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[スイス 子連れ旅行記](2)ライン滝〜ザンクト・ガレン ( 「教育発想源」番外編)

「教育発想源」の番外編としてお届けしている「子連れ旅行記」。子どもを海外旅行に連れて行った時にどんな感じで準備をしたり、現地でどんなことをやったか、子どもは何を学んだっぽいかなどを書き記しています。

「韓国釜山 子連れ旅行記」が好評だったので、今回は今から約7年前に当時6歳の長男と車で回ったスイス旅行の模様をお伝えしています。第1回はこちらから。

「スイス子連れ旅行記」第1回

おかげさまで多くの好評の声をいただいており、嬉しい限り。今回は第2回です。

それでは「スイス 子連れ旅行記」第2回をどうぞー。

■[スイス 子連れ旅行記](2)ライン滝〜ザンクト・ガレン

●今回のスイス旅行メンバー(2017年9月当時)
 ・父(筆者)、6歳長男

成田空港からチューリッヒ空港に着いたものの、チューリッヒ周辺のホテルが全く空いていなかったため、やむなくレンタカーで50kmほど北へ走ったシュタイン・アム・ラインという街で宿泊した我ら。2日目からは全くのノープラン。

せっかくライン川までやってきたのだから、ライン川を象徴する名瀑「ライン滝」(Rheinfall)を見に行くことにしました。

ライン滝へはシュタイン・アム・ラインから車で約30分ほど。北岸と南岸があるのですが、とりあえずGoogleMapで先に出てきた南岸へ行くことに。

南岸からラインの滝を見に行く時は、ラウフェン城というお城を通るのですが、その手前側に道の駅ぐらいの広い無料駐車場があり、車はそこに停めました。公衆トイレや電気自動車用の充電エリアなんかも充実していて停めやすいし、緑も多くて雰囲気がいい駐車場。

駐車場の横にチケット売り場があるので購入し、ラウフェン城に向かいます。左手には福音教会の尖塔が見えてきます。確かこの教会、中に入れた気がする。

福音教会。この道をまっすぐ進みます。

城の入り口に、牛の置き物がありました。横に階段がついているので、上に乗ってもいいものかと。6歳長男はやたらこの牛を気に入って、帰りもここを通った時にひたすら乗っていました。当時はなかったのですが、GoogleMapを見るとこの右側には今は子どもの遊び場が整備されているようなので、さらに子どもが楽しめる場所になっている様子。

長男がひたすら遊んだ、牛の置き物。
ラウフェン城の城門。この先から有料ゾーンになります。

ラウフェン城の中庭までは無料で入れるのですが、ここからライン川へ下りるぞという端の城壁から有料ゾーンになります。ゲートは無人なのでチケットのQRコードをかざして入ります。

眼下にライン川が見えてきました。あっ、ライン滝を水上から見る船の発着場は対岸だ! 後にこちら側南岸にも船着場があることを知るんですが、結局向こうの北岸に寄ってから行く航路なので、船を利用したい人は北岸のほうが便利かも。

ライン川対岸の北岸に船の発着場が見えます。

ちなみにこちら側の南岸はチューリッヒ州で、向こう側の北岸はシャフハウゼン州。このライン川が州境になってるんですね。

轟々と滝の爆音が聴こえてきて、ライン滝はもうすぐそこなのだというのが耳で分かります。長男が張り切って石段を降りていきます。かなり濡れているので、滑らないように注意

滝の轟音が聴こえてきた!

そしてついに見えてきた、ライン滝。音もすごいけど、その荒々しい光景も圧巻。ヨーロッパ最大の水量を誇るライン滝は、高さこそ25mほどしかありませんが、横幅が150mもありとてつもない水量。これでも9月の今はまだ普通で、春の雪解けシーズンの水量は半端ないんだそうです。

めちゃくちゃ豪快な風景のライン滝。

長男も「すげーすげー!」と感動しまくりで、カメラで撮りまくります。手すりの位置が案外高くて、6歳の身長だと親が抱えてあげないとうまく撮れない感じの高さ。カメラも子どもも落ちないように慎重に。

ラインの滝の風景をひたすら写真に収める長男。

この展望台の風景も圧巻ですが、さらに下に降りることができますよ。どんどん滝の水面に近づいていることが分かります。

まだまだ下に行けます。

そして、この近さ。岩肌がくり抜かれた洞窟型の展望台があり、こんなにも間近でライン滝を見ることができます。あまりの轟音に、何を喋っても相手に聴こえない。ここまで豪快な滝に近づけるスポットも、世界を探しても珍しいのではないでしょうか。

岩の中から見るライン滝は、めちゃくちゃ圧巻。

ライン滝はヨーロッパ屈指の名瀑なので、いつも観光客で溢れかえっているそうですが、この日はオフシーズンなのかそれほど多くもなく、どの展望台も広々と撮影をすることができました。こんな滝の目の前の展望台もあります。飲み込まれてしまいそう。

岩の中の展望台は、確かこの右の通路の下あたり。

滝の豪快な水飛沫で虹も浮かび上がります。滝の中央にスイスの旗が立っている岩がありますが、あそこは船から人が降りられるようになっていて展望台が作られています。

ちなみに、有名な詩人のゲーテはこのライン滝がことのほかお気に入りで、分かっているだけでも生涯に4回は訪れており、詩を残しています。

ライン滝の中に虹が架かります。

1ヶ所、ライン川に突き出るように作られている船の形のような展望台があり、滝の上の宙に浮いているような感覚になります。これ建設するの、どれだけ大変だったんだろう。ただここはかなり水飛沫がかかって服がビショビショになります。

ライン側の上に突き出た展望台。

いやあ、子どもと滝に行くのはいいですねえ。小さい子どもには五感で自然を感じるような場所に連れて行くのがいいんですが、滝というのは都会にはない音で水飛沫もあって涼しげで、子供も見ていて飽きないようです。

もう少し西に歩くと、船の発着場がありました。先ほど見えた滝の真ん中の岩に行く船は北岸のシャフハウゼン側から出ていて、このチューリッヒ州側の発着場は対岸に渡るためだけのもののよう。我らはちょうど合う時間の船がなくて対岸に渡るのは断念。次は北岸から行こう。

南岸のチューリッヒ州側の船着場。1時間ごとぐらいに船が出る。

船着場の近くにシュロス・レイファン・アム・レインフォール駅(Schloss Laufen am Rheinfall)があります。数年前にできた駅だそうで、鉄道はここからラウフェン城の下のトンネルを通り、鉄橋を通って北岸へ渡ります。その鉄橋、歩いても渡ることができるんですよ。めちゃ便利。

シュロス・レイファン・アム・レインフォール駅

ラウフェン城にはまた歩いて登らないと帰れないのかなあ、と思っていたら、駅のすぐ隣りにエレベーターがありました。これでラウフェン城前の駐車場へと上り戻ることができますね。

駅からラウフェン城へと戻れるエレベーター。これは便利。


ちなみにエレベーターは広々としていて全面ガラス張り。ライン側の滝壺を上空から眺めることができます。滝へと向かう船も水上に見えますね。また対岸にも鉄道が走っている様子が見えます。

エレベーターの中からの風景。船が小さな木の葉のよう。

ラウフェン城に戻ってきました。滝の轟音を聞いて急いで降ったのでゆっくり見ていませんでしたが、城の周辺にもレストランなどがいろいろあって、のんびりと過ごせそう。

ラウフェン城の中にはレストランが。

ということで、再び駐車場に戻って車に乗り込み、次の地を目指すことにします。高速道路A4号線に入り南下、途中からA1号線に入って、チューリッヒとは逆側の東側へと走ります。つまりスイス一周旅行は時計回りに決定。

高速道路は前回説明したように1年分の前払い制で、既にレンタカー会社が支払ってくれているので利用者は実質無料でラクラク。スイスの高速道路にもサービスエリアやパーキングエリアのようなものはあり、トイレはもちろん、売店やカフェもあります。この時も場所は忘れましたがサービスエリアで休憩しました。

サービスエリアで高速道路を眺めながらアイスクリーム。

次に目指した街は、スイス北東部のザンクト・ガレン州の州都である都市ザンクト・ガレン。世界遺産の修道院があることで知られています。ライン滝からザンクト・ガレンへの道はこちらのGoogleMapで。

目的地はもちろん修道院。ただ修道院のある旧市街地には自家用車で入ることは禁止されている様子。旧市街地の西側に地中に入って停められる地下駐車場を見つけたのでそこで停めることに。場所は上のGoogleMapの終点地をそこにしてますので参考に。

ということで、駐車場から地上に出てザンクト・ガレンの旧市街地へ。とってもメルヘンな街並み! 

ザンクト・ガレン旧市街地。かわいらしい風景。

ガルス広場(GallusPlatz)。ガルスとは7世紀頃に何もなかったこの地に僧房を建てたアイルランドの修道士の名前。多分、広場中央の噴水の上に建っている人がその人かと。ちなみにザンクト・ガレンという名前も「聖ガルス」にちなんでいるそうです。

ガルス広場。とっても気持ちがいい。
この噴水の上の人が修道院ガルスかも。(未確認)

ガルス広場の東側にある大きな建物が修道院なのかなと思ったら、これは修道院の裏側で、修道院附属図書館なんだとか。ザンクト・ガレンは中世ヨーロッパの学問の中心地として発展した都市ですから、ここがまさにその当時の知の中心地だったとも言えます。

でもそれを帰国後に知ったので、GoogleMapを見て「これは中に入ればよかったっ!」とちょっと後悔しました。中の図書館はこんな感じらしいです。

とっても大きな修道院附属図書館。
スイスの水場はどこも絵になりますね。
旧市街地の街並み。お土産店やカフェなどいろいろとあります。

旧市街地を歩いたのはランチタイムを過ぎた頃で、観光客もまばらでしたが、ワイワイとお客の活気があるレストランがあったので、ランチを取ることに。鶏肉のコンフィを。長男もウキウキで食べてました。

旧市街地のレストランでランチ。

開けた広場が見えてきました。クロスタープラッツ(KlosterPlatz)と呼ばれる広場。芝生をぐるりと取り囲む宮殿スタイルの場所で、まさに観光スポットの中心地です。行ってみよう。

旧市街地の中心、クロスタープラッツ。
教会の尖塔を写真で撮りまくる6歳長男

「わー、あれが世界遺産かー!」と、長男が張り切って教会の尖塔の見える建物を撮りまくっていたのですが、手前側の建物がザンクト・ガレン州立公文書館で、尖塔はその向こう側にある教会です。有名な修道院はこの逆側で、振り向くと……

あった、ザンクト・ガレン修道院!

世界的に有名なバロック建築の傑作、あのザンクト・ガレン修道院の大聖堂がここに。修道院全体が1983年に世界遺産に認定されていますが、中でも有名なのがこの大聖堂。写真では伝わりにくいと思いますが、これがめちゃくちゃ大きくて、カメラのフレームに全然収まらない。

長男が必死に撮るも、フレームに収まりきらない……

大聖堂は東を向いているのですが、その向かい側の建物の入口が修道院全体の入口となっています。大聖堂に入る時もここから。で、スイスの旗が立てられているその入口まで下がってみると……

修道院の入口。左がスイスの国旗で、右がザンクト・ガレン州の州旗。

向かい側の建物の入口付近からだとようやく、カメラを縦向きにして大聖堂の全容がフレームに入る感じです。こんな感じ。

修道院大聖堂は予想以上の大きさ!

ザンクト・ガレン修道院の写真は結構目にしたことがあったのですが、ほとんどが大聖堂単体での写真だったので、こんなに大きな建物だとは思っていませんでした。長男もなんとかしてカメラに収めようと頑張ってます。

何としても修道院をカメラに収めたい長男。

ちなみにこの大聖堂自体は18世紀に建てられたものらしく、中世の建築物とは言い難いのですが、ユネスコの世界遺産に登録されたのはやっぱり図書館や美術装飾などの付属の文化遺産をひっくるめた歴史的意義ということのようです。

修道院広場を北から出ると、先ほど長男が世界遺産だと間違って撮影していた教会が。かなり大きい福音教会(Kirche St.Laurenzen)。こちらも中に入ることができ、写真を撮っていませんが中はシンプルながらかなり圧巻の空間でした。

修道院広場の北側、福音教会。

さてさて、世界遺産のザンクト・ガレン修道院も見たし、旧市街地も歩いたし、そろそろ次の街へ行きますか。とその前に、修道院を見る前に長男とものすごーく気になっていた、旧市街地内のショコラティエに寄ってみることにします。ものすごく美味しそうで、後で行こうねと長男と約束していたのです。

修道院附属図書館のすぐ裏にある、美味しそうなショコラティエ。

美味しそうなチョコレートがズラリと並ぶ店内に、カフェも併設されていたので、長男とチョコレート&コーヒータイム。長男はチョコケーキを頼んだのですが、外国人の子どもが珍しいからなのか、お姉さんが試食のチョコを一欠片追加してくれていました。とっても美味しい。長男がスイスについてきたのが「チョコが有名な国だから」という理由だったので、とっても喜んでました。

なんだかすごく美味しそうなチョコレートのお菓子。

チョコレート大好きっ子な私は、ヨーロッパに行ったら、お土産としてショコラティエに行って板状のチョコレートを結構な枚数買うことが多いです。カカオ55%と70%と85%、どれも食べたかったりして。ただこの日は、帰国までまだ日数が多くて溶けたり割れたりしそうなので、泣く泣く諦めました。

さて、朝にシュタイン・アム・ラインのホテルの中で、ウェブから今日宿泊するホテルを予約したのですが、これから泊まるのはなんとリヒテンシュタイン。つまりスイスの外に宿を取ったのです。

とは言っても、リヒテンシュタインの首都ファドーツまでは、高速道路を使えば恐らく1時間もかからないほどの距離。長男は国境を越えるのを見るのが楽しみだとウキウキ。さらに東へと向かいます。


*       *

今回、チョコレートの話が出てきましたが、子連れの旅行やドライブにはお菓子は重要アイテムですよね。動かない時にはお菓子を買って釣ることができるし、うるさい時にはお菓子を与えて黙らせることができます。

ただ、海外旅行においては子どもへのお菓子の釣り方は日本国内よりも注意が必要です。その最大の理由はなんと言っても、海外のお菓子は総じてどれも不味いということ。

やたら甘いだけだったり、やたら固かったりと、子どもが「もう要らない」というようなお菓子ばかり。海外のお菓子のレベルが低いというよりも、日本のお菓子のレベルが高すぎるんですね。

だから、日本国内の子育てお菓子で釣ることを常用している親御さんは、海外に行くとお子さんがかなりうるさくなる、ということを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

うちの子はどうかというと、普段あまり駄菓子を買い与えていないので、駄菓子が欲しいということがあまりありません。私自身がスイーツが好きなので、「今日は特別にオシャレなカフェにケーキ食べに行こうぜー」と、特別感のあるシーンで一緒に楽しみに行く感じ。

だから、海外のスイーツも「お菓子が食べたい」というよりも「海外ではどんな感じなのか知ってみたい」という感じのようです。ザンクト・ガレンで食べているチョコレートも、普通は6歳児が好むようなものじゃないと思うんですよね。でも、海外の雰囲気の中で食べるという特別感が嬉しくて食べているようです。

普段から絵本や図鑑などで「この国では、こんなお菓子があるんだって。どんな味なんだろうねー」などということを親と子がワイワイやっていると、子どもは海外のお菓子も味以外のことに興味を示してくれるようになるのだと、個人的には思います。

まあ、現地のお菓子が不味くても、「不味いねー、面白いねー」と経験の一つとして盛り上がるのが一番いいですね。


ということで、「スイス子連れ旅行記」、好評のようでしたら、第3回へと続きます。

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