治療家の心得5【情報発信は慎重に】
「聞いた話」は拡散する前に、自分で調べる
近年、SNSで第三者のツイートをリツイート(RT)しただけでも、それにより他者に不利益を生じさせた場合には、名誉毀損や損害賠償につながるケースがあります。
たとえ本人にそのような意図がなかったとしても、結果的に誹謗中傷や悪質なデマを広めてしまうと、被害者から責任を追及される可能性があるんです。
さて、ココからが今日の本題です。
みなさんはセミナーなどで教わったことを鵜呑みにし、患者さんなど第三者にそれを伝えることがありますか?
少なからず、ほとんどの方はあるのではないでしょうか。
もちろん僕もあります。
個人的には、聞いた話を広めることは悪いことではないと思いますが、「その情報が正しいかどうかの確認をしてから」という手間は必ずかけるべきだとも思っています。
そして、情報が正しいものであると確認できなければ、発信を見送ることも検討するべきだと思います。
体験談
私がカイロの専門学校へ行っていた時に、講師から教わったことを拡散する前に、調べ直して正解だったことがあります。
とてもドキッ!とする内容ですし、一見、患者さんに教えてあげたほうが良い情報ですよね。
でも大切な情報ほど、自分でしっかり調べておかないと、後で「すいませんでした」では済まされません。
実際、この情報は誤っていました。
当時どんな手段で調べたかは覚えていませんが、医学専門雑誌・書籍の電子配信サービスの「isho.jp」には、
『筋弛緩剤はその名のしめすごとく、筋肉を弛緩させる作用のあるものであるが、筋肉の中でも、平滑筋すなわち、心筋、気管または消化器の筋には作用を及ぼさない。』
と記載がありますので、誤った情報というのが正しい情報です。
今回の話は授業内での会話でしたので、もしかするとクラスメイトや先輩・後輩の中には、この情報を拡散してしまった者がいるかも知れません。
確認する習慣はwin-winにつながる
誤解してほしくないのですが、僕は先生を信頼していなかったわけではありません。
ただ聞いた話を、いったん自分で調べ直し、ある程度確信のあることだけを伝える習慣が身についていただけなんです。
筋弛緩剤は医師が必要だから投じた手段です。
今回のケースであれば、患者さんはその治る機会を民間セラピストに奪われずに済んだんです。
僕たちカイロプラクターは、医師が治せない症状を治すことはありますが、医師は僕たちが治せない病気を治すことができます。
互いが強みを活かすことで、目の前の患者さんを最短ルートで改善させていくという思考は、とても大切なことだと思います。
いかがでしたか?
今回のnoteを参考に、治る患者さんを1人でも増やしていってください。
来週も引き続き、「治療家の心得」を楽しみにしていただければ幸いです。
それではまた