90年代は1970年代のリメイク(ネオ70年代)
流行やヒット商品には「24年周期」または「20年周期」があるとも言われる。流行はピークを過ぎると次第にダサくなるが、ダサさを極めて誰も見向きもしない状態がしばらく続くと、再び新鮮さを持ち始めるというもの。そのサイクルがおよそ24年だという。
90年代の若い女性のファッションやメイクは70年代のスタイルそのまま。安室奈美恵やSPEEDなどの沖縄出身アーティストの人気も1971年にデビューした南沙織以来で三浦大知が在籍していたFolderはフィンガー5を彷彿させる(三浦が脱退し、5人組体制になった際もフィンガー5を意識してFolder5と改名した)。70年代後半に全盛を誇った歌番組も続々と復活した。また映画では全米で『スターウォーズ』(スター・ウォーズ 特別篇、帝国の逆襲)も大ヒットしてこの現象に当てはまる。
アニメでは、1970年代のアニメが密かなブームとなった。1997年1月から『マッハGoGoGo』のリメイク版(第2作)が始まり、同年2月からは『キューティーハニーF』がスタートするなど懐かしのアニメが続々と復活。特撮番組ではスーパー戦隊シリーズの『鳥人戦隊ジェットマン』・『五星戦隊ダイレンジャー』・『超力戦隊オーレンジャー』などが科学忍者隊ガッチャマン、秘密戦隊ゴレンジャー、バトルフィーバーJといった70年代の作品をモチーフに制作され、メタルヒーローシリーズでも『超人機メタルダー』・『特捜ロボ ジャンパーソン』など人造人間キカイダーやロボット刑事を意識した作品もあった。1974年から1977年にかけて放送された『がんばれ!!ロボコン』を現代風にアレンジしたリメイク版『燃えろ!!ロボコン』も1999年に放送された。
バラエティ番組では、1969年~1970年まで放送されていた『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』のリメイク版としてダウンタウンが司会を務めた「ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!」が放送され、他のテレビ番組や深夜番組などでも野球拳が復活した。この野球拳から派生して卓球拳というのも誕生したことがある。日本テレビの『スーパーJOCKEY』も番組のセットや内容などコント55号の裏番組をぶっとばせ!を彷彿とさせる部分がある。テレビ東京の女性向け情報番組『ギルガメッシュNIGHT』は、「独占!男の時間」を彷彿させるお色気路線の内容で番組内で放送されていたAV女優たちの温泉ロケは、1970年代に大人気(全盛期)だった日本テレビ『11PM』のうさぎちゃんが出演する秘湯リポートに似ている。1990年代は、70年代の流行が回ってきた時代だったとも言えるでしょう。
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