イタリアワイン会〜ヴェネト州編②
ヴァルポリチェッラ地区3種
ヴァルポリチェッラ地区
イタリアワイン会ヴェネト州編は、プロセッコとソアヴェ・クラシコが終わり、ここからヴァルポリチェッラ地区の3種のワインに移ります。
前編はこちらより
アマローネを生産しているヴァルポリチェッラ地区はヴェローナの北に位置し、ガルダ湖とモンティ・レッシーニ渓谷に沿った地域にある。温暖気候であるが、湖の近くにあるために寒暖差が大きい地域。
原料のブドウを陰干し
ヴァルポリチェッラ地区では2,000年以上前からレチョートという甘口ワインを生産してきた。甘いものが少なかった時代に甘いワインは重宝され、ローマ時代にはアウグストゥス皇帝が好んでいたとも言われる。
甘口ワインを造るためには原料ブドウの糖度が高くなくてはいけない。
ワイン造りにおけるアルコール発酵は原料ブドウの糖分を酵母がアルコールに変える仕組み。原料のブドウの糖度が高ければアルコール度数を上がっても糖分をワインに残すことができる。
そこで、ブドウの糖度を高めるためにアパッシメント(陰干し)という技法が用いられた。約3ヶ月ほどブドウを陰干し、元の重さの7割から5割まで重量が減るまで乾燥させていく。
こうして原料のブドウを高めることで、糖度を残したままワインが完成できるというわけだ。
アマローネは失敗から生まれた
時は流れ、1938年。いつもの様にレチョートワインを造っていたところ、うっかり樽を置き忘れ、本来ならばアルコールを途中で止めて甘いワインレチョートを造らなくてはならないところを、完全に発酵が終わり辛口のワインができてしまったという。
こそが後の「アマローネ」。アマローネとは苦いという意味を持つが、アマローネ自体が苦いというよりも、レチョートと比較して苦いという意味だったと言われております。
そして、アマローネは誕生から80年足らずの歴史の浅いワインなのです。
絞りかすを再利用するワイン
さらに発酵後の干しぶどうにヴァルポリチェッラを加えて二次発酵させてつくるリパッソという製法からD.O.C.ヴァルポリチェッラリパッソが造られる
アマローネの搾りかすには糖分が残っており、リパッソ(再利用)することによって充分に最後まで使い切るという知恵からD.O.C.ヴァルポリチェッラリパッソは誕生した。
アマローネと比較してリーズナブルでありながら、アマローネらしいドライフルーツの香りをまとったリパッソもとても人気のワインです。
ワイン会では3種を比較テイスティング
比較することで面白みが生まれる
Casamiaでのワイン会では5種のワインを提供したが、ヴァルポリチェッラとヴァルポリチェッラリパッソ、そしてアマローネ。この同じ地域で造られる3種は同時にテイスティングして頂いた。
今回提供したモンテダッローラのヴァルポリチェッラはステンレスタンクとコンクリートタンクで造る非常に軽快な赤ワイン。酸味はしっかりとあるが、さっぱりとしているので春野菜との相性もいい。
また、ネグラールのリパッソは味わいの骨格がしっかりとしているので、バニラのような甘い風味があるのだが、全く軽くはなく大人の味わい。
こちらはカカオ含量の多いチョコともあう。
アマローネはクラシックな造り手のアルデゲーリ。
アマローネらしい干しぶどう、プルーンの香りがグラスから隠すことができないように溢れてくる。
「あ!コレは違う。。コレは絶対にいいやつだ!」
参加者からあがる驚嘆の一声。
これこれ。これがワイン会の醍醐味のひとつですよねー。
家飲みだと少人数で同じワインと向き合うこと多いですけどワイン会では複数のワインを比較しながら、参加者みんなで感想を言いながら盛り上がれるのも楽しみの一つ。色んな方々のテイスティングコメントを聞くことは私もとても勉強になります。
アマローネはイタリアワインの高級ラインの中でも味の違いがわかりやすいと私は思います。アマローネという素晴らしいワインがイタリアにはあると言うのを知ってもらいたいという思いでヴェネト編を開催したので、やってよかったと思う時でした。
特に今回はアルデゲーリの2016年を明けたのですが、これが秀逸でして。(2016年はアマローネ近年最高出来といわれる)
私がインポーターの試飲会で飲んだ2012年よりも、果実の熟した風味がいきいきとしており、酸も穏やかでとても美味しかったです。
※残念ながら2016年はオンラインショップ在庫終了
Casamiaのワイン会は2ヶ月に一回の定例開催
Casamiaでのイタリアワイン会は定例でイタリア各州をまわって、その土地の食や文化、ワインを紹介しています。
次開催は5/28(日)を予定しております。目指せイタリア一周!
Casamiaイタリアワイン会
日時 5/26 13:30〜15:00
料金 4,000円(税別)
ワイン5種類(100ml)
ワインセミナー
「こういうワイン会ってワイン通ばかり集まるから恐れ多くて…」
という声をよく頂きますが、Casamiaのワイン会は参加者もワインビギナーの方が多いので安心ですよ〜
お問い合わせは各種SNSメッセージまたは025-250-7708まで!
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