仙結節靭帯の役割と繋がりと緩める必要性について

仙結節靭帯の解剖学と機能解剖学

仙結節靭帯は、骨盤の後部に位置し、仙骨(尾骨近くの三角形の骨)と坐骨結節(骨盤の底部の骨)をつなぐ強靭な靭帯です。この靭帯は、仙骨と坐骨結節を繋ぐことで、骨盤の安定性を保つ重要な役割を果たしています。また、仙骨と坐骨の間にある坐骨大孔(坐骨神経が通る空間)を形成し、神経や血管の通り道をサポートしています。

仙結節靭帯は、骨盤の安定化だけでなく、体幹と下肢の連動や姿勢制御にも重要です。
例えば、体が前傾すると仙骨が前方に移動しようとしますが、仙結節靭帯がそれを制限し、
骨盤が過度に傾かないようにしています。
(=仙骨のニューテーションを制動する)

これにより、歩行やスポーツ動作でのバランスが保たれます。

繋がりのある筋肉との関係性

仙結節靭帯は、骨盤の安定化に関連する筋肉と密接な関係があります。

1. 大臀筋
大臀筋は骨盤と大腿骨をつなぐ大きな筋肉で、股関節の伸展や外旋に関与します。仙結節靭帯が安定することで、大臀筋は効率よく力を発揮でき、骨盤の安定を補助します。
2. ハムストリングス
ハムストリングス(特に大腿二頭筋の長頭)は坐骨結節から始まり、大腿骨を経て膝関節にかけて伸びています。仙結節靭帯がしっかりしていると、ハムストリングスが効率的に骨盤を引き上げるサポートができ、体幹と下肢の連動がスムーズに行われます。
3. 梨状筋
梨状筋は仙骨から大腿骨にかけて伸びる小さな筋肉で、坐骨神経に近い位置にあります。この筋肉が緊張すると、仙結節靭帯も影響を受け、坐骨神経が圧迫されるリスクが高まります。

また、多裂筋とのつながりもあると言われています。

仙結節靭帯を緩める必要性

仙結節靭帯は体の安定性に重要な役割を果たしていますが、必要に応じて適度に緩めることが求められる場合もあります。

1. 腰痛や坐骨神経痛の緩和
仙結節靭帯が硬くなりすぎると、骨盤周りの動きが制限され、姿勢が悪化し腰痛や坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。靭帯を緩めることで骨盤の可動域が広がり、症状が軽減する場合があります。
2. 柔軟性と動作の改善
仙結節靭帯が硬いと、骨盤の傾きが制限され、日常生活や運動中の動作がぎこちなくなります。靭帯を緩めることで、下半身と体幹の連動が改善され、動作がスムーズになるため、運動パフォーマンスが向上します。
3. 緊張の解消
長時間の座位や不良姿勢により仙結節靭帯に負荷がかかり、周囲の筋肉が緊張しやすくなります。靭帯を適度に緩めることで、骨盤周りの緊張を和らげ、筋肉の柔軟性が向上し、リラックス効果が期待できます。

まとめると、仙結節靭帯は骨盤の安定性に不可欠ですが、状況によっては適度に緩めることが健康や運動機能の向上に繋がります。

仙結節靭帯を緩めると骨盤の余分な緊張が緩和されるため緊張の強いタイプには有効となる可能性があります。

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