クレームをチャンスと思う心の在り方。
どんな仕事であれ、社外とのお付き合いがある以上、クレームは少なからず出てくるものでしょう。クレームとまでいかなくても、ちょっと嫌味を言われたりしたことがある方はいらっしゃると思います。
私の仕事は求職者(転職活動をしている人)と企業とのマッチング。その業務の中でも、求職者の面談をしたり面接同行をしたりすることが多いのですが、前職を辞めた理由や環境をヒアリングしていると、半数以上の方が、人間関係や今のご自身の状況で悩まれています。
今までお会いしてきた方の中には人に言えない悩みや、病気で苦しんでいる人も多かった気がします。
最初は、話を聞くだけで精一杯でした。自分の今までの人生で同じような苦しみを味わっていれば、何か言葉をかけられたのかもしれませんが、過去に経験があまりなかった私には話を聞く事しかできない。
それでも、真剣に向き合って、その方が前を向いて行けるように少しでも気楽になるように言葉を選んで話をすることを心がけていました。
ただ、愚痴や悩みは時に変化して攻撃的になる場合があります。その方の本心じゃなくても、言葉として人を陥れるような強烈な言葉として発せられる時があるのです。
何度かそういう言葉を受けた時に、最初はそれを『クレーム』のようなものととらえていました。お客さまから不満や怒りを伴う、なんらかの要求や主張みたいなものがあり、それは〇〇さんのせいで、〇〇さんがこう言ったからと言われていたからです。
そのたびに、「また、クレーム・・・」と思い、気持ちは落ち込んで精神的にも辛かった事を覚えています。嫌だな、何でこの人こんないい方するのかな、辛いな・・・そう思っていました。
でも私は性格的に、人をほおっておけないというか、頼られたら何とかしたいと思うタイプで、相談されれば相談に乗るし、解決方法を一緒に考えて何か力になれるなら何でもしたいと思って生きてきたので、その向き合い方で、時には間違っているかもしれないと思っても、性格なのでまた同じような事が起きた時に、親身になってしまいます。(なってしまうという表現もおかしいですが。。。)
ただ、何度もそういう人に会っているとだんだんと慣れてきて、クレームとか罵声とか、怒っている人の対処法が徐々にわかってきました。
クレームというと厄介者と認識されがちですが、きっとその方は期待していたのにがっかりしているから、悲しみの感情があり、それが怒りの感情になっているんです。
クレームを言ってくださることはそれだけ期待してくださっていたはずだから、どの部分を裏切ったのだろう?と考えるようになりました。
何に対してがっかりしたのか、何が悲しかったのかそれだけに集中して話を聞いていると、必ずこちらにも原因があり、そうだったこういったのが悪かった、あの時・・・と思い当たる事が必ずあります。
そう考えるようにすると、これは何か意味がある。と思えるようになります。それが後々のトラブルを避けるためだったり、同じ事が起きないようにする為だったり。
最初は心の中で、こっちは悪くないのに・・・と思っていたことも、もしかしたら今後起こりうる出来事の為なのかもしれないと思って親身に向き合い、相手に寄り添う。
これが出来るようになってからはクレームなんて怖くない!と思えるようになりました。
電話の向こうで言われている事をそうか、と受け止める癖をつけると、これから起こるかもしれない問題を先に忠告してくださってありがたい!と思えるようになりました。
相手は怒っていて怖いけど、寄り添う態度で臨めば、一気に解決へ!その場しのぎではなくとことん話を聞く事で、あとから感謝され、またこちらも感謝すべき事項に変わるんです。
さらに、今思えば若い頃やりがちだったのが、言われた事にたいして、「でも」「だって」と返すこと。
この「でも」が相手をさらにヒートアップさせる悪魔の二文字!内容が正論であれ「でも」「しかし」を使うだけで事態は悪化します。
心の中で『でも!!!』と思っても「そうですよね、わかります、おっしゃる通りです」と共感する。冷静になって考えると本当にそのおっしゃる通りのことがほとんどです。
よく聞く顧客満足度とは、本当に寄り添って向き合っているかどうか試されているんだと思います。
『心のある会話』を求められているんですね。
こう考えられるようになってから、今ではクレームがチャンスと思えるようになりました。
ほとんどの人がクレーム処理が嫌で、自分に当たりたくないと思っているでしょうが、このクレーム対応に対する心の在り方をマスターすると、自身のスキルアップにもつながります。
実際、これまでの約20年の社会人経験の中で、クレームが怖くなくなったのは最近の事ですが、この対処法を身に付け、相手を受け止める心の在り方でいると、ほとんどの問題やトラブルは解決できるようになりました。
自分に起こる全ての事に意味がある。
そう思って生きていると、変な事もおかしなことも大変なこともすごく楽に感じられるようになります。この記事を今回書こうと思った事にも意味があるんですね。感謝です。
【クレーム対応のポイント】
①とにかく寄り添って話を聞く
相手は何に対して不満があるのか?
②否定せず、共感する
でも、しかしは絶対ダメ!
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