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文字で彩るwebtoon

皆さまこんにちは、フーモアの藤田です。
少しずつ暖かい日が増えてきて、春の訪れを感じる日が増えてきましたね。
そして、同時に花粉も…。
最近の藤田はコロナの後遺症と花粉症のダブルパンチで、味覚と嗅覚が鈍い日々を過ごしています。
桜が咲くころには、食事が楽しめるくらい万全の体調に復帰できたらなと思います!
皆さまも季節の変わり目は特にご自愛いただき、元気に春をお迎えください!


さて、今回のテーマはwebtoonの写植についてです。
「写植」って何?という方もいらっしゃるかもしれないので、まずは簡単に説明させていただければと思います。


写植とは?

一言でいうと、写植とは【漫画制作における文字入れ作業】です。

webtoonをはじめとする漫画では、2種類の文字が使用されています。
・描き文字
・描き文字以外の文字


描き文字は、作家さんが描いた状態で完成している文字です。
オノマトペなどで使用されることが多いです。
自由に形を決められるため、演出の自由度がより高いのが特徴です。


描き文字でない、テキスト入力の文字です。
フキダシの中の文字、ナレーション等漫画に登場する文字の
過半数を占めています。

この描き文字でないテキスト文字を入力する作業を、【写植】と呼びます。かつての出版物では手作業で写植が行われていましたが、現在はデジタル化されています。
フーモアでは、CLIP STUDIOのテキストツールを使用して写植を行っています。


フォントの使い分け実例

実は多くの作品で、1作品の中に2つ以上のフォントが使用されています。
中には、たくさんのフォントを使用している作品もあります。
以降は実例を挙げながら、フォントの使い分けを紹介させていただきます!


・セリフの種類別

1番基本となる使い分けです。
登場人物のセリフとそれ以外(ナレーション、モノローグ)でフォントを使い分けています。


・キャラクター別

こちらの作品では、人物と魔族でフォントを使い分けています。
複数のキャラクターが登場するコマでも、誰のセリフなのか一目で分かりますね!


・心情/シチュエーション別

ケガをしているシチュエーションとキャラクターの心情に合わせ、弱々しいイメージのフォントが入っています。
不規則に曲がった線が、か細い声や元気のない様子にマッチしています!


シチュエーション、心情でフォントを使い分ける際は、作品の展開やイラストに合うフォントを選ぶことを意識しています。

試しに、先程のセリフ「あっ イテテテ~」に色々なフォントを使用してみました。
同じセリフでも、フォントによってガラリとイメージが変わりますね!
【仮病で本当は痛くない】というようなギャグシーンや、ぶりっこをしているようなシチュエーションでしたら、中央のフォントでも面白いかもしれません。


こだわりの写植演出

今回説明させていただいたフォントの使い分けに加え、仕上げ工程で演出を入れることで、より印象的・リッチな仕上がりにすることが可能です。
以降は、フーモア作品からいくつか印象的な写植演出を紹介させていただきます!

厳かなシーンのため、ポップなイメージにならないよう明朝体を使用しました。
テキストの色、フキダシの周りに色を入れることで、画面内での存在感を強めています。
色は、【Sランク】という作中で最も高ランクの称号のイメージでゴールドを入れました。
存在感を強めながらもコマ全体の統一感を損なわないよう、ゴールドの中でも主人公の瞳の色に近い色を選択しました。



禍々しいオーラを放つキャラクターに合わせ、フキダシにもオーラを追加しました。
また通常の【白地のフキダシ+黒文字】の配色を反転することで、より怪しい雰囲気を強調しています。
文字はオーラと同じ色で発光処理を行い、印象を強めました。



ソーシャルゲームのガチャ演出をイメージした演出を入れました。
UR(ウルトラレア)の召喚は虹色の演出、という指定がシナリオであったため、文字色に虹色を使用しております。
色数が多い分、視認性が下がらないようフォントはシンプルなものを使用し、テキストサイズを大きくすることでインパクトを出しました。


まとめ

最後に、弊社作品の中でも特に写植にこだわっているタイトルをいくつか紹介させていただきます!


いかがでしたでしょうか?漫画を構成する「イラスト」と「文字」、今回はその後者にスポットライトを当ててお話させていただきました。
文字にもこだわりが詰まっているので、イラストと合わせて隅々まで楽しんでいただけたら嬉しいです!


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