【大内家の野望 新生】 第20話:相模国平定戦 〜鎌倉の戦い
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メールマガジン『ビジネス発想源 Special』にて約8年、400回にわたって連載し、AmazonのKindleストアで多く電子書籍化もされている、歴史から経営やマーケティングのヒントを学ぶビジネスコンテンツ『歴史発想源』。
今年7月に新発売となったコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム『信長の野望 新生』を使って、その第1章「大内二代篇」の状況から天下統一を目指す番外篇「大内家の野望 新生」を連載しています。
▼第20話:相模国平定戦 〜鎌倉の戦い
■北条家の本拠・相模国一帯を占拠せよ
ついに東国最強の戦国大名・北条家と激突を始めた、西国覇者の大内家。北条家の本城である難攻不落の天下の堅城・小田原城(神奈川県小田原市)を攻めるのに多大な犠牲を払い続けてきたが、北関東戦線と連動した戦略でついに落とすことができた。ここを足がかりに、さらに関東平定に邁進するぞ。
小田原城を奪ったことでようやく、東海道の相模国(神奈川県)へのルートが開けた。ここから玉縄城(鎌倉市)、三崎城(三浦市)、小机城(横浜市)の相模国3城を同時に攻めていく。玉縄城を攻めていた若殿・大内義尊の本軍に玉縄城から北条軍が出撃してきた。
武勇96、統率91で知略も84という北条軍随一の名将、北条綱成の軍勢だ。北条五色備の中でも黄備を率いる猛将で、史実でも玉縄城の城主。兵力は大内軍の6分の1だが、気を引き締めてかかろう。「茅ヶ崎の戦い」の開幕だ。
部隊数はこちらが6部隊、北条綱成は2部隊だ。この差は展開の幅につながる。うまく挟撃をしながら、重要拠点を落とし、背後の退き口も押さえてしまう。
そして北条綱成の軍勢はほぼ壊滅して、大内軍の大勝利に終わった。このまま一気に玉縄城を落としていこう。
北関東戦線でも諸城への攻略はうまく続き、日本100名城の一つでもある鉢形城(埼玉県寄居町)を下間頼康隊が落とした。これで忍城(埼玉県行田市)の包囲網の一角が崩れて、武蔵国攻略をやりやすくなるぞ。
玉縄城の陥落までもう少しというところで、北条氏邦が出撃してきた。当主・北条氏康の子で、次期当主・北条氏政の弟だ。北条氏邦もまた武勇88、統率81、知略81という知勇兼備の将。しかし9倍ほどの兵力差は、よほどのことがなければ覆ることはあるまい。
この兵力差は如何ともしがたく、北条氏邦はほとんどの兵を失って壊滅。大内軍が多くの兵を残して大勝した。北条綱成に続いて北条氏邦までもが敗れれば、もはや玉縄城には守る力も残ってはいないだろう。
玉縄城はもはや守る力を失い、大内義尊が自ら玉縄城を奪った。武士の都・鎌倉を制圧だ。北条氏康は小田原城、玉縄城を奪われて、三浦半島の三崎城へと逃れたようだ。
本隊と別に滝川城(東京都八王子市)から相模国を攻めていた別働隊の弘中隆包隊が、小机城を落としてくれた。これで東京湾沿いの江戸城(東京都千代田区)攻めのルートができあがった。いよいよ大東京の制圧に移れるぞ。
北にポツンとできてしまった那須川城(福島県那須川市)は大丈夫なのかと見てみると、その周辺を伊達家が攻めており、西関東が大変な間に北条領を着々と侵食していっているようだ。那須川城が無事なのはありがたいが、おそらく北条家の次に対決することになる伊達家が大きくなりすぎることにも注意を払っておかなければ。
小机城から江戸城へと攻め上がる。北条氏康を三浦半島に閉じ込めている間に、伊豆半島から海路で三浦半島に向かう。北条軍も海を渡ってきていて、相模湾で海上戦になるようだ。
三崎城を攻めている大内義尊軍が「乱橋の戦い」に突入。相手はもはや名前もない郡代である。北条家にはそれだけ武将がいないと見える。もちろん叩き潰して、一人残らず壊滅状態に。
北関東戦線の戸次鑑連が、防御力の高い唐沢山城(栃木県佐野市)を攻めていたがなかなか落ちないので、土竜攻め(もぐらぜめ)、つまり穴を掘って攻め入る策略を提案してきた。智将・竹中半兵衛もサポート役に回り、謀略実行。
謀略は見事にストライクで、唐沢山城の耐久力は急激に低下。戸次鑑連隊がすぐに唐沢山城を攻め落としてくれた。孤立している那須川城に一歩近づくことができたぞ。
そして北条氏康が籠っていた三浦半島の三崎城も陥落。これで相模国は完全に大内義尊が制圧した。もはや北条家は伊豆国も相模国も失って流浪に近い武家になってしまった。
■凋落していく北条家の所領を、大内家が侵食していく
当主の北条氏康は三崎城を追われて、東京湾を船で渡って対岸の房総半島の先、館山城(千葉県館山市)へと移ったようだ。まあでもかの源頼朝だって当初は伊豆から安房へと逃げてから再起を図ったのだから、自然な流れだろう。容赦無く房総半島も攻め立てよう。
右側に現れたピンクの矢印のとおり、北条家は所領から援兵を房総半島に向けて送り込んできた。しかしその間に大内軍は、江戸城、そして河越城(埼玉県川越市)の攻略に取り掛かっている。今のうちにボコボコにしておこう。
北条軍が房総半島に注意を向けている間に、足利将軍家の出先機関であった古河御所(茨城県古河市)も攻めさせてもらおう。後方の諸国から集めた36000の兵を古河御所に向けて進軍させる。
河越城の守備力は高かったが、明智光秀が河越城の城主・風魔小太郎に闇討ちを仕掛けたことで、風魔小太郎が負傷。河越城の耐久力はガタ落ちだ。
北条家の兵が続々と房総半島に向けて集められるのを横目に、弘中隆包隊が江戸城を占領した。これで房総半島を今度は北側の陸路から攻めるルートが開けたというものだ。関東制圧に向けてここが落とせた意味はかなりデカい。
江戸城を落とした弘中隆包隊は、そのまま北の岩付城(埼玉県さいたま市)を狙って進軍。まだ落ちていない河越城の背後を急襲する形だ。これで河越城への北条の援軍も絶たれることになる。
関東攻略が本格化してきたため、そろそろ中部にあった大内家の本拠を移転することにした。あまり金銭に余裕がなかったので、駿府館(静岡県静岡市)への移転としよう。15日間かけてのお引越しとなる。
同盟者である長尾景虎の長尾家には、大田原城(栃木県大田原市)を攻めてもらうことにする。ここを攻めていれば、北条家も飛び地の那須川城を攻めてくる確率は少なくなるだろうから。
三浦半島から房総半島の先の安房国に上陸し、北条氏康が逃げ込んでいた館山城を木下秀吉隊が落としてくれた。ラスボスが房総半島の奥に逃れたという感じではなくなり、北からも南からも追い詰めていくよ、という形が出来上がったことになる。
北条氏康は北の久留里城(千葉県君津市)へと逃げ込んだようだ。東の万喜城(千葉県いすみ市)から館山城を取り返そうと兵が繰り出されているので、木下秀吉隊はその迎撃に出ているが、その間に黒田官兵衛が久留里城に一揆扇動の策略を仕掛けるらしい。容赦ない。
江戸城から千葉県に入るルートができたので、相模や武蔵の諸城からは佐倉城(千葉県佐倉市)へも向けて進軍。房総半島を北から封じてしまおうという作戦だ。
江戸城から北上してくれていた弘中隆包隊が、岩付城を攻め落としてくれた。これで西の河越城へ北条軍が援兵を送れるルートを閉鎖したことになる。
でもすぐに、その河越城も大内軍が奪取してしまった。これで武蔵国全域も完全に大内家の支配下に落ちたことになる。
これまで歪な形の侵食図だったのが南北に綺麗に境界線が通ることになり、関東平野は見事に大内家と北条家が二分することになった。だが、これで満足する大内家ではない。さらに前線を押し進めていくぞ。
古河御所を全力で攻めているところだが、その背後の諸城にも兵を送ることにする。まずは織田信長隊や吉川元春隊らに宇都宮城(栃木県宇都宮城)を攻めてもらう。
さらに、攻めている途中である古河御所のすぐ東の背後にある結城城(茨城県結城市)に向けて、甲斐国から長宗我部元親隊を進めさせる。北条軍は兵を分散させなければならなくなる。
房総半島。館山城から久留里城を攻めることで、東の万喜城からは援軍が送られたが、それによって城兵が少なくなったところで、館山城の今川義元隊を差し向ける。城主は剣豪の上泉信綱だが、攻めるそぶりを見せることが大事なのだ。
佐倉城を攻めているために北条軍が佐倉城に集結するその隙を見計らって、手薄になっている椎津城(千葉県市原市)に弘中隆包隊が切り込む。
そんな折、長尾景虎軍と伊達輝宗軍が大田原城を落としてくれた。これまで飛び地だったところが……
大田原城を落としたことで、那須川城と合わさって、大内家の飛び地は急激にデカくなった。すぐ目の先の宇都宮城も攻略途中だから、北条家もすぐに飛び地へ兵を出せない。このまま着々と発展させて兵を増やし、挟撃ができるぐらいにしておきたい。
そして、古河御所を落とすことができた。歴史ある要所を押さえたことで、北関東の拠点が作れたことになる。ゆくゆくは伊達家とも戦う時になったら、この辺りを押さえておくことは重要になるかもしれない。
大内家の領地が随分と東へ広がった。これまで飛び地だった那須川城・大田原城も、伊達家の奮闘もあり、また宇都宮城の攻略も目前とあって、ようやく繋がることになりそうだ。宇都宮城を落とせば、北条の残る所領をぐるりと囲むことができ、攻撃もたやすくなるだろう。あと一息だ。
(第21話につづく)
【武将名鑑】(20)竹中半兵衛(たけなか はんべえ)
羽柴秀吉の参謀。美濃斎藤家に仕えていた時、主君の斎藤龍興を諌めるために少数で稲葉山城を奪取する智略を見せる。後に羽柴秀吉の参謀となり、黒田官兵衛と共に「二兵衛」として織田信長軍下の羽柴秀吉を軍略的に支える。播磨三木城の城攻めの最中に若くして陣没。
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