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2024.11.7 『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んで
初版2006年発行と、まぁまぁ前の本なのですが、結構衝撃を受けたので感想を綴ります。ユタ州に拠点を置く研究所、アービンジャー・インスティチュート著で大和書房から出ています。表紙が、目の覚めるような==
タイトルだけ読むと、何の本だろうと思うと思いますが、副題は
人間関係のパターンを変えれば、うまくいく!
であり、原題は
LEADERSHIP AND SELF-DECEPTION
GETTING OUT OF THE BOX
なので、人間関係とかリーダーシップの本だな、ということがわかります。話がストーリー仕立てで進んでいくので読みやすい自己啓発本という感じです。
「えてして、問題がある人物自身には、自分に問題があるということが見えなくなっている。組織が抱えているさまざまな問題の中でも、これはまっともありふれていて、もっともダメージの大きい問題なんだ」
バドは椅子の背に手をおいて、椅子に寄りかかった。
「自己欺瞞、あるいは箱。これこそが大問題なんだ」
この本では、自己欺瞞=箱と呼んでいます。自己欺瞞って何?とAIに投げかけたところ、以下の定義がされていました。
自己欺瞞とは、自分の良心や本心に反していることを知りながら、自分に対して無理に正当化したり、無意識に自分自身の本心をあざむいてしまったりすること。
つまり、自分を裏切っていることを箱の中にいる、とこの本では表現されています。
日常のシーンでいえば、たとえば電車で杖をついてる人が目の前に立っているときに、本当は譲るべきとわかっているのに眠ったふりをして席を譲らない、というようなこと。
職場の場合。代案もなくネガティブなことばかり言ってほかのメンバーに悪影響を及ぼしている、そのことに気づいていながら自分の言動を変えられない、とかも当てはまるでしょうか。
自分が箱の中にいる時には、他の人も箱に引き摺り込んでしまうことがある、と本著では書かれています。意識的か無意識的かに関わらず、そんな作用がある、と。
もし、自分の身近なリーダーが箱の中にいる人だったら?もし、自分が、無意識下に箱の中にいるとしたら?その可能性に気づけたことが、この本を読んだ1番の良い気づきだったように思います。まずは現状分析しないと俯瞰して自分を見れないと、次に進めません。
反対意見を持ちながらそれを押し殺して発言を控え、心の中ではモヤモヤしているままの時、自分は箱の中にいる状態なのだと思います。会社員として、母として、妻として、思い当たることは多々あります。
箱の中にいるリーダーが、会社にどれほどのダメージを与えるかは、わかったことと思う。なにしろ、周りの人をいとも簡単に箱の中に逆戻りさせられるんだから。
ということは、そういったリーダーになってはならない、ということだ。それが、リーダーとしての義務なんだ。こちらが箱の中にいる限り、仮に周りの人々が君に従ったとしても、それは単に力に屈して、あるいは力を恐れて従っているだけなんだ。そんなものは統率力なんかじゃない。ただの威圧だ。みんなが進んで従いたいと思うのは、箱の外に出ているリーダーなんだ。
前職で私が率いていたチームは、私のことをどう思っていたのでしょうか。私はこれから、箱の外に出ているリーダーになれるのでしょうか。それは自分の行動次第。マザーテレサの有名な言葉にも、ありますね。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
普段どんな思考をして、どんな行動を取るのかで、自分というものが形成されていくのだなと思うと、職場だからとか、外だからとか、そういう境目なく、自分への裏切りを極力せずに日々送りたいものです。相手のことを「夫」「親」「子」「同僚」「先輩」「後輩」という形としてみるのではなく、一人の人間として見れたら、自分も箱の外にいられる、ということにもなるのかなと思いました。
最後に、この本を学びデザインの荒木博行さんが秀逸に紹介しているのでそのリンクを貼っておきます。目の覚めるような黄緑の表紙でしょう?(笑)