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日常に必要なお金の知識⑭ 労働者災害補償保険(労災保険)


労働者災害補償保険(労災保険)の制度概要

労働者災害補償保険(以後、労災保険)は、労働者が仕事中に病気やけがをした場合、または通勤中に交通事故などに遭った場合に、必要な保険給付を行う制度です。

労災保険は雇用形態を問わず、正社員、パートタイマー、アルバイト、派遣社員、請負労働者など、すべての労働者が対象となります。

加入手続きは原則として事業主が、都道府県の労働基準監督署等で行い、保険料も事業主が負担します。

ちなみに、社長・役員・自営業者などは労働者ではないため、労災保険の対象になりませんが、ドライバーや大工など労働者としての側面が強い職種の場合は、個人事業主でも任意加入できる特別加入制度があります。

労災保険の目的

  • 労働者の保護:労働災害による傷病等から労働者を迅速かつ公正に保護する

  • 社会復帰の促進:被災労働者の社会復帰を促進する

  • 遺族の援護:被災労働者及びその遺族を援護する

  • 労働条件の確保:適正な労働条件の確保に努める

  • 労働者の福祉の増進:上記の施策により、労働者の福祉の増進に寄与する

労災保険の給付内容

厚生労働省HP
「労働基準情報:労災補償」より

1. 療養給付

  • 傷病手当金: 療養中に支払われる賃金の一部を補償する給付金

  • 休業給付: 療養休暇中に支払われる給与の差額を補償する給付金

  • 傷病年金: 療養を終了してもなお、傷病の状態が継続している場合に支払われる年金

2. 障害給付

  • 障害年金: 労働災害により障害が残った場合に支払われる年金

  • 障害一時金: 労働災害により障害が残った場合に、一括で支払われる給付金

3. 遺族給付

  • 遺族年金: 労働災害で労働者が死亡した場合に、遺族に支払われる年金

  • 遺族一時金: 労働災害で労働者が死亡した場合に、遺族に一括で支払われる給付金

4. 葬祭給付

労働災害で労働者が死亡した場合に、葬儀にかかった費用を支給する給付金

5. 医療等給付

療養に必要な医療費、歯科医療費、療養のための交通費等を支給する給付金

6. 生活援助給付

生活に困窮している遺族等に対し、生活費等を支給する給付金

7. 子女教育手当

遺児の教育に要する費用の一部を支給する給付金

8. 介護給付

労働災害により介護が必要になった場合に、介護にかかった費用を支給する給付金

9. 住宅改修給付

労働災害により障害が残った場合に、住居を改修するために必要な費用を支給する給付金

10. 就業促進給付

労働災害により障害が残った場合に、就職活動等に必要な費用を支給する給付金

上記以外にも、労災保険には様々な給付制度があります。詳細は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。

労災が認められないケースもあります

通勤の途中で寄り道をした場合には、その後、正規ルートに戻ったとしても通勤として認められません。

ただし、日常生活を送るにあたって必要な寄り道については、正規ルートに戻った後は通勤と認められます。

<例>
認められない:帰宅途中でゴルフの練習へ行った
認められる:帰宅途中にスーパー・保育園へ寄った
認められない:保育園に寄った後、公園へ行った

細かい規定や例外事項があるため、詳細は⇩にて確認ください。


今回は、「労災保険」についてまとめました。

次回も引き続き、社会保険の詳細について綴っていく予定です。

毎週土曜日は「日常生活で必要なお金」について、FP3級の知識を共有するシリーズになります。

たかが3級と思われるかもしれませんが、知っていると知らないでは大きな違いがあるもんです。

これからの人生で「お金の知識」は必ず役立つものです。

ぜひ一緒に金融リテラシーを高めて、人生をより良いものに変えていきましょう。

それではまた

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