【大内家の野望 新生】 第21話:北条家討滅戦 〜森山城の戦い
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メールマガジン『ビジネス発想源 Special』にて約8年、400回にわたって連載し、AmazonのKindleストアで多く電子書籍化もされている、歴史から経営やマーケティングのヒントを学ぶビジネスコンテンツ『歴史発想源』。
今年7月に新発売となったコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲーム『信長の野望 新生』を使って、その第1章「大内二代篇」の状況から天下統一を目指す番外篇「大内家の野望 新生」を連載しています。
▼第21話:北条家討滅戦 〜森山城の戦い
■相模の獅子・北条家を下総国に追い詰める
北条家が支配する関東平野の半分近くを奪取した大内家。同盟中の他家に攻めてもらって獲得したことで、大田原城(栃木県大田原市)あたりが飛び地の領土となっていたが、戦線を東へ押し上げたことでまもなく本土とつなげることができる。
毛利元就隊が宇都宮城(栃木県宇都宮市)を攻め落としてくれた。これで飛び地が本土とひと繋がりになり、戦略の幅が広がることになる。
長らく飛び地だった那須川城(福島県那須川市)でがんばって内政に努めてくれていた白井賢胤らが、満を持して出撃できる兵を揃えてくれていた。烏山城(栃木県那須烏山市)に攻め込むぞ。
とうとう北条家の所領も、一画面で収まるぐらいになってきた。下総国と上総国、つまりチバラギあたりに追い込んでいる感じである。
そして江戸城(東京都千代田区)からぐるっと東京湾を回って、椎津城(千葉県市原市)をも制圧。北条家の当主・北条氏康が籠っている久留里城(千葉県君津市)の北を押さえたことで、房総半島の北からと南からで挟撃ができるようになった。
現在、北条家の持つ城はわずか9城に。最大兵力83000も伊達家や長尾家以下の最弱勢力であり、現兵力は27000にまで落ち込んでいる。東国最強だった北条家ももう見る影もなくなった。引導を渡してやることにしよう。
結城城(茨城県結城市)、烏山城(栃木県那須烏山市)を立て続けに大内軍が占拠。北条家の勢力をますます太平洋側に追い詰めていく。
次の標的は小田城(茨城県つくば市)だ。史実では「戦国最弱の大名」と呼ばれる小田氏の城だが、今は北条氏康の子・北条氏邦が守っているらしい。
木下秀吉隊が佐倉城(千葉県佐倉市)を攻め落としてくれた。
そして北条氏康が籠っていた久留里城も、ついに我が大内軍の手に落ちた。何度も敗北してしまう北条家を見限って、北条傘下の家臣たちも数十人単位で続々と大内家に寝返ってくる。佐竹氏や相馬氏なども北条家を離れた。
久留里城から逃れて北条氏康が入っていた万喜城(千葉県いすみ市)も、弘中隆包隊らの猛攻に耐えられずに落城。房総半島もまたほぼ大内家の手に落ちたのである。
大内義尊の大いなる活躍を見て、また朝廷から、帝が関白か征夷大将軍か太政大臣の位を授けたいと言ってきた。いや、しつこいな。三職推任エンディングは嫌だから、辞退申し上げて天下統一を狙わせていただくぞ。
北条氏康は万喜城からさらに森山城(千葉県香取市)へと逃げ込んだようだ。北条家の持つ城はわずかに4城。
そんなタイミングで、なんと重用してきた九戸政実が、大内家を見限って北条家に寝返り。「歴史発想源」の「北奥戦乱篇」で描いたように、九戸政実は天下統一目前の豊臣秀吉の前に立ちはだかった不屈の武将。危機側の立場が好きなのだろうか。ともかく、北条家がまだ抵抗してきて謀略をかましてくるのだから、注意が必要だ。
歪な形の境界線になったので、小田城の背後の府中城(茨城県石岡市)へ向かうルートが持てた。府中城を狙っていく。
府中城攻めを決めた直後、小田城が松平家康隊によって陥落。府中城攻めはますます有利に進む。
関東七名城に数えられることが多い太田城(茨城県常陸太田市)も攻め立てる。同盟中の伊達家も参戦しているが、北条家の後に対決することになるであろう伊達家にこれ以上の城は渡したくはない。急いで先に攻め取らねば。
伊達家が約3万の大軍で太田城を攻めていたが、わずか1000ほどの山中鹿之介隊ががんばってくれて、先に太田城を落としてみせた。よくやったぞ。伊達家に渡すことなく、太田城は大内家のものになった。これは今後の展開を考えるとかなり大きい。
■北条家の次は、奥州の伊達家との対決に
関東制覇が終われば、次は奥州攻めになるだろう。その拠点をもっと東に作っておこうということで、これまで駿河館(静岡県静岡市)だった本拠地を、古河御所(茨城県古河市)に移転することにした。城の規模は小さくなるが、東北を目指しやすくなる。
小田城からは府中城が近い。奪った小田城からどんどん兵を送り込む。森山城にも佐倉城から大軍が容赦無く出撃だ。
井伊直政が元服し、大内陣営に加わった。武勇92、その他の能力も全て80台という名将だ。よろしくね。
森山城が猛攻にさらされている今、府中城に送られてくる援軍もなく、府中城はあっけなく大内軍の手に落ちた。
これで北条家は、霞ヶ浦の南の森山城を残すのみとなった。見るともう現兵力は3900人しかいない。しかし武将は27人もついて来ている。さあ、北条家との最後の戦いだ。気合を入れていくぞ。
城兵がほとんどいない北条家は、ついに力尽きる。森山城に大内軍が攻め入って、ついに陥落。かつて全国首位になるほどに関東圏を広大に支配していた戦国大名としての北条家は、今ここに亡んだのである。
当主の北条氏康、猛将の北条綱成、剣豪の上泉信綱、史実では上杉謙信の養子・上杉景虎となる北条三郎など、北条家の名将たちが次々と降伏し、大内軍に加わることになった。最後までよくがんばったね。これからは手を取り合って天下を目指そう。
しかし、九戸政実だけは最近北条家に加わったからと、降伏しなかった。アウトローな奴だ。またどこかで会うこともあるだろう。殺さずに解放してあげることにした。
北条家が滅亡して大内家に吸収され、戦国時代の群雄は169城を持つ大内家、24城を持つ伊達家、13城を持つ長尾家の3家にまで絞られた。長尾家は大内家との従属の道を選んでいるので、必然的に北条家滅亡後の次の相手は、伊達家ということになるだろう。
大内家の当主・大内義尊の娘が成人して、家中に入った。当主の姫は次期当主を決めるための婚姻ができるので、大きな存在だ。架空の姫なのでプレイヤーが付けなければならない。大内義尊の生まれ故郷である山口館のある山口県山口市に建っている名所・瑠璃光寺から名前を拝借して、大内瑠璃と名付けることにしよう。
東国最強の北条家を倒した次は、兵力約14万の伊達輝宗の伊達家との戦いになる。北条家と戦うために共闘してきたが、あと数ヶ月の同盟期間が切れれば敵対関係となる。それまで、北条家との戦いで消耗した兵力や内政を強化することに努めよう。
時に日本列島を台風などの災害が襲うが、いまや最大勢力となった大内家の領地が当然被害に遭いやすくなる。今年の台風も51郡で被害が出てしまった。早急に対応に当たらなければならない。
河川氾濫、堤防決壊、土砂災害……。全国各地で災害が起こり、農民たちも絶望に陥っている。早急に問題を解決しなければ、農民たちの不平不満が募って反乱が起こったりもする。災害対策は戦争よりも優先度の高い緊急課題と言える。
それでは、次に敵対国となる伊達家の様子を見てみよう。伊達家と接している最前線の城は、那須川城(福島県那須川市)となる。その先にある伊達家の最前線の城は三春城(福島県三春町)だ。このあたりは、大内家も伊達家も北条家から奪ったばかりの城だから、まだ内政が追いついていなくて兵力も少ない。それを考えると、大内家の前線は北条家から攻め取ったばかりの城ばかりで、長く内政に従事した本城の近い伊達家のほうが前線では有利かもしれない。
その前線からすぐ北にある伊達家の本城が、米沢城(山形県米沢市)。早くから奥州を制覇していた伊達家は、他にも山形城(山形県山形市)、利府城(宮城県利府城)など、城兵が1万を超える防御力の高い堅城が多く、しかも城と城の間の距離が長い。いかに兵を途切れなく送り続けられるかが鍵になってくるだろう。
そしてついに、伊達家との同盟関係の期限が終わった。同盟を更新せず、3ヶ月間の停戦期間を過ぎたらもはや敵対関係となる。全面戦争だ。
伊達家との戦いが本格化することを考えて、これまで古河御所だった本拠地を、宇都宮城に移転することにした。これで大内義尊率いる本軍も、伊達家の領地により攻めやすくなるぞ。
同盟終了後3ヶ月が経ち、伊達家との停戦期限が期日となった。ここからは伊達家とは敵同士。やるかやられるか、命を懸けた全面戦争の始まりだ!
【武将名鑑】(21)木下秀吉(きのした ひでよし)
後の羽柴秀吉・豊臣秀吉。農民の出身ながら、その才覚で織田家の中で出世を果たしていき、織田信長の天下布武事業において墨俣城建築、中国攻めなど重責を担う。信長の死後、その権勢を手中に収めて天下を統一。太閤となって位人臣を極め、朝鮮出兵の大事業を行う。
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