たなべ

株式会社声音でライターしてます | 頑張って毎日note更新中 | ポストカードを集めては部屋の壁に貼り付けてます | #バトンズの学校 1期生 | #企画メシ 2022 |お仕事は natsuho.tanabe@kowane.co.jp まで。

たなべ

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マガジン

  • かく、つなぐ、めぐる。

    • 33本

    『かく、つなぐ、めぐる。』はライター・古賀史健さんが開講したbatons writing college (バトンズの学校)の1期生有志によるマガジンです。「書くこと」を通じて出会った仲間たちと、これからもつながっていける場をつくりたい。そして、古賀さんから受け取った大切なバトンを胸に、この先もみんなで書き続けたい。そんな思いから、私たちはこのマガジンを立ち上げました。毎月、2つのキーワードをもとに、11人の"走者"たちがバトンをつなぎます。記事の更新は3日に1度。書き手それぞれの個性的なエッセイをお楽しみください。

  • 【ショートショート】自分の人生を棚に上げていた

    少し前、自分の人生がうまくいかないとき、他人の話を書いて自分の人生を一旦なかったことにしたいと思う時期がありました。そのときのショートショートを今、自分の人生をなんとなく見つめられるようになった私が公開します。 自分の人生を棚にあげて、人を羨んだり妬んだり、別の人生を創ったり。そういうことをする時期があってもいいと私は思うのです。

最近の記事

  • 固定された記事

私は無印良品の女の子になれなかった

1月末に東京に引っ越してきたとき、確固たる決め事を作っていた。 それは「家に関する全てを無印良品で揃えるぞ」というものだった。 家に関する全てとは、ベットやテーブルといった家具から、カーペット、ベットのシーツ、枕、カーテン、さらにはキッチン用品、整頓用のボックス、スポンジ、シャンプーの容器、歯ブラシ、扇風機、鍋、皿、カトラリー、そういう生活を作る全てのこと。 色は、白かグレーか、ベージュで揃える。森とか花とか、そういう植物の匂いを部屋からさせたい。"清潔さ”をこの部屋で

    • バターがとろけるように、眠りにつく

      今の家に住み始めてもう3年が経つけれど、1年ぶりに湯船にお湯を張る毎日を過ごしている。まさか、こんなにちゃんとお湯を張るとは……と思いながら、蛇口からドーーーッッと湯船に溜まっていくお湯に圧倒される最近。 元来、私はめんどくさがりで、お湯を張るために温度を調整するのもー私の家には追い焚きなどの機能がついてるアレはついていない。「お風呂が沸きました♪」の音は自分の声で補うしかないタイプの賃貸ー湯船に溜まったお湯をちょこちょこ見て水量を調整するのも、お風呂に入った後に洗うのも、

      • 1年の長さに慣れてきた

        20代後半にして、ようやく1年の長さに慣れてきた。 ちょっと前まで、なんというか、1年という時間の長さを掴みきれていなかったように思う。 例えば、これからやってくるクリスマス。小学生から中学生くらいまでは、クリスマスが待ち遠しくて仕方なかった。欲しいものはあるのにお金と、親の了承がないと手に入らな状況は、私を身を簡単に焦がした。そういう制約が無限にあったからこそ、その年のクリスマスが終わった瞬間から来年のクリスマスを待っていた。1年の中で誕生日と並んで唯一、遠慮せずわがま

        • 良い返しじゃなくてもいいから

          私は日々見ているドラマにけっこう、いやかなり影響を受けるし、すぐに感化されるのだけど。 ちょっと前、TVerで坂本裕二さん脚本の「カルテット」が配信されていたときは、「私もこんなふうに、スッと頭を回転させて気の利いた返しをしたい!」と思っていた。それはそれは、強く思っていた。相手に密かに「……おぉっ!」と思わせるような、それでいてユーモアとピリリとした皮肉が混ざっているような。一緒に話していて、もっとこの人と話したいと相手に思わせるような、そんな気の利いた魔法の返しーーをし

        • 固定された記事

        私は無印良品の女の子になれなかった

        マガジン

        • かく、つなぐ、めぐる。
          33本
        • 【ショートショート】自分の人生を棚に上げていた
          18本

        記事

          人はもともと冬眠していたのかもしれない

          いよいよ、冬支度をせねばならぬときがやってきた。今日、外に出たらそう確信した。もう寒い、これは寒い。どう考えたって、シースルーのインナーなんて着れやしない。着てもいいけど、それならちゃんとあったかいアウター付きじゃないと夜は寒くて寒くて、ちょっと不機嫌になってしまう自分がいることに気がついた。調節できるはずの温度で不機嫌になること、それはつまり季節が変わっているということだと私は思っている。暑いなら半袖になればいいし、寒いなら着込めばいい。それが外気温で度を越すともう私の手に

          人はもともと冬眠していたのかもしれない

          ショートショート|はさみ

          ショートショート|はさみ

          同じ部屋に住み続けているのに

          家の中って不思議なもので、ずーっと住んでいるのに、不意に「ここがもっとこうなってたらいいのになあ〜」と思い始めたら、もうその気持ちは止まらない。 朝起きて見てみても「やっぱりこうなってたほうがいいよな……」と起き抜けなのに思うし、昼にお昼ご飯を食べようと仕事机から立ち上がったあとに見ても「あ〜ここをこうしたい……」としみじみ思うし、夜寝る前に限って「絶対こうする以外の道ある!?」なんて思ったりする。ほんの数週間前、数日前にはまったく気になっていないかったし満足していたはずな

          同じ部屋に住み続けているのに

          「走る」の感覚がわかるのは

          ばーっと走っている感覚だけがある。今が何時なのか、朝なのか昼なのか夜なのか、どのくらい走っているのか、どこを目指して走っているのか、私は休憩いているのかどうか、そんなことも考えずにただ、ずーっと走っている感覚だけがある。 実際、ここ数年、もう走ったりなんてしていない。駅から駅の乗り換えに小走りするぐらい。1本だけ前の電車に乗れるように、階段をチョチョチョと競歩ぐらいのペースで走る。いや、あれはほぼ歩いてるか。早歩きよりもちょっとだけ早いペースで。 それなのに、感覚的には走

          「走る」の感覚がわかるのは

          簡単なことと、難しいこと

          目を閉じで見なくするのも、耳を塞いで聞こえなくするのも、閉じこもって交信しなくなるのも、どれも簡単だ。 なんかね、人間(主語大きいけど)、そこが不思議だなって思う。 こう、周りの人と関係を築くために繋がったり、関係を維持したりするのはむちゃくちゃ大変じゃん。労力いるし、慣れないと苦痛なこともあるし。しかも、それをまだ世界にもそれほど慣れていない幼少期の間にしないといけなくて。大人になると友達が減るとか言われるし。友達は若い頃の積み立てだから、若いうちにいっぱい繋がって作っ

          簡単なことと、難しいこと

          仕事が好きだし楽しいけれど

          私はいま、自分が自信を持って好きなことを仕事にしているから、私のSNSなどを見て「仕事楽しそうだよね」と言われたときに、臆することなく「はい! 楽しいです!」と言い切れる。文字通り、言い切れる。 楽しい=辛いことがない、というわけではまったくないし、楽しい=しんどくない、というわけでもない。むしろ、仕事だから辛いときもあるし、しんどいときだってある。でも、そのどれもが結局は「あ〜この仕事が好きだ!」という気持ちに集約されて小さくなる。これが、私自身にとってはけっこう稀なこと

          仕事が好きだし楽しいけれど

          子どもは、大人よりもずっと逃げ道がない

          以前、参加した書籍イベントで言っていたことを、不意に思い出す。その書籍イベントは、簡単に言ってしまうと「自分は自分。そのことをしっかり守れるようにしましょうね」という内容だった。書籍もそうなのだけれど、大人向けというよりは、逃げ道の少ない中高生に向けられた本だから、そういった内容のイベントだった。著者の方と近しい本を書かれた方、2人のトークイベントで、この話を高校生の私に聞かせてあげたいなと思っていた。 この言葉は書籍の中にも登場し、トークイベントでも繰り返し話された。

          子どもは、大人よりもずっと逃げ道がない

          カーテンを閉めた、真っ暗な部屋で寝ている

          人に言われて、ここ最近はカーテンをちゃんと閉めて寝ている。それを別の人に話したら、「え!? ふつうすぎるよ!」と言われた。直感的に、「むっ! あなたの普通の私の普通は違うので、そのことをご理解くださいね!?」という言葉が浮かんだけれど、そんな脳みそ直送言葉を出すほど私は子どもではない。瞬間的にそうは思ったものの、「え〜そうなの〜」とヘラヘラと笑ってやった。そう、私の方からヘラヘラと笑ってやったのだ。相手は何も知らず、「そうだよ! ふつうはカーテン閉めて寝るのが当たり前だよ!」

          カーテンを閉めた、真っ暗な部屋で寝ている

          ぬくぬくした部屋で過ごす、丁寧な休日

          トポンと紅茶のティーバッグをお湯の入ったカップに落とすと、じわ~と紅茶が溶け出していく。それを見て、血を思い出す。 先日、包丁で手を薄く切った。野菜を洗ったときに「いたっ!」と思って見たら、人差し指が切れていた。どこで切ったのか、いつ切ったのか思い出せないけれど、確かに私の人差し指からは血が出ていた。不意にだったとしても、自分を切ってしまったことになんか気持ちがモヤッとする。ぷく~っとできる血のカマクラを見て、マグマみたいだと思った。 ハッとして慌てて絆創膏を準備する。中

          ぬくぬくした部屋で過ごす、丁寧な休日

          いちご加工品が苦手だった

          昔からなぜか、いちご加工品が苦手だった。いちご加工品というのは、たとえば、いちご味のチョコとか。いちごアイスとか、いちごミルクとか、いちごのクリームとか。いちごジャムも、いちご加工品に該当する。こういう、いちご味の〇〇がなぜか苦手だった。なんだろう。不味いわけじゃないけど、美味しいとも思えないのだよね。だから、いちごは絶対的に生の、もぎとったタイプのいちごが好きだった。 だがしかし。春になると、世の中にはこうしたいちご加工品が溢れかえる。確かに、いちごって旬のフルーツだから

          いちご加工品が苦手だった

          実は、SNSからでしか得られない栄養がある

          SNSを見てるとさ、「あ〜……見なきゃよかった」って思うことない? それは、SNSを見てて時間を無駄にしたという意味ではなく、見たくなかった投稿や見れば傷つくとわかっているのにわざと見に行ってしまったときの感想として。 今の私の「あ〜……見なきゃよかった」は、そうではないけれど、たとえばわかりやすいのが元恋人の投稿とか。今の恋人とニコニコ笑う姿をストーリーなり投稿なりで見て、すると実はそれが沼の入り口なんですよね。気がつくと過去のストーリーを見れるハイライトを全部見切ってし

          実は、SNSからでしか得られない栄養がある

          「さくらんぼ」といえば

          私が「さくらんぼ」と聞いたら一番最初に想像するのは、これだ。果物のさくらんぼじゃなくて、大塚愛さんのさくらんぼ。それぐらい、この曲は大大流行していたと記憶している。 2つの実がくっついていることをこんなふうに歌うって、当時の私はぶっちゃけ「それ、私でも思いつきましたわ!」と思っていた。 このへんのベタな感じも、より「私でも思いつけましたわ!」をより加速させた。信じられないぐらい傲慢な小学生だ。 ただ、今ちょっと調べてみたら、この曲はなんと20年以上前、2003年に大塚愛

          「さくらんぼ」といえば