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【グラタマッコ】メーカーズディナー②



パート①はこちら


ペアリング編

料理6品にワイン7種。最後のメインはボルゲリロッソスペリオーレの蔵出しバックビンテージ2014を提供し、現行ヴィンテージとの比較というサプライズを加えた。

<Amuse Bouche>
チェチーナとフィノッキオーナ パルミジャーノ ディ メランザーネ
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コッレマッサーリ モンテクッコ ロザート  

地下水脈が浅い新潟市。地場の茄子には上質な水分が多く含まれる。心地よい水分量がホクホクサクサクのチェチーナにボリューム感をもたらす。少しアルコール度数が高めのロゼワインがボリューミーな味わいと相性がよい。



<Antipasto①>
魚介のパンツァネッラ
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コッレマッサーリ ヴェルメンティーノ メラッチェ 

ワインはステンレスタンク仕上げ。トスカーナ地方は白ワインがヴェルメンティーノが各地で造られているが、樽熟性タイプがあったりと味わいに個性ある。こちらのメラッチェは海風の影響でミネラルが豊富。パンツァネッラにすることで魚介の旨味をしっかりと保持することで、爽快でありながら旨味が持続するペアリング。

<Antipasto②>
宮崎県産鶏白レバーのスフォルマート 熟成じゃがいものエスプーマ  
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グラタマッコ ビアンコ

料理を口に含むと、やさしい口当たりと共に一気に口内が濃厚な白レバーの味が広がる。
ここでワインの登場。ワインを含むと一気に口内で溶け合い、レバーの風味を嫌にならないギリギリのところまで膨らましていく。
少し大ぶりのグラスがどんどん隠れていた重厚なアロマを広げていく。
そう。グラタマッコのボルゲリビアンコは1/3をバリック樽で熟成させ、残りはステンレス。その絶妙な樽の当て方が、この料理をギリギリのところまで押し上げていた。さらに、イタリアワインらしい酸とミネラル感をもった味わいがリセットしてくれるので、飽きずに何度もハーモニーを楽しめる。

「これは絶対に合うに決まってる」ワインを口にする前から伝わる相性

このペアリングとワインのクオリティの高さに、会場では驚きの声が上がっていた。後で聞いた話だとマルテン氏も、このペアリングには驚いたそう。本場トスカーナのワイナリーを唸らせる料理にビックリした。




<Antipasto③>
山古志牛のランプレドット サルサヴェルデ
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コッレマッサーリ モンテクッコ ロッソ

闘牛が有名な新潟県長岡市山古志地区の交雑牛を使ってつくるランプレドット。合わせたのはコッレマッサーリ社のモンテクッコのロッソ。トスカーナ州モンタルチーノ地区の南部。非常に温暖な地域で造られる凝縮感のある味わいがランプレドットの味わいに広がりをもたらす。ワインの余韻のコーヒーのアロマが脂身と調和する。

ランプレドットの仕上げに使ったオリーブオイルはCasamiaで販売しているグランプレジオ。ポリフェノール含有量が800を超え、強い苦味が特徴のオリーブオイル。これがランプレドットとの相性が抜群。お肉に合わせるオリーブオイルはコレ!




<Primo piatto>
アマゾンカカオを練り込んだパッパルデッレ 広島仔猪肉ラグーソース
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グラタマッコ ボルゲリロッソ  2022


トスカーナ州の2022ヴィンテージは3年連続の高温となったが、8月の降雨にも助けられ過熟した果実の味は全くせず、力強く、濃厚な色合いになり、素晴らしい果実のアロマと卓越したフレッシュ感があると言われている。そもそも暑いのが当たり前のトスカーナではノウハウも蓄積されているということなのだと思う。

若いうちから楽しめるボルゲリロッソは凝縮感を味うにはピッタリのヴィンテージ。まだまだ、お転婆な印象の果実味がアマゾンカカオとの相性がよい。
アマゾンカカオはペルーのタラポト県にある小さな村で収穫される。フルーティで美味しいクリオロ種は近年話題のカカオ。
ボルゲリロッソのもつ溌剌な果実味をわずかなクリオロ種カカオの持つフルーティな部分がつなぎとなり、カカオ本来の重厚さがワイン全体のボリュームをしっかりと受け止めている。パッパルデッレという口内で所有体積が多くなりがちなパスタの選択も見事。




<Secondo piatto>
佐渡牛炭火焼き 大手亡白インゲン豆
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グラタマッコ ボルゲリロッソ スペリオーレ 2014&2019


佐渡牛は2024年に世界遺産登録となった佐渡金山がある佐渡市で飼育される和牛。佐渡の稲わらと林間放牧で育てられる和牛で、赤みの味わいに定評がある。近年、高齢化に伴い生産頭数が大幅に減少し手に入りにくくなっている。

オステリア・ヴェネデッタでは炭火焼きが楽しめる

炭火焼きで仕上げていく。表面温度が400度を超える高温が特徴で表面を一気に焼き上げるだけでなく、遠赤外線で焼き切ることで中に肉汁を保持し、柔らかく旨味をキープする。さらに、燻すことで炭の風味が表面にプラスされる。この“焦げ”の香りが原始人類の狩猟時から生物的に脳にインプットされており、食欲を増大させる。

塊肉を最良の状態で焼き切るのがシェフの腕の見せ所

ペアリングのワインは2019と2014ヴィンテージで比較テイスティング。長期熟成により赤ワインは様々な香りを纏う。その違いを体現できるペアリングだ。
2019ヴィンテージはトスカーナ近年でも評価が高いヴィンテージ。果実味がまだまだ残っておりフレッシュな顔もまだまだのぞかせる。
2014はピークの味わい。枯れ草の風味がプラスされ、角がとれた熟成香はエレガントで円熟味を増している。若干ピークダウンを感じるが、これくらいの木枯感があった方が炭火の風味と相性が良い。
もともと持っている生き生きとした酸が熟成によって角がとれるとともに、丸みを浴びたタンニンが佐渡牛の旨味をもっていかない非常に良いペアリングとなった。

肉とワインのペアリングは簡単なようで簡単ではない。牛、豚、鶏。部位。それぞれに合わせるワインがあり、一概に重い赤ワインと合わせればよいというわけではない。
今回の佐渡牛の赤身肉は上品な質感と旨味が特徴なので、あまり主張の強い芳香やタンニンが強めの赤ワインでは赤ワインがいき場を失い、佐渡牛の上品な味わいを奪ってしまうだろう。

上品さの赤身肉を炭火で焼き切り、表面は魅惑な風味をまとう


メーカーズディナーを終えて

今回のメーカーズディナーだが、私も久々にレストランでサーブについた。ワインをサーブして、写真撮って、全体のバランスをとって。
(※ちなみに動画もとってる笑)
ですので、会場の雰囲気やワインメーカーの話の詳細が伝わりづらいブログになってしまいすいません。
実はイベントの最後はモンテ物産さん発案の「じゃんけん大会」で締めたのだが、これが大正解。色々なメーカーズディナーがあるとは思うが、勉強一辺倒になってしまい、お客様が楽しめる空間を失ってはいけないなと感じた。ここは場数を踏んでいるモンテ物産さんに勉強させていただきました。

Casamiaは今後もメーカーズディナーを開催して行く予定ですので是非ご参加下さいませ。



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