治療家の心得6【ゆがみは必要】
私たちが出会う患者さんで、一番多いのが痛みなどの症状。
そして、次に多いのが「姿勢関連」ではないでしょうか?
軽く挙げるだけでも山ほどありますが、そのほとんどは、同じ原因で発症します。
結論を言うと、「患者さん自身が作ったバランスの崩れ」が原因です。
つまり治し方は単純で、『バランスの崩れない日常を送れる体にする』だけです。
ただ、それを簡単と思うか、難しいと思うかは先生の思考次第です。
ゆがみは必要だから起こる
ところで、先生は患者さんの体のゆがみについて、どこまで許容していますか?
コレは一見無関係の質問に感じますが、本質的な質問になります。
姿勢関連の症状を治すのが得意な先生と、不得意な先生はココから違うと言っても言い過ぎではないと僕は思います。
得意な先生は、「ゆがみを修正するべき問題と考えていない」場合がほとんどです。
もう少し深掘りして言うと、『今の状態に必要だからゆがんだだけで、不要になれば勝手に戻る』と考えています。
もし歪みがなかったら
もし体から左右差や、ゆがみがなくなればQOLは確実に低下します。
そもそも、「ゆがみ=関節運動」なので、歩く行為はゆがみの連続だからです。
もっと根本的なことを言うと、内臓器は左右対称でないし、利き手・利き足のほうが対側より筋肉量が多く重いですし、摂取した食事は体を循環します。
例えば、僕は幼少の頃から10年以上テニスをしていたので、右手の方が1cm長く、筋肉も発達しています。
体もそれに合わせて成長しているので、少し左に傾いているのが僕の真っ直ぐです。
もしこのゆがみを悪と考えてしまうと、脊柱は正中ラインに揃っても、右に傾きやすいバランスになり、筋肉への負担は増大し、別の症状の原因となります。
不都合な真実から目を背け続けるほど、姿勢矯正は不得意になっていくんです。
ゆがむことは問題ではないのか?
体はゆがむことでQOLを向上させている一方で、必要以上のゆがみのせいでQOLの低下を起こします。
先程までの話と矛盾しているように感じるかもしれませんが、ゆがみは必要であり、不必要な存在です。
一般的に、ゆがみすぎると筋肉や靭帯の負担が増加し、場合によっては神経障害を引き起こします。
逆に正常なゆがみであれば、それらはありません。
この判断基準は、触診やモーションパルペーションで十分に対応できます。
もちろん、施術もその検査結果に合ったものを選択するだけです。
当然ですが「ゆがみ=関節運動」なので、関節が動きやすくなるようなテクニックはNGです。
最終、治すのは先生ではない
冒頭でも述べましたが、ゆがみは「患者さん自身が作ったバランスの崩れ」です。
患者さん自身が、バランスを崩れるような日常を止めない限り何度でも再発します。
何が原因で崩れているのかを見つけることや、患者さん自身ではどうしようもない崩れの修正をするのは先生の仕事です。
そして最終、患者さんのゆがみを治すのは、患者さん自身の体がもつ治癒力と姿勢反射です。
いかがでしたか?
今回のnoteを参考に、治る患者さんを1人でも増やしていってください。
来週も引き続き、「治療家の心得」を楽しみにしていただければ幸いです。
それではまた