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そりゃ、プロに訊け!

1月に入ってから、散歩が続いている(珍しい!)
今日の目的は米を買う事。それほどこだわりがある訳ではないが、大量に買っても米を毎日食べる訳ではないから、少量を精米してくれるこの店にやってくる。

この店にはお米マイスターがいる。
彼女はこの会社の社長でありマイスターで、私のぼんやりとした希望をいつも叶えてくれる。

彼女「いつも食べられているお米は何ですか?」
私 「地元のこしひかりですかね」
彼女「あぁ、じゃぁ甘くて粘りが強いものがお好きですかね」
私 「あのお米は甘くて粘りがあるのか」
彼女「ではこちらは、いつも食べられているお米に近い品種で〇〇で作られています。これは全く違う個性ですが、粒が本当にぷりっぷりっで大きいのですよ」
と、その品種の特性やどんな人が、どこで作っているのかというストーリーを本当に良く知っていて、米を買う本来の目的を忘れて「じゃぁ、これは?」なんてどんどん話が聴きたくない様な、コミュニケーションの達人なのである。

そして、たった数キロ、しかも何か月に1度しか来ない様なほぼ一見さんの様な私にまで、出口まで見送り腰を半分におり
「どうも、有難うございました」と毎回、丁寧にあいさつをされるのだ。
本当に見事だからこそ、また来てしまう。

そんな気分のよい帰り道(いや、散歩中か)、いつものコンビニの前にテントが立っていてその軒下に玉ねぎや、ジャガイモがぶら下がっているのが見えた。?八百屋さん?

中には一人のおにいさんがいて、周りに「北海道 じゃがいも100円」とか「京ニンジン 100円」とか書いてある。どうもLine登録しているとお得になるらしい。イマドキだな、と思いながら野菜の入っている箱をのぞく。

無類のさつまいも好きの私が、二つの同じ品種のさつまいもを(大をひとつか、小を3つか)と迷っていると、気が付いたお兄さんがすかさず
彼「さつまいもはねぇ、保存設備によって全然味が、甘味が変わってくるんだよぉ。やっぱり、茨城、千葉、四国あたりはいいね。こっちは、設備がねぇ。」
私「え?同じ紅あずまなのに?」
彼「そう。品種が同じでもね」
私「やっぱり、プロに訊かないと判らないねぇ」

調子に乗った私は、
私「お兄さん、この袋のリンゴと1個売りのリンゴはどっちが美味しいの?」
彼「今は、断然こっちがシャキシャキして美味しいよ。こっちはねぇ、出てくるのが早いけど、いまだとちょっと柔らかくなっちゃうんだよ」
私「じゃぁ、この中でどれがいい?」
彼「軸の所が、こんな風になっているのが蜜があっておいしんだよ。蜜がある分持ちがよくないけど、蜜があると軸の所が割れたりしてね」

なんて具合。
いやぁ、本当にプロだなぁ。
で、お兄さんの勧めてくれたリンゴは本当に甘くてシャキシャキ!美味い!
あいやぁ~、リンゴ丸ごと食べちゃったじゃ~ん!!



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