そうは問屋が卸さない
ーわが家の冤罪事件簿(5)
奥さんの味噌作りを滞らせた原因は、ガス会社がガスを止めたことだと分かり、疑いをかけられていたガスコンロは無罪放免。これで、この件は大団円を迎えたと思いきや、そうは問屋が卸さない。困ったことに、奥さんは行く先を失った怒りの鉾先をこちらに向けてきた。他方、今回の件を通じて得た"収穫"は大きい。この先の生活に活かしたい。
つゆ知らず
ガス会社の監視センターに事前の断りなく、ガスを1時間以上使うと供給を止められる。止める前に、ガス会社が登録してある電話番号に連絡するー。この仕組みを知ったのは、今回の件を通じて得た最大の収穫と言える。
これまでつゆ知らず。今後、ガス機器が止まった場合、原因究明の参考になる。それにしても、飲食ビジネスに携わっていない一般の人のうち、この仕組みを知っている人がどれほどいるのだろうか。そう問いたくなる。
初めて知ったと奥さんにラインで伝えると、「こっちも知らんよ」とキレ気味の返信。ピロンと鳴る可愛らしい音色とのギャップが凄い。スマートフォンを自宅に忘れ、ガス会社の連絡に気付かなかったことを責めている。
くわばらくわらばら
夫婦揃って仕組みを知らなかったのだから、今回の件を大切な教訓とし、この先の生活に活かせば良い。そう思うのだが、奥さんはどうにも収まらない。振り上げた拳の降ろし方が分からないのだろう。その後、奥さんは味噌作りを再開したらしい。夜遅くなってようやく機嫌が治る。
くわばらくわばら。今日も平和だ。(終わり)
関連リンク:
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!