推理小説を、推理できた試しがない
古本市に行ったときにタイトル買いした本が、東野圭吾さんのガッツリ推理小説だった。
私は、推理小説に対して「これ、推理小説かもしれないな?」という見立てのアンテナがめちゃくちゃ弱いらしい。そう、友達に言われた。
「今、何読んでるの?」と友達に聞かれて、「東野圭吾の『私が彼を殺した』だよ」と答えた。
「え、そういう推理小説好きなんだ?」
「いや全然。古本市に行って、タイトル買いした本がたまたま推理小説だっただけ」
「いや、タイトルでわかるでしょ」
「そうかな。タイトルだけだと愛憎劇系なのかと思ってた」
「殺す、殺される、殺したい、そういう人の死がタイトルに関わる場合は大抵推理小説に決まってる」
彼女は断言した。
「それから推理小説は、否定が入ってるタイトルも多いよ。例えば、『私はやってない』とか、まさに」
偏見だよ、と言わずにいられなかったけれど、アーチェリーの的でいえば、点数はもらえるぐらいの射程圏内にあるような気はした。
ちょうど昨日読み終わった東野圭吾「私が彼を殺した」は、推理小説好き読者への挑戦状的なシリーズの2弾目らしかった。実は、最後まで読み進めても、真犯人の名前は言及されない。巻末に「推理の手引き」なるものがあって、それももとは袋とじなのだけど、古本だから完全に開いていた。
推理ができない私は、最後まで読んでも「真犯人だれ?」と思ったし、推理の手引きを読んでも「つまり……だれ?」と全然考えられなかった。コナンくん。君はすごいよ。
結局ネットでネタバレを調べて、真犯人がわかってから “ 伏線 ” となっていた部分を読み直して、ようやく「そういうことだったのか~!!」と納得した。
推理小説は特別好きなわけでもないし、謎もまったく解けないし、犯人も当てられないんだけど、でもやっぱり面白いなと思った。
これまで私が読んできた本の中で、「あ~!面白かった!」の爽快感が一番大きくて、ストーリーの緻密さに感動したのは、東野圭吾さんの「白夜行」だ。やはりドラマ化、映画化までする本は面白い。
600ページ以上ある文庫を、1日で読み切ってしまった。そのぐらい、ざくざくと読めるし、ぞくぞくと楽しめる。
推理小説好きじゃない私が勧めるのは弱くて申し訳ないのだけれど、「私が彼を殺した」も、「白夜行」もぜひ読んでみてくださいよ。
”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。