分析4

SONY vs 任天堂、ゲーム業界を牽引し続ける両雄の10年分の会計データを並べてみたら面白いグラフが出来上がった

執行役員のたさかです。
「元監査法人出身者が独自の視点で斬る!ポップカルチャー業界の財務分析レポート」という大それたタイトルでやらせていただきます!


東京生まれ、香港、東京、沖縄育ち、Perfumeを愛するオーバーサーティです。
新卒であずさ監査法人に入所、いわゆる国際部で大手クライアントの監査に従事
6年半の監査法人勤務を経て、2018年8月に意を決してベンチャーの世界に飛び込む

このパートでは、「会計」をテーマにポップカルチャー(*1)業界のアレコレを考察していきます。
(*1)アニメ、ゲーム、漫画、等々。エンタメというとスポーツイベントも含むので広すぎるかなと。

「会計」って?

さて、突然ですが、「会計」ってなんであるんでしょうか?
・お金を管理するため?
・記録を取って後で振り返ってみるため?

どれも正解だと思いますが、今回は「他社と比べるため」にフォーカスして話をしたいと思います。

ところで、社長は自分の会社をよく見せようと思うものです。
A社の社長も、B社の社長も「うちの会社は最高だよ!!儲かっているよ!!」とどんなに叫んでも、
聞いてる方としては、どっちの会社が良い会社なのかわかりません。

そこで、会計の出番です。
会計は、一言で言うと、ルールです。
同じルールにしたがって評価されたものは信じれますよね。

A社とB社を会計という同じルールに当てはめてみると、どっちの会社が儲かっているか、成長しそうか、をちゃんと比べられるわけです。

前置きはこの辺にして、
今回は会計というルールの「売上」を使って、SONYと任天堂を比べてみます!!

「売上」というのは、その会社がどれだけ稼いだか、を表すのですが、言い換えると「会社の規模」を表すことになります。

試しに、2017年3月のSONYと任天堂の「売上」を見てみましょう!


なんと、SONYの売上が任天堂の3倍近くあります!!
「え、、、?ゲーム業界では、SONYと任天堂は同じくらい有名じゃん?」
と思う人も多いでしょう!
実は「有名」と「会社の規模」は意外と関係なかったりします。

ただ、今回はさらにこの「売上」を10年分並べてみよう!ということなのです!
企業は生き物なので、一時点で見てもその本質は掴めなかったりします。
なので、とりあえず数年分くらい並べてみようよと!


10年分の売上を並べた結果が下のグラフです。

10年分並べてみるといろいろ見えてきますね。

総評


10年前は、任天堂の圧勝。
2年前は、SONYの圧勝。
現在は、SONYが上回っているけど、任天堂の勢いもすごい

では、そのとき何があったのか?


10年前、任天堂は「ニンテンドーDS」と「Wii」が飛ぶように売れていました。
この恩恵をあずかり、ぐいぐい売上が伸びていたわけです。
その当時のSONYはというと、主力のプレイステーションが苦しい状況でした。
一人勝ち状態の任天堂はSONYを大きく上回っていたのです。

その後、リーマンショックや東日本大震災など、マクロ的な影響もあり、両社とも苦しい数年間が続きます。

現在、SONYは、「プレイステーション4」だけでなく、月額制サービスの「プレイステーション プラス」のサービス加入者が増加傾向にあり、売上はゲーム事業だけで2兆円を突破しています。
これは、音楽や金融も手掛ける総合型大企業SONYの売上の1/4を占めます。
任天堂は、長く苦しい10年間を乗り切り、「ニンテンドースイッチ」がまた大ヒットしたことで、2018年には前年に比べて倍以上の成長を遂げています。10年前の規模を取り戻しつつありますね。

感想


このように、ゲーム業界で誰しもが知る大企業でさえ、苦しいときは必ずあるし、
ちゃんとそれを乗り越え、新たな成長の糧にしていることが見て取れます。
両社とも素晴らしいプロダクトがあるからこそ、何度でも立ち上がって成長し続けているのだなと。


まとめます。


・会計はルール。ルールに当てはめられてるからこそ、「比べる」ことができる
・SONYも任天堂もとっても有名だけど、「売上」とは関係ないことも
・ゲーム業界は変化が激しい。一発あたればいきなり会社が大きくなるし、その逆も。。
会社は生き物。人間と同じで苦しい時もあれば楽なときもあります。

次回以降はもっと掘り下げた話をしていけたらと思うので、お楽しみに!!!

#ポップカルチャー #会計 #分析 #SONY #任天堂 #ゲーム #ゲーム業界 #監査法人


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