こちらの方でよろしかったでしょうか?
こんにちは。Wild Lady, be ambitiousです。
今日は私が常々気になっていることを綴っていきたいと思います。
それは「正しい日本語」についてです。
追々触れるつもりでおりますが、私は元ホテルマンです。
ホテル専門学校では言葉遣いについて叩き込まれました。
ホテル勤務時代は正しい敬語を使っていたという自負がありますが、最近は自信がありません。というのも、「言葉」というものは何度も聞いているうちに自然と覚えてしまうという性質を持っているからです。
字が読めない赤ちゃんが言葉を習得するのも同じ原理ですね。
以前、勤務先で新入社員の教育を担っていたことがあります。電話応対の指導もしていました。その際特に気になっていた所謂「若者言葉」があります。
「全然大丈夫です!」というものです。
「全然」というのは「全く」という否定なので、その後に「大丈夫」という肯定が続くのはおかしいのです。
ある 小生意気な 自信に満ち溢れた新入社員がよく
「全然大丈夫ですぅ。」
と口にする度、こめかみが引きつるのを抑えつつ 口を酸っぱく注意していたものです。
その他に気になっていたのが、「~の方」と「よろしかったでしょうか?」です。
「~の方」というのは、元々は詐欺師が使っていた言葉なのに…。
「消防署の方(ほう)から来ました。」と突然訪問し、消火器を売りつける手口です。
「◯◯消防署から来た。」とは言っていないので嘘はついていないのです。あちこちに消防署はありますから、「消防署の方(方角)から来ました。」は嘘にはならないということなんですね。
昨今、丁寧に伝えているつもりなのでしょうが、やたら「~の方」を多用する人を目にします。
先日、子供の学校の保護者会で担当の先生が、何度も「~の方」「~の方」と連呼するので、野鳥の会の皆さんが使っているカチカチするアレを持ってきてカウントすれば良かったと思いました。
わりと「~の方」とセットで誤用されるのが「よろしかったでしょうか?」です。
携帯電話の機種変更をする際、最終確認の時などにも「こちらの方でよろしかったでしょうか?」という表現を耳にします。
小生意気な 新入社員の話に戻しますが、何度注意しても直りません。その結果、何が起きたかというと…他のスタッフにも伝染したのです。
何度も何度も聞いている言葉は、初めは間違っていると認識していても、聞き続けるうちに自然と自分の口からも出てきてしまうのです。言葉って怖いですね~。恐ろしいですね~。
「全然大丈夫です。」に関して、もうひとつ。先日テレビでインタビューを見ていたら、「全然大丈夫です!」という返答に対してインタビュアーである某テレビ局の女性アナウンサーが「全然問題ないということですね。」とさりげなく言い直したのは流石だなと感心しました。
まだまだ書きたいことがあるのですが、長くなったので続きはまた次回。
言葉はある時は「ふかふかな布団」にもなりますが、「心に突き刺さる鋭利な刃物」にもなりうるものです。私も気を付けながら発信していきたいと思います。それではまた。