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4年後の景色を楽しみに

ー日本代表、ベスト8進出ならず

サッカーW杯カタール大会。日本サッカー界史上初のW杯ベスト8進出を賭けた日本代表のクロアチア代表戦。日本は延長戦、PK戦の末、惜しくも敗れた。優勝候補のドイツ代表、スペイン代表を破り、勢いに乗っていただけに実に残念だ。とはいえ、日本のサッカーが世界にある程度通用すると知れたのは、サッカーファンとして嬉しい。まずはご苦労さまと言いたい。そして、カナダ、メキシコ、米国で開かれる次の大会(2026年)は悲願のベスト8以上を成し遂げてもらいたい。これからも変わらず応援する。

連載「サッカーW杯カタール大会」シリーズ:「『新しい景色』」「『ドーハの奇跡』再びー日本代表、スペイン代表を撃破」「日本代表、手痛い黒星」「ケガ人続出に三方痛し」「日本が勝利で得たもの」「強国倒して"台風の目"にー日本代表、きょう初陣」「大波乱に膨らむ期待」「強豪国登場に興奮」「開会式と開幕戦に驚き

日本代表を称う

スペインのビッグクラブ、レアル・マドリードに在籍するスター、ルカ・モドリッチを擁するクロアチアと互角に渡り合ったのは素晴らしい。ドイツ、スペインと戦ったときと同じように、自陣に押し込まれる時間が長かったが、失点しても逆転するという期待感があった。そんなわけだから、見ていて楽しくないわけがない。

今大会の代表チームは、前半は堅守、後半に一気に攻めに転じる戦法を取った。負けると社会全体からやいのやいのと批判されるので、代表チームは先行・逃げ切り型がオーソドックスと言える。ところが、このチームは差し・追い込み型。このスタイルで2度のジャイアントキリングを果たした監督、森保一の勇気と選手のパフォーマンスを心から讃えたい。

ねじれた評価

こうした森保ジャパンの結果を受け、日本サッカー協会は森保に2年契約の監督継続をオファーする見通しだ。これに多くの国内ファンが噛みついている。インターネットでは、これまで4年間の戦いを踏まえ、選手個々の能力頼みで無策やら、選手交代のタイミングが遅く無能やら、そんな書き込みが相次ぐ。ベスト16止まりと言え、一定の結果を残した森保は気の毒だ。

これに対し、海外メディアの森保評価はすこぶる高い。「ここまでのところ、大会の最優秀監督だ」(米ジ・アスレティック)、「逆転の王様」(英BBC)などと絶賛する言葉が並ぶ。米ESPNのサッカー専門アカウント、ESPN・FCは「日本は2つのW杯優勝経験チームを破り、クロアチアをPK戦に追い込んだ。大いに誇っても良い」とツイートしたそうだ。

ネットメディアのスポニチアネックスによると、「PK戦によって勝者と敗者を決めるのは酷だが、日本代表はきっと母国の人を誇らしい気分にさせただろう」といった海外メディア・ジャーナリストのコメントを紹介。国内と海外で評価がねじれていて興味深い。ネット上では、必ずしも"母国の人"が誇らしい気分になっているわけではないところが垣間見えて皮肉だ。

長いようで短い

「みんなが新しい景色、最高の景色を目指していけば必ず歴史が変わる」ー。クロアチア戦終了後、森保は代表メンバーに向かってこう叫んだ。ドイツ、スペインに勝つのは難しいとの評価が支配的な中で、実際にそれを覆したのだから説得力がある。すでに次回のW杯に向けた戦いは始まっている。今大会で見いだした自信と可能性を受け継ぎ、ベスト8以上の成績を収める代表チームの姿が早く見たい。

次のW杯が楽しみだ。4年は長いようで短い。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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りす=ハードボイルド
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