ポンコツナビゲーター
ーオレとアチキの西方漫遊記(13)
やむを得ない判断とはいえ、にこ淵(高知県いの町)で泳げず、個人的にどこか不完全燃焼の感もあったが、奥さんに満足している様子が伺え、救われる。にこ淵を眺めていると、観光バスが到着したのか、観光客の一団がこの淵に向かう坂道をどっと下ってきたので、それを合図にこの場を離れることにした。次の目的地は安居渓谷(同仁淀川町)にある水晶淵。「仁淀ブルー」で必ず名前が挙がる景勝地の一つだ。にこ淵から1時間程度の距離。ところが、最寄りの駐車場に到着したのは、出発してから約2時間後だった。
前回のお話:「トレードオフに打開策を」/これまでのお話:「INDEX」
定番
ロールプレイングゲーム(RPG)に例えるならば、奥さんの職業は「ポンコツナビゲーター」だろう。愛車はカーナビゲーションを付けておらず、グーグルマップなどスマートフォンのアプリケーションで代用している状況で、助手席に乗る人がとても大切な役割を果たすはずなのだが、奥さんはかなりの確率でミスリードする。
一番多いのが、曲がるはずの角を通り過ぎてしまうケース。「あれ?今の分かれ道を右だったかも」「マジか!?もっと早く教えてくれよ」という会話が定番のやり取り。水晶淵への到着が1時間遅れたのも、このパターンだ。RPGでは、経験値が増えるのに伴い、キャラクターの職業特性に沿って成長する。奥さんに早く"スーパーナビゲーター"に育ってもらいたいものだ。
ほかにも気付かないうちに、奥さんが助手席で夢の中にいるケースもある。その数はすでに両手・両足では数え切れない。「そろそろ、左に曲がるんじゃないか?」と尋ねても返事なく、チラッと目を向けると、船を漕いでいたり、口を開けて無防備な姿を晒したりしている。こんなときは、仕方なく路肩に停車して道を確認し、あらためてクルマをスタートさせるのが常だ。
罰則強化
12月1日に、スマホを操作するなどしながらクルマを運転する「ながら運転」の罰則が強化された。反則金や交通違反の点数が引き上げるほか、事故を起こした場合、一発で免停処分の可能性もある。
これまで運転中は、ほぼスマホを見ていない。だが、スマホをカーナビ代わりに使っているため、今後うっかり取ってしまうかもしれない。交通事故防止に一定の効果がある措置とは思うが、なかなか手厳しい。
カーナビを買うにしても、欲しいものがたくさんある中で、この出費は"痛恨の一撃"に等しい。奥さんがポンコツナビゲーターを卒業してくれれば、それが一番の解決策と言えるが、果たしてどうなるか。
まずはジョブ(職業)チェンジされないように努めよう。(続く)
(写真〈上から順に〉:「仁淀ブルー」で必ず名前が挙がる安居渓谷=りす、キャラクターの職業特性に沿って成長するのがRPGのお約束=ドラゴンクエスト 攻略の虎)
関連リンク(前回の話):
「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:
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