑について、実際に出題されていた。
今回のワインの産地はレマン湖のほとりだが、世界遺産の「ラ・ヴォー」より西の「ラ・コート」地区。
「ラ・コート」にある12産地のうち、「ヴァンツェル」というプルミエ・グラン・クリュのワインである。
レマン湖のあたりはブルゴーニュから移ってきた修道士達がワインを造りはじめた地域だけあって、「プルミエ・グラン・クリュ」といったフランス語の名称になっている。
スイスでは他に、チューリッヒあたりのドイツ語圏、イタリア国境あたりのイタリア語圏でもワインか生産されている。
教本掲載26ヵ国のうち、今回のスイスを加えて25ヵ国まで経験済となった。
あとは、ルクセンブルクのみ未経験。
ルクセンブルクは、1人あたりのワインの年間消費量が世界2位(1位はバチカン)で、生産されているワインは国内でほぼ消費され、日本では入手しにくいようだ。
機会があればルクセンブルクのワインも味わって、かつて学んだ26ヵ国をコンプリートしたい。
モンテネグロのワインと料理
モンテネグロは、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアなどに囲まれ、アドリア海に面する国。
面積は福島県くらいで、人口は約62万人とのこと。
食文化は、トルコ料理の影響を受けており、内陸ではスパイシーな肉料理、海沿いではシーフードを食べるよう。
今回は赤ワインなので、肉料理と合わせることにして、モンテネグロの肉料理のレシピを検索。
ネット上に日本語で記載されているページは多くないが、ギリシャやクロアチアでも食べられている「パスティツァーダ」というスパイシーなトマト煮込みがあるようだ。
「パスティツァーダ」にはパスタを添えることが多いとのこと。
ある日、予定が不明確で、日持ちのするローストビーフを作り置きしてあった。
自宅で夕食ができることになり、モンテネグロの赤ワインを味わってみようと決断。
先ほどの「パスティツァーダ」のレシピを参考に、スパイシーなトマトソースを作る。
玉ねぎとニンニクをみじん切りにして、オリーブオイルで炒め、酒(料理用の赤ワインを切らしていた)、塩、コショウ、クローブ、シナモン、オールスパイスを加える。
そこに、カットしたミニトマト、トマトペーストを加え、更に炒める。
ここに、ローストビーフの肉汁と、ローストビーフの端を小さく切って追加して、茹でたロングパスタと絡める。
メインディッシュは、49℃で5時間調理してから、冷蔵庫に保存してあったローストビーフ。
表面を軽く焼いてからなるべく薄く切り、醤油とバルサミコで味付けした舞茸ソテーと盛り付ける。
この柔らかいビーフとスパイシーなパスタをモンテネグロワインと合わせる。
ブドウは「ヴラナッツ」というモンテネグロ原産の品種。ヴラナッツは「黒い馬」という意味だそう。
ワインの色調はとても濃く、グラスの向こうは透けない。アメリカンチェリー、プラムのような濃い赤色の果実の香り、やや黒スグリのような香り、タンニンは中程度で、果実味がありボディは重め。
イタリアの品種「プリミティーヴォ」を北寄りにしたようなニュアンスで、アドリア海を挟んで向かい合う、南イタリアのワインに似た印象がある。
赤身肉のローストビーフや、シナモンの香りがするトマトパスタと共に、異国情緒を感じる夕食になった。
蕎麦に合うワイン エノテカ編
今月中旬には、ワイン専門店「エノテカ」の店舗にも行ってみた。
蕎麦に合うワイン探しにハマっていて、お店の方にオススメを聞いてみることに。
▼先月から始めた「蕎麦食推進」活動
「蕎麦に合わせる時は、どのワインがいいですか?」と尋ねたところ、麺としての蕎麦とそば粉のガレットの場合、それぞれにオススメのワインを提案してもらった。
①麺の蕎麦に合わせる赤
まず、麺つゆに合いそうと提案してもらったのが、ニュージーランドのピノ・ノワール。
甘辛いつゆとピノ・ノワールの風味は相性がよく、また、ニュージーランドのワインは和食にも合わせやすいとのことだった。
▼山梨の赤泡と蕎麦も相性が良かった
②そば粉のガレットに合わせるオレンジ
次に「そば粉をガレットにして、チーズや野菜などと合わせるとしたら?」と尋ねてみると、「幅広く料理に合わせやすいオレンジワインがいいでしょう」とのこと。
他にもオレンジはあるが、特にこのワインは余韻にコショウの風味があるのでガレットに合うだろうとのこと。
▼年始に、ガレットとオレンジワインを合わせたのは正解だったようだ
③そば粉のガレットに合わせる泡
また、スパークリングもいいのではないかとのことで、スペインの「プロジェクト4(クワトロ)」も提案された。
こちらは4種類のブドウをブレンドしてあり、ナッツのようなコクがあるそう。
このスパークリングと先の2本も合わせて購入した。
いずれもエノテカで2千円台で販売していので、ご興味があれば、是非そばと合わせてみて欲しい。
なお、最後の泡は、4人家族でスパークリング好きな方にプレゼントしたので、また調達する予定。
石川・富山の名物と
まずは、先程のオレンジワインと、手元にあるそば粉でガレットを作って合わせてみることにする。
また、先日行った石川県と富山県のアンテナショップで購入してきた北陸の名物も一緒に味わおう。
茶屋ファームさんの富山県利賀村産そば粉でガレットを作って、とろけるチーズをのせて焼く。
このシンプルなガレットに、富山の「黒作り」というイカ墨入りの塩辛をのせる。
そばの風味とチーズに黒作りの組み合わせは、個性的だが美味しい。
写真を撮り忘れたが、ミニシーフードピザのようと表現すると伝わるだろうか。
▼別の日に、チーズとアボカドとトマトをのせてピザ風にしたガレット
ここに、オーストリアのオレンジワインを合わせてみる。
色調は明るいオレンジ色、柑橘類やリンゴのような果実の香り、酸味は程よくドライで、余韻にはっきりとした胡椒の風味。
オーストリアのブドウ品種であるグリューナー・ヴェルトリーナーの白ワインは、ややスパイスの風味を感じることがあるが、このオレンジワインはピリリとした胡椒が感じられて面白い。
このワインとイカ墨入り塩辛のせガレットが合った。
チーズやイカに、胡椒の風味が合わない訳がない。
また、石川県の郷土料理「かぶら寿し」も合わせてみた。
かぶらやブリにも、オレンジワインは難なく合う。
かぶら寿しは、ブリをかぶらで挟んで、米糀で漬けた冬の料理。
特に、今回購入した「ぶった農産」のかぶら寿しは有名。
アンテナショップで最後の1つをゲットできた。
他に、能登産のいしるを入れたスープも、イカの旨味があってグッド。
北陸の食と、フードフレンドリーで胡椒風味のオーストリアワインを堪能した。
後日、食後にいただいた利賀のクロモジ茶や石川のきんつばも美味しかった。
ワイナリー巡りもオススメだが、石川や富山のアンテナショップ巡りもオススメ。
▼先日、ワイナリー巡り後にアンテナショップに立ち寄った様子はこちら
❄ ❄ ❄
以上、1月のおうちビストロ、いかがでしたか。
新しい産地のワインや、蕎麦に合うワイン。
色々知ること、思い返すこともあって面白かったですが、少し長くなり5000文字を超えました😅
まだ寒い日が続きますが、どうぞ温かくしてお過ごしください。
今回もお読みいただきありがとうございました🍷